43/86
ほんの一瞬後すら過去なのに
手が届かなかったものを諦める時ほど、自尊心を傷つけられていると思えてならない。
しかも、求めたものが鼻先を掠めていった暁には、地団駄を踏むほど悔しい思いをするはずだ。
つまりそれは、余程欲しかったもの。
簡単に「諦める」と三文字で表すことの出来ないようなエネルギーを放つそれ。
何にも代え難いと一時でも強く思えるような代物。
ああ、“僕の腕が、あと1センチ長かったら”。
“世界は変わっていただろう”?
この冗談に笑える人は、どれほど居るだろうか。
つまりは、僕と好みが一致する人。
何気なく気づいた感情が共有出来る人物。
指折りで何人?
『なんだ、手が足りないじゃないか』
数える前の段取りを決めつけて、一言。
まるで権威を持つかのような一言。
何を持っていると言うのだろう。
下る、下る、風が僕の間を通り抜ける。
粒子が~とか、物理的に~とか、要らないんだ。
そしてまた、大事なことも見当たらない。
強いて言うなら、僕と風が必要?
この本気度が分かる人はどのくらい居るだろう。
僕の挙動を見ずに、言葉だけで分かる人はどのくらい居るだろう。
要するに、僕と感受性が似通った人。
いつの間にか隣に座っていてくれるような。
くるくる、僕は話をまぜこぜにしていったけど、僕が言いたいのは、
ヒント、僕はむかついた、ってこと。




