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短編集  作者: 篶-suzu-
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遠い夏の夜の空と君の声を胸に

僕は空が好きだ。


事ある毎に、空を見上げた。


しかし僕は、空が青い時と赤い時と暗い時しか見たことが無い。


僕は、空自身が笑っているところを見たことが無いのだ。




どうしたら、僕は空を笑わせることが出来るだろう。


誰なら空を笑わせることが出来るだろう。


どんな空になったら、空は笑ったことになるだろう。


答えは、僕には、空の笑った時を見たことの無い僕には、出せない。




誰かは、雨は空の涙だと表現した。


でも、僕は、それは間違いだと思う。


何故なら、雨の時は空は雲というカヴァーをかけて、自分を隠しているから。


だから、誰かが泣いてると予想するならば、僕は笑っていると予想することにする。


だって、サンタさんだって信じてる人とそうでない人が居るのだから。




僕は雪は嫌いだ。


何故なら、どうして空が僕たちに投げつけるか、意味が分からないから。


なんとなく、意味もなく怒られている気がしている。


それは、誰に向けた感情なのか。


僕は空が好きな故に悩み、雪を嫌う。




僕は晴れの日はもっと嫌いだ。


だって、空が無理をしているようにしか見えないのだから。


「怒り」を溶かし、「ごまかし」を蒸発させ、僕たちを擁護するように光る空は、見ていて切ない。


空、あなたも、僕のように感情を顔に出していればいいのに。


あなたは優しすぎる。




遠い夏の夜、僕たちはあの空に向かって悲しみを嘆き、怒りを懺悔した。


そのために、僕はあなたの感情が見えなくなったのかもしれない。


もし僕が、あの空の笑顔を見れたのなら、僕はきっと、いつかのようにまたあなたと共に生きたい。

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