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愛を込めて、17本を
キミに花を買った。
17本買った。
明日、キミは誕生日だった。
真っ赤に燃えた薔薇は、キミは気に入ってくれるだろうか。
キミに誕生日には何が欲しいか聞いた。
答えはチョコレートケーキだった。
予想はしていた。
だから、サプライズで、この花を買ったんだ。
キミのことだから、「キモい」の一言で一蹴しそうだけど。
きっとキミは、この花の意味を知らないけど。
でも、良いんだ。
ボクの気持ちが渡せれば。
当日、キミの家に行った。
部屋に上がるのは久しぶりだった。
遠まわしに、とか無理なボクは、キミにケーキと花を渡した。
キミは、泣き出した。
「生まれてきてくれてありがとう」
「キミがいて、ボクは幸せで、」
「キミのこと、だいすきだよ」
カードのメッセージを必死に読むキミがいじらしくて。
涙を一生懸命拭う姿が愛らしくて。
一言、「ありがとう」と小さく言った声を聞いた時、花を買いに行った時のあの恥ずかしさは、とうの昔に消えていた。
----花の意味、分かった?
----…馬鹿じゃないの。私が分からないはず無いでしょ。
----そっか。そうだよね。えへへ。
----キモい
----うん、ごめんね、えへへ。
----…馬鹿…
真っ赤な薔薇、
ボクの精一杯の、キミへの愛。




