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零れ落ちる涙を数えて
いつか、誰かが言ったんだ。
「涙はね、血が通っているんだよ」
『涙の成分は血だよ』
「君の涙は、血が通っているかな?」
『僕の涙は、汗と一緒さ』
「つまり、涙は結晶ということか」
『ねぇ、涙拭いて』
『僕は』
「君は」
(泣き虫は、キライなんだよ)
涙の数を数えて。
零れ落ちた、君の欠片を。
その数だけ、君はきっと、理由のある行動をして、されて、生きてる。
涙の数だけ、強くなれるって、言うでしょ?
泣いたのは、逃げ出した訳じゃないんだ。