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カンニングハンター

作者: 一宮侑叶
掲載日:2026/01/20

私はカンニングが嫌いだ。

お互い嫌な気持ちになるし、虚しい。

そういう人のための、特別な部活がある。

「カンニング検出部」だ。


第1章 カンニングは絶対ダメ!

「終わった〜!」

眞梨は大きく背伸びをした。

今日は中学校生活初めての学力テスト。

しっかり勉強してきたので、出来栄えは良好だ。

「眞梨〜。どうだった?」

親友の萌音(もね)が話しかけてきた。

「もちろんバッチリ!」

眞梨は元気よく言った。

ちなみに、この時の眞梨は、あんな事件が起きることなど、予想もしていなかった。


1週間後、下校時刻がやってきた。

「じゃあね。萌っちゃん。」(眞梨は萌音のことを萌っちゃんと呼んでいる。)

と言うと、教室を後にした。

少し歩いたところで担任に声をかけられた。

「あら、いて良かった。前田さんちょっと来てくれる。」

「えっ!私ですか。」

「あなた以外前田さんはいないわ。」

そう言われ、会議室に連れてこられた。

中へ入ると、隣の席の田乃内君もいた。

席へ座ると、先生は学力テストの解答用紙を私たちに見せた。これは算数のようだ。

「見てくれれば分かると思うんだけど、解答欄に同じことが書いてあるの。それはなぜ?」

「カンニング…ってことですよね。私はやってません。」

あまりのショックさに、言葉を詰まらせながら言った。

「す、すいません!僕がやってしまったんです。」

隣にいた田乃内君が言った。

「えっ!田乃内君本当なの?」

「……。本当です。」

今にも泣きそうな声で田乃内君は答えた。

「分かりました。自分がやった行いをしっかり反省しなさい。明日保護者の方を読んでしっかり話を聞かせてもらうわ。前田さんにも謝っときなさいよ。」

「前田、ごめん。」

私は完全に唖然としてしまった。

いつも大人しい田乃内君がカンニング?

信じられない。

何が起きたの?

「いいけど、一生しないでよね。」

そう言って家に帰った。

その後、担任が生徒に

「不正があったため、2組は学力テストを算数のみやり直します。」

と言い渡した。

生徒からはたちまち不満の声が上がり、犯人は誰なのかと陰でコソコソ話すようになった。

私は家に着くなり、叫んだ。

「カンニングなんて絶対嫌ぁ!!」

母さんに、「眞梨、熱あるんじゃない?」と言われるくらい声を張り上げた。


それから数日経って再テストが行われた。

その後、私はカンニングをする人を見抜けるようになった。

やっぱり、カンニングは良くないよね。

ある帰り道、私は言った。

「萌っちゃん。」

「何?」

「私、部活作ろうと思う。」

「えっ!マジ?」

「うん。だから協力して!」

眞梨の学校は、部員を3人以上集め計画書を提出し、校長の許可を得れば部活を作ることができる。

とりあえず部員を集めるか。


第2章 願望の部活

次の日、先生に頼み込んでクラスのみんなにアンケートをやってもらう事にした。

みんな意外にカンニングをやっているのではないかと思い、気になったからだ。

「おう、1時間目始めるぞ。あー。諸君よ、前田に作ってもらったアンケート的な紙っぺらをやってもらおう。」

「先生。」

「なんだ。前田。」

「紙っぺらではなく、アンケートです。」

「はいはい。」

どっ笑いが起こった。

あんまり怖そうな雰囲気を出すと、みんながアンケートに嘘のことを書きそうだったから、丁度いい。

みんなが提出したのを確認すると、ファイルにしまい込んだ。


家に帰り、結果を集計した。

なんと、クラスの半分ほどがカンニングをやったっことがあると言う。

予想通りだ。

早速萌っちゃんに連絡した。

「えー!」

と凄く驚いていて、お互い少し笑った。

部員は、友人含めカンニングをしたことがないと主張する3人(萌っちゃんも)と私に決まった。

計画書をいよいよ書く。

1枚しかないので、少しドキドキしている。

みんなで話し合いながら書き終えると、早速提出した。

(さぁ、結果を待とうじゃないか。)


次の日、先生に呼び出され教員室に行った。

「先生……。部活……。部活、成立しますか?」

恐る恐る聞いた。

すると、

「作っても良いけど、ルールがねぇ。」

「ルールが何か?」

隣にいた萌っちゃんが言った。

「ざっくりすぎない?」

そう先生は言い、計画書を見せた。

「ここ見てよ。」

先生が指差したところを見る。


部活内容

カンニングをした人をやっつける!


基準

とりあえずカンニングはダメ!


「何がどうなのかあまり分からないぞ。これじゃぁ。」

そこで、隣の隣にいた自称カンニング大嫌い過ぎるらしい大山さんは言う。

「みんなで相談したけど、まとまらなかったんですぅ。許してくださいよぉ。」

そう。眞梨はルールというものが苦手なので、よく分からなくなり、これで提出したのだった。

「いや、余計に分からなくなった。書き直しだ。」

「「「「え〜!」」」」

4人同時に叫ぶ。

(まぁ、書き直すしかないか。)

眞梨はそう思い、職員室を後にした。



数日後、4人は眞梨の家で顔を合わせていた。

「みんな、張りきっていくよ。これが決まらなきゃ、何も始まらない。」

そう言って眞梨は計画書を指差す。

「「「了解!」」」

そう言って作業を開始した。

計画書は無事完成し、翌日先生に提出したところ、なんとokと言ってもらえた。

部活が成立したのだ。

「「「「やった〜!」」」」

みんなは満面の笑みを見せた。

読者の皆さんのために、活動内容などは紹介しておこうと思う。

「カンニング検出部」は、カンニングの防止、及び学校内の治安向上のためにつくられた。

部員はテスト(毎日の小テストを除く、学期末テストなど)を前日に受け、外部にテスト内容が流出しないように、十分気をつける。

テスト当日は、学校の先生に加え部員が巡回し、各クラス、各学年でカンニングなどの不正行為が行われていないか確認する。

もし、不正が発覚した場合、即座に先生へ報告する。

なお、その後の対応は先生に任せること。

また、記録ノートを作成し、何年何組の誰がどのような方法でカンニングを行なっていたかなどを記録する。

そして、カンニング防止の動画などを作成し、全校集会で流したりもする。

……というわけで部活は成立した。

正直なところ、出願した当日に先生は校長先生と相談するといい、持ち帰りとなっていた。

しかし翌日、校長先生が4人を集め、「期待しているよ。」と言って去っていったのだ。





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