第54章:ドラゴンブレス練習帳
食事を終えた風間伊佐は、アリアンと合流し、午後の魔法訓練に向かうことにした。
「師匠……あの戦闘バカに何かされてない?」
アリアンがじっと伊佐の顔を見ながら、ぽつりと呟く。
「いや、別に……でも、朝からずっと剣振らされて、姿勢直されて……(戦闘バカって……団長のアーサーのことか?)」
伊佐は朝の修羅場を思い出しながら、疲れた顔で返す。
「無事ならいい。じゃあ今日は、あの“忍法”とやらの修行、続ける」
アリアンの目がキラリと光る。
「……あ、うん。(ダメだ……アリアン、完全に中二病こじらせてる……)」
伊佐は、自分のせいで異世界に中二病を持ち込んでしまったことを悔やんだ。
いつもの川辺の訓練場に着くと、アリアンが静かに口を開いた。
「今日は……何をやる?」
彼女は無表情だが、ほんの少しだけ目が期待に輝いていた。
(いやいや、普通こういうのって、お前が教える立場じゃなかったっけ……?)
伊佐は心の中でツッコミを入れる。
だが、現地に到着した瞬間、ある重大なことを思い出した。
──朝の訓練のせいで、両腕が筋肉痛で上がらないのだ。
伊佐は顔を赤らめながら、必死に腕を持ち上げようとする。
「……どうした?」
アリアンが静かに尋ねる。
「あ、いや……今朝ずっと剣振ってたせいで、腕がもう限界でさ……」
伊佐は気まずそうに笑った。
「……あの戦闘バカのせい。余計な戦技なんか練習して……師匠の魔法なら、魔族なんて一瞬で消し炭」
アリアンが淡々と怒りをにじませながら、ぽそりと呟いた。
「ははは……」
伊佐は苦笑しつつ、今日の訓練を中止にするかどうか迷っていた。
「……あっ!」
「な、なんだよ、アリアン!?」
突然の叫びに、アリアンが目を見開く。
「今、思いついた! 腕を使わなくても発動できる魔法の撃ち方!」
伊佐は目を輝かせると、勢いよく頭を前に突き出し、大きく口を開けた。
すると、口元に火の球が集まり、一気に火炎が噴き出した!
「おおおお……」
アリアンは珍しく小声で拍手をしていた。
魔法が終わると、アリアンがぽつりと尋ねた。
「……今の、名前は?」
「ふふん……《火属性魔法・ドラゴンブレス》だ!」
伊佐はどや顔でポーズを決める。
(※腕が上がらないから、アニメで見たドラゴンの口から火を吐くシーンを再現してみただけ)
「……確かに、ドラゴンが火を吐くみたい」
アリアンが小さく頷いた。
「これ、呪文は唱えたの?」
「いや、口開ける必要あったし……心の中で念じただけ」
「……声に出さない詠唱、できるんだ」
アリアンが興味深そうに呟く。
「よし……私もやる。ドラゴンになる」
その日、二人はひたすら口から魔法を吐く練習を繰り返していた。
頭を前に突き出して、口を大きく開け、あれこれ魔法を試しながら、まるでドラゴンごっこ。
森にこだまするのは、炎や光と共に響く笑い声だった。
夕暮れ時。ふとアリアンが思い出したように言った。
「……腕、まだ痛い?」
「え? まぁ、ちょっとね……」
「……じゃあ、癒す」
アリアンがそっと手を差し出した。
「え、マジで? そんなことできるの!?」
「……うん。治癒魔法は、光属性の一種。術者の技量や想像力に応じて、筋肉や神経、さまざまな損傷を癒やせる」
「なんでもっと早く言わなかったんだあああああああああ!!!!!」
伊佐の叫び声が、静かな森に響き渡った。
アリアン(Arian):
主人公と仲間:
風間 伊佐〔MAX〕
リック(Rick)
エマ(Emma)
レイチェル(Rachel)
世界・国家:
休ジェスト(ヒューゲスト)〔世界名〕
アレクス王国
王族・王宮関係者:
シャルルマン・ハンスウォーケン〔国王〕
エリザベート・ハンスウォーケン〔王女〕
ウォリック・ハンスウォーケン〔第一王子〕
ジフク・ハンスウォーケン〔第二王子〕
クリス・ハンスウォーケン〔第三王子〕
宮廷・騎士団関係:
リゼス・アンコベル〔首席女神官〕
アルドフ・ツァイコロフ〔宰相〕
アーサー・リチャード〔騎士団長〕
アリアン・レフォルト〔魔法騎士団長〕
ジュリエット・ナスタント〔初級神官〕
ダンブズ・ホークランド〔前大賢者〕
イレス・ヴォジリット〔メイド〕
他国・神・魔族
東方帝国 ロールス
南方王国 シーク
中土王国 プシス
中土王国 ウランクス
シドレフ・グランシス〔プシス国王〕
魔族将軍 クラシド
魔族魔法将軍 シフィス
神:
光の神 エリクス(エリクス)
大地の神 ディートラ(ディートラ)




