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短編集  作者: 篶-suzu-
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ほんの一瞬後すら過去なのに

手が届かなかったものを諦める時ほど、自尊心を傷つけられていると思えてならない。


しかも、求めたものが鼻先を掠めていった暁には、地団駄を踏むほど悔しい思いをするはずだ。


つまりそれは、余程欲しかったもの。


簡単に「諦める」と三文字で表すことの出来ないようなエネルギーを放つそれ。


何にも代え難いと一時でも強く思えるような代物。


ああ、“僕の腕が、あと1センチ長かったら”。


“世界は変わっていただろう”?


この冗談に笑える人は、どれほど居るだろうか。


つまりは、僕と好みが一致する人。


何気なく気づいた感情が共有出来る人物。


指折りで何人?


『なんだ、手が足りないじゃないか』


数える前の段取りを決めつけて、一言。


まるで権威を持つかのような一言。


何を持っていると言うのだろう。


下る、下る、風が僕の間を通り抜ける。


粒子が~とか、物理的に~とか、要らないんだ。


そしてまた、大事なことも見当たらない。


強いて言うなら、僕と風が必要?


この本気度が分かる人はどのくらい居るだろう。


僕の挙動を見ずに、言葉だけで分かる人はどのくらい居るだろう。


要するに、僕と感受性が似通った人。


いつの間にか隣に座っていてくれるような。


くるくる、僕は話をまぜこぜにしていったけど、僕が言いたいのは、


ヒント、僕はむかついた、ってこと。

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