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6-2



「センセー、質問です!」


この緩くなった雰囲気の中に、アキラが全く気にせず手を挙げながら立ち上がった。


「はい、何でしょう」


アキラの行動に対して全く気にしていない。むしろニコニコしている。


「魔法っていっぺんに複数できねの?」


「須野殿が言っているのは多重魔法と呼ばれる行為です。同時に複数の魔法を使う事。例えば、このような事」


ヒルミツの両手の上にそれぞれ水玉と氷柱が浮いている。


その魔法を見て周りの者は少々ざわついている。


クレマンが居なくて良かったかもしれないな。彼がいるならきっと今頃暴走しているだろう。


「あれ?センセー詠唱してないじゃん」


「ええ、先程説明したように、イメージを強くするための詠唱ですから、イメージが強ければ詠唱しなくても魔法は使えます。皆様も魔法の練習を重ねると自然と詠唱しなくてもできるようになります。


では、先程の多重魔法の説明に戻ると、多重魔法は誰もできるものではありません。特に魔法に慣れていない初心者にとっては至難の技術です。どうしてかというと、ゼロから一を生み出すのにイメージが鮮明で無いと魔法の成功率がかなり低いからです。成功率を上がるために詠唱の必要となります。そして、詠唱する口が一つしないため必然多重魔法ができません。


それでも誰もできない理由とは何でしょうか?どなたか分かりますか」


ヒルミツは全員に目を合わせているが、ぼくにいる視線はなぜか短い気がする。


ま、昨日コユキの講義と違って、かなり者が多いから全員見るのが大変だろ。


この中に、マキはゆっくりと手を挙げた。


「はい、七々扇殿どうぞ」


「魔力の量」


「その通りです。七々扇殿に一ポイントを差し上げます」


ポイントか。昨日コユキもスイにポイントを与えたが、やはりぼくには些か慣れないかもしれないな…と無意識に胸元につけているバッチを触りながら考えた。


「魔法を実現するのに、魔力とイメージは両方不可欠です。先ほど説明した通り、魔力があってもイメージができないと成功できません。逆に言えます。鮮明なイメージがあっても、実現するできるほどの魔力が持っていないとただの妄想にすぎません。


例をすると…仮に世界を破壊したいというイメージを明確でイメージできるとしても、神々によって作られたこの五つの世界を破壊することができません」


「カミサマより弱いから?」


「ええ、神々ははるか昔五つの世界から離れましたが、離れても常にご自身の力で世界を維持していますから。そのため、世界は簡単に壊したりしません」


「はいはい、センセー追加質問でもいい~?」


賑やかしいアキラが更に手を上げた。


「どうぞ」


心底から嬉しいそうに笑っているヒルミツ。


「魔力って鍛錬で増えるもんなん?」


「あ…少し答えづらい質問ですね。魔力の量だけというと固定ではありませんので、増えたりすることはできます。但し、今説明した魔力というのはあくまでも体内にあるエネルギーのことです。体という器が収める量は生まれつきですので、大きくすることができません」


「ん?え?でも…?」


かなり困惑した声が聞こえる。


後ろを向かなくても、アキラ今はきっとぼくを見ているだろ。


「器より多い魔力待ったらどうなる?」


ヒルミツの説明を聞いたマキは手を挙げずにすぐ聞いた。


「…状況にもよります」


さりげなくぼくの方を見たが、ぼくと目が合った途端すぐ目を逸らした。


(からだ)の限界が来ましたら死ぬんだ。


講師として少々問題ありだが、マキがどうしてこのような質問をするのがわかっているうえで質問から逃げた。


優しいな、ヒルミツ。


「此度の講義はここまでとします。魔法についてはまだまだたくさんありますので、もしもっと知らいたいものがあれば、さらに難しい講義も開く予定ですので、時間が合えばぜひ受けてみてください。では、ノート提出の締め切りは後三十分までです。提出した方は先に帰ってもかまいません。」


魔法で大きめな砂時計を出してから、ヒルミツは窓の近くにある椅子に座って、お茶を飲みながら日差しを堪能している。


随分とのんびりしているな。


「すみません、紙に字をかけないですけど…」


誰かがヒルミツに声かけたが、彼が全く聞こえないようで窓の外を眺めている。


「先生!」


「え?なんで?」


「うそ…」


などなどの声がざわついてきた。


うるさいな…ぼくもヒルミツのように周りの声を遮断しようかと思いながら、アキラの様子を確認した。

彼はもう書いている。ま、目がいいから、ヒントなくてもアキラはすぐ気づくはず。だから最初から彼のことを心配していない。

ただ…


「字が汚いな」


頑張っているな。


真剣に魔法でノートに書いているアキラがすごい勢いで頭を上げて、灰色の眼玉が落ちるほど見開いた。


「えっ?頑張ってる人に言う言葉?酷くね?」


ん?


