表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

第2話 覚悟の時

行方不明だった少年・天城蓮が、再び陽 菜の前に姿を現す。


彼の中に眠っていた“力”と“過去”が、静 かに語られ始める。


逃げ続けていた自分。


傷つくことを恐れていた心。


でも守りたいものがあるなら、立ち 向かうしかない。


今、蓮は「覚悟」を胸に、再びコードとして 戦いに挑む。

コードの姿を解除し、俺は陽菜の前に立った。行方不明だった俺の姿を見て、陽菜は驚いたように目を見開いた。でもすぐに、柔らかな声でこう言った。


「……帰ろう」


そのひと言だけで、緊張していた心が少しだけほぐれた。


夕焼けが街を染めていく中、俺たちは無言のまま歩いた。風が涼しくて、心地よかった。でもその沈黙は、長くは続かない。


「ねえ、蓮……あの一週間、何してたの? あの青い姿は何?」


陽菜の声には怒りじゃなく、不安が混じっていた。目にはうっすら涙が浮かんでいて、それを見た瞬間、俺は逃げちゃいけないと思った。


「……話すよ。全部」


あの日の夜、俺は誰かに呼ばれているような気がして、無意識に走ってた。声を追いかけるうちに、目の前が急に真っ暗になって、気づいたら金色の光の粒が漂う空間にいた。


そのとき、どこからともなく声が響いた。


『お前は選ばれた。コードとして、この世界を守れ』


目の前に青い球体――「コードボール」が現れた。


『それは、お前の力を引き出す鍵「コードボール」。戦う覚悟があるなら、それを使え』


理解が追いつかないまま気がつくと、俺は現実の世界に戻っていて、手にはその球体を握っていた。

そして目の前では、陽菜がゾイオムに襲われていた。


「戦いたくなんてなかった。でも……陽菜が危なかった。だから……体が勝手に動いて、コードボールを投げてた」


俺は静かにそう言った。陽菜は黙って聞いてくれていた。


「……俺さ、昔から逃げてばっかりだった。小学校の時あいつに裏切られた時からサッカーも期待に応えられなくて……それ以来、“頑張る”ってことが..... 怖くなっちゃってさ。」

そう俺は親友に裏切られた経験がある。

このことは陽菜もよく知っていた。


「……バカ」


陽菜がぽつりとつぶやいた。


「勝手に逃げて、勝手に傷ついて……でも、それでも、私を助けてくれたじゃん。だからもう、一人で抱えないでよ」


俺は顔を上げた。陽菜の目は、まっすぐ俺を見ていた。


「蓮は蓮だよ。誰かのために動ける、そんな蓮を……私は、すごいと思った」


その言葉に、何かがほどけた気がした。


「……ありがとう」


でもそのとき、空気が突然ざらついた。目の前に黒く不気味なゾイオムが現れる。


「下がって、陽菜!」


俺はポケットからコードボールを取り出し た。深い蒼の球体が、わずかに光を帯びて 脈打っている。


「これが... 俺の力...!」


俺はそれを力強く、真上へと投げ上げる。 夜空へ放たれたコードボールは空中で一瞬 光を放ち、静かに落下してくる。


俺の胸の奥で、何かが高鳴った。もう、逃げないっ て決めたんだ。


それを、俺は右手で殴り潰した。


「コード、インッ!」


バチッという音と同時に、潰れた球体が光の粒子となって爆ぜる。青いエネルギーが腕から全身に一気に流れ込み、皮膚の内側から装甲が展開していく。


脚部、胴体、両腕、最後に視界を覆うマスクーー


一瞬で、全身が青の光に包まれた。


「さぁ、戦いの時だ!」


姿を変えた俺が、一歩、敵へと足を踏み出 す。地面が震えた。


目の前の敵に視線を定める――

“コード”としての本能が、俺の中で目を覚ます


ゾイオムが一気に襲いかかってきた。スピードが、異常だ。攻撃をかわせたのは、 ほんの数秒だけ。一瞬の隙に吹き飛ばされた。


「くそ……っ」


倒れた俺の前で、ゾイオムが陽菜に向かって動き出す。


「……やめろ……!」


立ち上がろうとするが、体が動かない。


そのとき、陽菜の声が響いた。


「立ってよ、蓮!! 私……またあんたが消えるなんて、絶対イヤだから!」


――守らなきゃ。


俺は拳を握りしめ、立ち上がった。


「俺は……もう逃げない!」


力が再びみなぎり、ゾイオムに突っ込む。攻撃の動きを読み、反撃。回し蹴りが命中するが、倒れない。


「コードブラスター!」


右手に集まる青い光を撃ち出し、ゾイオムの胸に直撃――光の中に消えていった。


静かになった街に、俺の息遣いだけが響く。変身を解くと、陽菜が駆け寄ってきた。


「ほらね。やればできるじゃん、コードヒーロー」


「..... そのネーミング、ダサすぎ」


陽菜が笑った。俺も、今度はちゃんと笑えた。



---


続く




 

陽菜の言葉が、蓮の心に灯をともした。 逃げることをやめ、戦うことを選んだ 蓮。


初めて自分の意思でコードボールを握り しめたその瞬間、彼は“ヒーロー”として の一歩を踏み出した。


だが、ゾイオムの脅威は終わらない。 そして、蓮の力の裏には、まだ語られて いない“真実”が眠っている。


次回「交わる時」


謎の教師・黒瀬の登場が、物語を大きく 揺るがす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