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あと何回君に会えますか  作者: 彼岸花
また会いに行くから
4/12

子は親に似る

このお話は完全フィクションです

再投稿


「し、雫!!」

俺は焦る。

雫がいない?まさかもう死んだのか?

鼓動が早くなる。何の手がかりも掴めないままで

人を犠牲にするのか...?


あの日が蘇る。と、同時に俺は気づいた。


いや...!前回はドアを開けると一帯が血塗れだった!

と言う事は雫はまた死んでいない...!

そうやって自分を納得させる。


自分の言葉とは裏腹に俺は急いで家を走る。

決して広くもない狭い家の中を。


「よかった...!!」

俺は安堵あんどして泣いてしまった。

どのくらい時間が経ったのだろう。

ずっとずっと泣いていた。

それぐらい大事だったから。

それほど彼女を愛しているから。

俺はスマホを確認して現在時刻を見る。

随分古びたスマホだ。そろそろ替え時かなぁ。。


現在時刻 12時40分


いやいやいや、10分も泣いてんじゃねぇよ俺。

昔からの泣き虫は変わらないみたいだ。

「昔は道でこけただけで泣いていたからなぁ...」

散々雫に馬鹿にされたから覚えている。

しかも成人してからだ。

色んな事ですぐ泣いていたなぁ。


1番印象があるのは...


プルルルルルルと電話が鳴る。

雫からだ。

「前回はこんな事なかったぞ...?」

「もしもし?」

俺は震えた声で電話に出る

「いつ帰るの?もう帰った?」

何だ心配事の電話かよ。。安心したじゃねぇか

「ん、あーもう帰ったよ!」

「あ、そうなの?私も、もう家に着くよ」

思考がフル回転する。。ここで帰ると殺人犯と鉢合わせしたりまた同じ未来を歩んだりするのでは..?と。


「あ、あー!!ごめんちょっと欲しいものあるから買ってきてくれない?」

咄嗟とっさに嘘をついてしまった。

「ん?欲しいもの?何?」

「え、えーっと、!あ、そうそう!煙草煙草!」

「煙草?やめたんじゃなかったの?」

電話越しでもわかる。完全に怒っている。。。


俺が煙草を辞めたのは雫に言われたからだ。

それまではいつでもどこでも煙草を吸っていた。

いわゆる、ニコチン中毒者だ。

まぁそうなったのは恐らく父が原因だろう...笑


「子は親に似るっていうもんなぁ。」


「何ブツブツ言ってるの。私も帰ってやる事あるんだけど。家事やら色々。」

ヤバい!1人で思い出に浸っていた...

「え、えーっと、じょ、上司!上司が欲しいらしくて!」

「本当に??」

「う、うん!!」

やばい完全に疑われている。理由づけをミスった。

最悪だ。嘘が下手くそすぎる...!

「んー、わかった。じゃあもう少し遅れるね。」

「あ、ありがとう!ま、またね!」

電話を切る。

案外行けるもんだな。俺って嘘が上手いのか...?

まぁ、絶対お情けだろうなぁ...笑


いやいや!!こんな事してる場合じゃない!

もっとやるべき事があるだろ!

ハッと我に帰り、ある事が頭に浮かぶ。

そ、そうだ!そういえば...


4. 現場からナイフとライターが盗まれた事


そ、そうだ!あるか確認しなきゃ...!!

俺は立ち上がりタンスを開ける。



急な痛みと苦しみに襲われた。

「く、苦しい...!な、何だこれ...!」

後ろを振り返るとパーカーを深く被った男が俺の後ろに立っていた。

「パ、パーカー...?く、黒...?男...なのか...?」

視界がどんどん暗くなる...


死ぬ。。


これが野生の本能というものなのだろうか...?

死ぬ時は案外わかるもんなのだな...


「ゆっくりおやすみ」


男?は言う

視界が真っ暗になる。

刺された...?殴られた...?絞められた...?

まったくわからない...ただ、苦しくて痛くて苦しい...

じ、時間を確認...し..なきゃ...

最後の力を振り絞り顔を上げる。

そして、見えたのは、


1. 13時を過ぎていたこと。


2. 男は金髪だった事。


3. 盗まれた物は調べられなかった事。


この3つのみだった。


時刻 13時××分


【【【 ループ2回目 】】】

犠牲者2人目 とどろき りょう


第4話 子は親に似る 完






13時××分

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