「そっか、失礼したな。心の声と逆になってしまった」


「フォローになってねぇけど…」


「ふふ、早く書かないと時間が足りないよ」


「なら邪魔せんでよお~くそぉぉぉおおっ」


書く速度はやや遅めだが、時間内で終われそうだな。


アキラの状況を確認した後、マキの方も見てみた。アキラと違って元々魔法は使えるが、すぐには紙の仕込みを気づかなかったから、今から書き始めたところだった。


そう、ヒルミツから配れれた紙は魔法を使わないと、いくらペンで書いても紙には文字が表示しない仕様だ。アキラのようにペンを動かして字を書くか、もしくはマキのように魔法でペンを生み出すか。色々な方法はあります。実に魔法の講義には相応しい課題。


一番の問題は紙の仕様を見破ることだが、それもヒルミツがしっかりヒントを出した。それさえ気づけばそんな難しいことではない。


ふたりとも時間内で終われそうのを確認したから、そろそろか。


「先にSクラスに戻るわ」


「え?」


「ぬぅ?」


マキは先ほどアキラのように目が大きく開いて不思議そうでぼくを見上げた。アキラも口を大きく開いたままぼくを見た。


「ふふ…頭の中にある内容をその脳から出せば、書く必要ないよ」


ふたりの前で、指で自分の頭に軽く触ると、脳から大量の文字が空中を浮いている。そして、指先で大量の文字を紙に貼り付けた。


ぼくのやり方を見て、マキとアキラは同時にお互い目線を合わした。特に言葉を発していないのに、お互い言いたいことが理解したようだ。


仲良くなるのはいいことだ。


完成した紙をもうぼくの近くに歩いてきた龍に渡して、龍が代わりに提出した。


ヒルミツはなぜか汗だらけになった。


日向ぼっこすぎたか?


「それでは、ふたりとも時間気をつけてね」


「待って待って!ちょっと待ってくれ!」


このままSクラスの教室に戻るとき、後ろから大きな声が聞こえた。


うるさいな…直にこの教室から離れるから多めに見ることにしたが、その声の主がぼくの目の前に立ち止まった。


「なに無視しやがってんじゃねよ!」


「あや、ぼくを呼んでると思わなかったな。それは失礼したな」


頭に白い角が二本に、やや大きめな牙からすると、種族は恐らく鬼族。


バッチは身につけていないから、バッチの色でクラスを判断できないが、恐らくBランクあたりかな。弱いほどではないが強くもない。


「今時間ねぇから、決闘を申し込むから俺が提出するまでここで待ってろ!」


王様のような尊大な態度で物言いながら、ぼくに指を指した。


ふふ、礼を知らないのに課題に真面目とはな…


「わかったよ。難しい課題かもしれないが頑張って」


すんなりと受け入れたぼくに対して、彼の目がまん丸くなって、口も少し開けた顔をぼくに見た。


「どうした?早くしないと時間がなくなるよ」


ぼくの話を聞いて彼がやっと反応して、慌てて自分の席に戻った。


満。


ぼくの回答に不満そうな者約一名。だが、その一名はぼくの配慮対象外だから、無視。


そもそもSランクのぼくは断れないのでは?だからぼくに不満を抱いてもな。学生である以上はルールに守らなければな。などの言い訳を口にしなくても龍はわかっているが、不満は不満らしい。


いつものことだから気にしたらきりがないな。


「え?今難しいとか言ってねぇ?」


「ん…」


「よく平気に嘘つくよね」


「うん」


龍以外にもぼくに文句ある者約二名いるが、ふたりが仲良くなったことを免じて聞こえないふりとしようか。


そもそも彼にとっては難しいという話なだけ。もう少し時間をかければできるかもしれないが、三十分内は無理でしょう。






Swich2が楽しみです←

抽選で当たるといいです←

もし当たったら今度こそティアキンをクリアしようかな。途中他のゲーム発売したから一時停止したら未だに再開してません(笑

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