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平凡な者の異世界旅  作者: 悠遊之抽


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第69章:出発!風間伊佐の初陣の地へ向かう

魔法部隊が風間伊佐たちの頭上に到達すると、ゆっくりと降下し始めた。風に揺れるマントの下からは、銀色に輝く鎧がのぞく。それは騎士団の重厚で堅牢な鎧とは異なり、より軽やかで洗練されたデザインだった。まるで魔術師の魔力の流れや動きやすさを考慮して特別に設計されたようだった。


「勇者様、はじめまして。私は魔法騎士団副団長のカフス・フォンデシーンです」


魔法部隊の先頭に立つ男が、風間伊佐に丁寧に挨拶をした。


「本来なら、団長のアリアン様が魔法部隊を率いて合流するはずだったんですが、さっき途中で急に“師匠に会わなきゃ!”って言い出して、“カフス、あとは任せた”って一言だけ残して、空中からそのまま加速して飛んで行っちゃったんです。」


カフスが呆れ気味にそう話すと、風間伊佐も思わずアリアンの方に視線を向けた。ちょうど風間伊佐から魔法の稽古を終え、満足げな表情で着地したところだった。


「師匠っ! この術、ちゃんと覚えましたよ!」

アリアンは誇らしげな笑みを浮かべて風間伊佐に報告した。


そして彼女は、ようやくカフスの存在に気づいた。


「……カフス、来てたの?」

アリアンは簡潔に言った。


「はぁ……」

カフスはため息をつき、少し肩をすくめると風間伊佐に向き直った。


「はぁ……まあ、そんなところです。では、勇者様、これから我々の陣地までご案内をお願いいたします」


そう言ったカフスの言葉を受けて、風間伊佐はうなずき、西ヴィードの先導のもと、魔法部隊を騎士団の隣にある魔法部隊専用の陣地へと導いた。


魔法部隊の面々は到着後すぐにテントの設営に取りかかり、陣地がほぼ整ってきた頃、風間伊佐と西ヴィードは騎士団の陣地へ戻ることにした。しかし、アリアンは当然のように風間伊佐の隣を歩いていた。


「えっ……アリアン?君の陣地はこっちじゃなくて、私の陣地の方だよね!?」

風間伊佐が困ったように尋ねると、


「……師匠がいるところが、私の陣地ですっ!」

アリアンは真剣な表情で堂々と言い切った。


どうしたものかと風間伊佐が頭を抱えていると、カフスが歩み寄り、アリアンの腕をつかんで無理やり自分たちのテントへと連れ戻した。


「団長、もうやめてください。あなたのテントはこっちです」


「……やだーっ!!! 弟子が師匠と一緒にいないなんておかしいでしょ!? 離してよカフス! 私は団長よ!? 団長なのよおおおお!!!」


アリアンは大声で叫びながら引きずられていった。


「はぁ……団長、自分が団長だってことを覚えてるなら、大部隊を放り出して単独行動なんかしないでくださいよ……」

カフスはうんざりした様子で言い返した。


「……知らないーっ! 離してえええええ! カフス〜〜〜! 師匠〜〜〜っ! 助けてぇ〜〜〜っ!!」


遠ざかるアリアンとカフスのやり取りを見ながら、風間伊佐は苦笑しつつ小さく手を振った。


(カフス……ごめん、本当にごめん……)


風間伊佐と西ヴィードが騎士団の陣地に戻る頃には、対魔族戦を想定した合同訓練も一区切りを迎えており、騎士たちも徐々に帰還していた。夕陽が地平線に沈む頃、風間伊佐たちは夕食を済ませ、それぞれのテントで早めに休息をとった。翌日の訓練に備えるためだ。


