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短編集  作者: 篶-suzu-
33/86

欲濃色症候群

雨粒が窓に突き刺さる。



それが一斉に聞こえるので、体当たりされているかのようなうるささ。



その雨粒はどんな色だろうかと、僕は常々思う。







僕の目に見えているのは、白黒の絵柄らしい。



正確にはその中の濃い色だと別の色と認識できるが、薄い色はほぼ白に見える。



水色、桃色は、僕は識別出来ない。



これが発覚してからというもの、僕は、白が本当は何色なのかを考えるようになった。








目医者は言う。


「私が見ている色も、君の見ている色も、君の家族が見ている色も、一概に同じ色と言える訳では無い」

「実は君の見ている色が正しいかもしれないし、君が生物として進化しているのかもしれないし、逆に退化しているのかもしれない。私は学者では無いからね」



「しかし、一つ確実に言えるのは、少なくとも君が持っている、色を識別する能力が低いということだ。」





本当のことなんてきっと無いんだ


例え全知全能の神が正しいことを言ったって、証明する術すら無い





だけど、頭で分かっていても、


僕が異端だと思わざるを得ないんだ。







個性?


生活に支障をきたすこれのどこに利点が?


「なったからそう言う」んじゃない、


「なってないからそう言う」んだ!




医者の出した診断は、医学では全く出ることの無い「欲濃色症」



分かるかな?この苦しみ。





真っ白な紙を鋏で切ることが出来ない


空が今、真っ青かどうかなんて分からない


花弁の色彩?グラデーション?白人と黄色人種の違い?ふざけているのか?





個性、個人差、自由、特性!?

ふざけるな、あって堪るものかっ!






慰めは要らない。同じ痛みを分かち合えとも言わない。


何も言わないだけで良いのに、人は言葉を紡ごうとして



0 0 0


39 41 25


56 72 84


112 93 102



はいよく見えましたね。これ分かるかなー。僕?僕は見えるよ。うーん難しいか。ならこれは。ちょっと違うかな正確には。まぁ間違ってはいないかな。








終わりです。





涙の色は透明。


きっと、僕の目は、半透明。

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