あなたなんて「スキ」でも何でも無いんだから!
あなたを見ると驚きで心臓が飛び上がり、心拍数が上昇する。
それは後ろ姿でさえ起こり、顔を見ると尚更である。
特にあなたがそのにやけ面を浮かべている時なんか、私は頭が真っ白になって目が離せなくなる。
おのれ、負けるものか!
あなたの声が私の方に向かえば、条件反射で背筋が伸びてしまう。
振り向けば私を見下ろすあなたがいて、悔しさからか、私は下を向いてしまう。
そして目に入るあなたの足元は私に徐々に近づき、はっと顔を上げると、いや、顔が近い!思わず後ずさりする…
この…小癪なっ!
あなたの長ったらしい指が私の顎を持ち上げる。
その指からぞわぞわした“何か”が、私の顎から全身を駆け巡る。
その“何か”は悔しいことに快楽を引き起こし、また発汗作用も備えたあなたのスキル。
ああ、また勝てない…
ゆらりと視界が揺れれば、私の腰に添えられるあなたの左手。
いつの間にか私はあなたに抱きかかえられる形になり、目の前にはあなたの足元どころかお腹まで。
呼ばれた名前のせいで顔は更に熱を帯び、あなたは強引に私の顎を持ち上げてキスをした…
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「…それ何?」
彼女が指差すのは、僕が自習の時間にプリントに書いたもの。
内容は勿論、僕と彼女のラブシーン。
「何、って…君への愛だけど?」
“どうかした?”みたいな口調でさらりと言えば、林檎よりも真っ赤に色付いた彼女。
「ばっ…何書いてやがる!」
「だーかーら、君と僕が愛し合う時間のことだよ!」
「あ、あたしは!」
「うん?」
「…あたしは、あんたなんか、別に…す、スキ、でも、何でもないんだからなっ!」
デレまであと一歩----




