カンニングハンター
私はカンニングが嫌いだ。
お互い嫌な気持ちになるし、虚しい。
そういう人のための、特別な部活がある。
「カンニングハンター部」だ。
第1章 カンニングは絶対ダメ!
「終わった〜!」
眞梨は大きく背伸びをした。
今日は中学校生活初めての学力テスト。
しっかり勉強してきたので、出来栄えは良好だ。
「眞梨〜。どうだった?」
親友の萌音が話しかけてきた。
「もちろんバッチリ!」
眞梨は元気よく言った。
ちなみに、この時の眞梨は、あんな事件が起きることなど、予想もしていなかった。
1週間後、下校時刻がやってきた。
「じゃあね。萌っちゃん。」(眞梨は萌音のことを萌っちゃんと呼んでいる。)
と言うと、教室を後にした。
少し歩いたところで担任に声をかけられた。
「あら、いて良かった。前田さんちょっと来てくれる。」
「えっ!私ですか。」
「あなた以外前田さんはいないわ。」
そう言われ、会議室に連れてこられた。
中へ入ると、隣の席の田乃内君もいた。
席へ座ると、先生は学力テストの解答用紙を私たちに見せた。これは算数のようだ。
「見てくれれば分かると思うんだけど、解答欄に同じことが書いてあるの。それはなぜ?」
「カンニング…ってことですよね。私はやってません。」
あまりのショックさに、言葉を詰まらせながら言った。
「す、すいません!僕がやってしまったんです。」
隣にいた田乃内君が言った。
「えっ!田乃内君本当なの?」
「……。本当です。」
今にも泣きそうな声で田乃内君は答えた。
「分かりました。自分がやった行いをしっかり反省しなさい。明日保護者の方を読んでしっかり話を聞かせてもらうわ。前田さんにも謝っときなさいよ。」
「前田、ごめん。」
私は完全に唖然としてしまった。
いつも大人しい田乃内君がカンニング?
信じられない。
何が起きたの?
「いいけど、一生しないでよね。」
そう言って家に帰った。
その後、担任が生徒に
「不正があったため、2組は学力テストを算数のみやり直します。」
と言い渡した。
生徒からはたちまち不満の声が上がり、犯人は誰なのかと陰でコソコソ話すようになった。
私は家に着くなり、叫んだ。
「カンニングなんて絶対嫌ぁ!!」
母さんに、
「眞梨、熱あるんじゃない?」
と言われるくらい声を張り上げた。
それから数日経って再テストが行われた。
その後、私はカンニングをする人を見抜けるようになった。
ある帰り道、私は言った。
「萌っちゃん。」
「何?」
「私、部活作ろうと思う。」
「えっ!マジ?」
「うん。だから協力して!」
眞梨の学校は、部員を3人以上集め計画書を提出し、校長の許可を得れば部活を作ることができる。
とりあえず部員を集めるか。
次の日、先生に頼み込んでクラスのみんなにアンケートをやってもらう事にした。
みんな意外にカンニングをやっているのではないかと思い、気になったからだ。
「おう、1時間目始めるぞ。あー。諸君よ、前田に作ってもらったアンケート的な紙っぺらをやってもらおう。」
「先生。」
「なんだ。前田。」
「紙っぺらではなく、アンケートです。」
「はいはい。」
どっ笑いが起こった。
あんまり怖そうな雰囲気を出すと、みんながアンケートに嘘のことを書きそうだったから、丁度いい。
みんなが提出したのを確認すると、ファイルにしまい込んだ。
家に帰り、結果を集計した。
なんと、クラスの半分ほどがカンニングをやったっことがあると言う。
予想通りだ。
早速萌っちゃんに連絡した。




