第52章:初めての戦技(せんぎ)
勇者の儀式が終わった後の一週間、風間伊佐はアリアンのもとで魔法の訓練に励んでいた。初日にして、彼はなんと四大属性と光属性の魔法操作をマスター。それ以降の六日間は──
「そこにあるのは……火盾! そして、豪〇球の術!!」
「うおおおおッ!? 師匠!? 今のなに!? めっちゃかっこいいんだけど!? 早く教えて、お願いっ!!」
そう、彼は中二病の妄想を魔法で現実に叶える快感に、どっぷり浸かっていた。
そして──アリアンの心は、静かに、しかし確実に彼の虜となっていく。
(……師匠、やっぱり最強)
口には出さずとも、彼女の内心ではすでに「伊佐様」化が始まっていた──。
* * *
訓練開始から一週間後の朝。
「……師匠。今日も、訓練……いい?」
この日、アリアンは珍しく伊佐の部屋の前までやってきて、控えめにノックした。
だが、返事はない。
「……」
「……師匠?」
無言のまま、彼女はドアを──蹴り破った。
「師匠!? 無事……!?」
目に映ったのは、伊佐が王宮騎士団長アーサーと向かい合って真剣に話し込んでいる光景だった。
「……何のつもり」
鋭い視線がアーサーに突き刺さる。
「誤解しないでくれ。勇者殿と今後の訓練計画について話していただけだ」
「訓練……?」
「そうだ。勇者殿の体調も完全に回復した。陛下の命により、今日から戦技訓練が始まる」
「……いらない。師匠の魔法、最強。剣術、不要」
「命令に背くつもりか?」
アーサーの声に、冷たい威圧が込められる。
「……私の、魔法時間……返して……」
ぼそりと呟くその声に、アーサーはため息混じりに言った。
「……心配するな。午前は戦技訓練、午後は魔法訓練だ」
「……午後、待ってる」
それだけ言い残して、アリアンは静かに去っていった。
「……あいつ、普段からああなのか?」
「魔法のことになると、あんな感じっすね……」
アーサーは小さく肩をすくめた。
「さて、勇者殿。そろそろ訓練場へ行こうか」
* * *
◆ 王宮騎士団・訓練場 ◆
「はっ!」「ふんっ!」「そこだァッ!」
朝から訓練場には、騎士たちの鋭い掛け声と鋼の音が鳴り響いていた。
「うおぉ〜……これが王宮騎士団の訓練場……し、渋カッコよすぎる……!」
キラリと光る甲冑、鍛え抜かれた肉体、統制の取れた動き──
伊佐は目を輝かせながら、まるで少年のように見とれていた。
「ここにいるのは皆、陛下に忠誠を誓った精鋭だ。かつては貴族しか入れなかったが、シャルルマーニュ陛下の代からは実力主義に変わった。出自に関係なく、才能があれば誰でも騎士になれる。平民出身もいれば、もとは奴隷階級の者もいる」
「……うわ。ガチで貴族制度にケンカ売ってるじゃん、あの王様……絶対プレッシャーやばいって……」
「さあ、君の実力を見せてくれ」
アーサーはそう言って木剣を一本投げ渡し、自ら構えを取った。
(来た……アニメの神回、再現タイム!)
伊佐は脳内にある無数の戦闘シーンを早回しで再生し、その中から「今日の一手」を選び抜いた。
「〇の呼吸──《水〇斬》ッ!!(※本気です)」
伊佐が木剣を構え、魔力とともに水流のようなエフェクトが走る!
「な、なんだあれ!?」「魔法効果か!?」
騎士たちの間にどよめきが広がる。
だが次の瞬間──
「スッ──」
アーサーの姿が、かき消えた。
「ゴッ!!」
背後から木剣が背中に炸裂。
「ぐわあああああッ!!?」
伊佐は派手に吹っ飛んだ。
「いったたた……」
背中をさすりながら立ち上がった伊佐に、アーサーが一言。
「魔法で剣技を補う発想は悪くない。だが──」
「だが?」
「基礎が壊滅的だ!! 構え、足運び、打ち込み、全部なってないッ!!」
アーサーの怒号が訓練場に響く。
「……まずは立ち方から、叩き直すぞ」
こうして──
風間伊佐の地獄の剣術修行が、ついに始まった!!
アリアン(Arian):
主人公と仲間:
風間 伊佐〔MAX〕
リック(Rick)
エマ(Emma)
レイチェル(Rachel)
世界・国家:
休ジェスト(ヒューゲスト)〔世界名〕
アレクス王国
王族・王宮関係者:
シャルルマン・ハンスウォーケン〔国王〕
エリザベート・ハンスウォーケン〔王女〕
ウォリック・ハンスウォーケン〔第一王子〕
ジフク・ハンスウォーケン〔第二王子〕
クリス・ハンスウォーケン〔第三王子〕
宮廷・騎士団関係:
リゼス・アンコベル〔首席女神官〕
アルドフ・ツァイコロフ〔宰相〕
アーサー・リチャード〔騎士団長〕
アリアン・レフォルト〔魔法騎士団長〕
ジュリエット・ナスタント〔初級神官〕
ダンブズ・ホークランド〔前大賢者〕
イレス・ヴォジリット〔メイド〕
他国・神・魔族
東方帝国 ロールス
南方王国 シーク
中土王国 プシス
中土王国 ウランクス
シドレフ・グランシス〔プシス国王〕
魔族将軍 クラシド
魔族魔法将軍 シフィス
神:
光の神 エリクス(エリクス)
大地の神 ディートラ(ディートラ)




