欲濃色症候群
雨粒が窓に突き刺さる。
それが一斉に聞こえるので、体当たりされているかのようなうるささ。
その雨粒はどんな色だろうかと、僕は常々思う。
僕の目に見えているのは、白黒の絵柄らしい。
正確にはその中の濃い色だと別の色と認識できるが、薄い色はほぼ白に見える。
水色、桃色は、僕は識別出来ない。
これが発覚してからというもの、僕は、白が本当は何色なのかを考えるようになった。
目医者は言う。
「私が見ている色も、君の見ている色も、君の家族が見ている色も、一概に同じ色と言える訳では無い」
「実は君の見ている色が正しいかもしれないし、君が生物として進化しているのかもしれないし、逆に退化しているのかもしれない。私は学者では無いからね」
「しかし、一つ確実に言えるのは、少なくとも君が持っている、色を識別する能力が低いということだ。」
本当のことなんてきっと無いんだ
例え全知全能の神が正しいことを言ったって、証明する術すら無い
だけど、頭で分かっていても、
僕が異端だと思わざるを得ないんだ。
個性?
生活に支障をきたすこれのどこに利点が?
「なったからそう言う」んじゃない、
「なってないからそう言う」んだ!
医者の出した診断は、医学では全く出ることの無い「欲濃色症」
分かるかな?この苦しみ。
真っ白な紙を鋏で切ることが出来ない
空が今、真っ青かどうかなんて分からない
花弁の色彩?グラデーション?白人と黄色人種の違い?ふざけているのか?
個性、個人差、自由、特性!?
ふざけるな、あって堪るものかっ!
慰めは要らない。同じ痛みを分かち合えとも言わない。
何も言わないだけで良いのに、人は言葉を紡ごうとして
0 0 0
39 41 25
56 72 84
112 93 102
はいよく見えましたね。これ分かるかなー。僕?僕は見えるよ。うーん難しいか。ならこれは。ちょっと違うかな正確には。まぁ間違ってはいないかな。
終わりです。
涙の色は透明。
きっと、僕の目は、半透明。




