願いよ、キミに届いて掴まれ ※
僕はもう、とびたくないんだ
君が何度も出て来る様な錯覚に囚われて
もう君は、僕の傍には居ないというのに
頭の中で、ただあの空をイメージする
大きく吸い込んだ息は、僕のアタマノナカをトウメイに近づかせる
「イケる」思った瞬間、黒い影が僕の足を竦ませる
影は笑い、歪んで留まって消えた。
目を開ければ、僕の部屋の天井が僕を圧迫している。
僕はもう一度、目を閉じてイメージを始めた。
僕はもうとぶことができないんだ
どうしても、どうやっても
地が僕の足をぬるりと捕まえる
もう、邪魔しないでおくれよと頼む声なんて無い
僕はもう、とんではいけないんだ
そう、思っても「とぶこと」しか頭になくなって
それは僕に とべ と言う
それは僕に とぶな と言う
僕はもうとべる人ではないんだ
あの頃のように、高くも低くさえもとべない
きっと君は言うだろう、情けないと一言。
僕はもうとぶことさえ許されないんだ
だってとぶことに、意味があったのは君が
いるときだけだったから
僕は、頭の中でイメージする
ゆらゆら、景色が曲がっては戻る
前方右斜め前、君が歩いて僕の前を通ろうとする
視界に入ったら僕は、近づくことを理解せずに走ってとん、で。
僕がもし、またとんだら
君がもう一度、僕の前に現れるだろうか
もう一度ぶつかって、「弱虫」とつぶやくだろうか
そしたら、君が落ちながら、僕は、今度、こそ、自、分を、飛べない体、にするだろう、か
か。