翌朝、風間伊佐がテントを出ると、西ヴィードがリチャード公爵が彼を主帳に呼んでいることを告げた。


「昨日の馬術訓練、どうだったかね?」


「まあまあですかね。操作自体は思ったほど難しくなかったです」


「そうか。聞いた話によると、君はロールス帝国から来た白馬を選んだとか?」


「はい、そうですが……何か?」


「いや、驚いただけだ。あの馬は陛下ですら手懐けられなかったそうだ。それを君は、初日で……さすが勇者だ」


「いや〜〜〜そんな〜〜〜(いや本当は、あいつに乗せてもらってるだけで……)」


「本題に入ろう。勇者、我々は一ヶ月後に“魔族の森”への進軍を予定している。その間、毎週少なくとも一回は全軍合同演習がある。君にも参加してもらうことになる」


「演習の内容はどんな感じですか?」


「魔族との交戦を想定した模擬戦だ。戦術の共有や各部隊間の連携確認が主になる。勇者は基本的に後方指揮に専念してもらうから、戦技や魔法の使用は不要だ」


「了解です」


「演習以外の時間は、自主訓練を行ってくれ。状態を万全に整えておくこと。主戦線は帝国側になるが、我々も魔族の襲撃を受ける可能性はあるからな」


「了解しました!!」


主テントを出た風間伊佐は、ふと勇者召喚の儀式で見たあの「青い魔族」を思い出す。自分の手のひらを見つめながら、ぽつりとつぶやいた。


「今の俺なら……あいつに勝てるだろうか……」


その後の一ヶ月、風間伊佐は合同演習に加え、戦技、魔法、そして馬術の訓練を淡々とこなしていった。


それが天翔の協力のおかげなのか、風間伊佐自身の才能なのかは分からないが、彼の騎術は目覚ましい上達を見せ、ついには馬上から弓を放つ訓練までこなすようになった。


「真ん中に命中っ!!」


「勇者様、すごいです!!」


練習場の端で見ていた西ヴィードとアリアンが拍手を送った。


風間伊佐はすっかり自信満々で、次々と難しい姿勢に挑戦しはじめた――が、バランスを崩して地面に落ちそうになる。


その瞬間、天翔が即座に動いて姿勢を修正し、風間伊佐を落下から救い上げた。


胸を撫でおろした風間伊佐は、天翔の首をぽんぽんと叩いて言った。


「危なかった〜〜〜。もうちょっとで死んで転生しかけたよ。ありがとう、My boy〜〜(さすが俺の相棒!)」


しかし、そんな風間伊佐を天翔は鋭い目つきで睨み返す。まるで「お前、ほんとに自分の実力だと思ってるのか? オレがいなきゃ前にも後ろにも動けないくせに」と言いたげだった――


そして合同演習のたび、風間伊佐は数万人規模の部隊が、戦鼓と号令の中で見事な陣形を展開していく様を目の当たりにし、そのたびに圧倒された。「戦争」とはこういうものかと、肌で感じるのだった。


一ヶ月はあっという間に過ぎ、ついに出発の日がやってきた。各部隊はテントをたたみ、整然と並び、リチャード公爵の号令を待っていた。


勇者として、そして王国最精鋭の騎士団の一員として、風間伊佐はリチャード公爵のすぐ傍に立つ。その後ろには騎士団が続いた。


「出発ッ!!」


リチャード公爵の号令が轟き、号角が鳴る。数万の兵の足音と馬のひづめの音が、一斉に鳴り響いた。――こうして、風間伊佐は自らの「初陣」の地へと進発した。

アリアン(Arian):


主人公と仲間:

風間かざま 伊佐いさ〔MAX〕

リック(Rick)

エマ(Emma)

レイチェル(Rachel)



世界・国家:

休ジェスト(ヒューゲスト)〔世界名〕

アレクス王国アレクス



王族・王宮関係者:

シャルルマン・ハンスウォーケン〔国王〕

エリザベート・ハンスウォーケン〔王女〕

ウォリック・ハンスウォーケン〔第一王子〕

ジフク・ハンスウォーケン〔第二王子〕

クリス・ハンスウォーケン〔第三王子〕



宮廷・騎士団関係:

リゼス・アンコベル〔首席女神官〕

アルドフ・ツァイコロフ〔宰相〕

アーサー・リチャード〔騎士団長〕

マイヤー・オギリテ〔騎士団副団長〕

アリアン・レフォルト〔魔法騎士団長〕

カフス・フォンデシーン〔魔法騎士団副団長〕

ジュリエット・ナスタント〔初級神官〕

ダンブズ・ホークランド〔前大賢者〕

イレス・ヴォジリット〔メイド〕

リチャード・ディオジット公爵〔東方領地領主〕

天翔てんしょう〔風間伊佐の騎乗馬〕



他国・神・魔族

東方帝国 ロールス

南方王国 シーク

中土王国 プシス

中土王国 ウランクス

シドレフ・グランシス〔プシス国王〕

魔族将軍 クラシド

魔族魔法将軍 シフィス



神:

光の神 エリクス(エリクス)

大地の神 ディートラ(ディートラ)




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