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月は誰かを求めさまよう
月は、誰かを求めさまよう
自分が何を追いかけているかも理解せずに
自分がどこに居るかも解らずに
何か、自分を満たすものをと
誰か、自分に必要なものをと
半分の月は、浮かぶのだけれど、
時を重ね、太陽と交代してまた自分が黒くなってしまう前に、と
月は想う。
ただ、その想いはキミに届かない。
『もしも、届いたのならば、教えておくれ』
『ボクに足らないものは、一体何だ』
『ボクが求めているものは何だ』
『キミなのか、そうではないのか』
キミから返事はない
月は、また、もう一度巡る。