6-1
朝起きたら、昨日より体が軽くなった気がした。予想より早いが、体がやっとチョーカーに馴染んでかもしれない。
これくらいしかないか…
首にあるチョーカーがひんやりしている。年中体が熱いぼくにはちょうどいい。
スイたちとは昼くらいと約束はず、まだ時間あるからなら…
「講義受けるから、おすすめとかない?」
ベッドの近くに置いている椅子を座っている龍に問いかける。
ぼくが起きる時間になると勝手に部屋に入って、あの本を読みながらぼくを待つのが龍のルーティンらしい。いつ部屋に入るのは知りたくないから、彼の言い分を信じることにした。
「…」
「聞こえないふりしない。どうせ詳しいでしょう」
今日の服はもうベッドの端に、スクランブルエッグがメインの朝ご飯もサイドテーブルに置いている。
あまり食べたくないな…
紅茶で済まそうとしたのに、龍に無理やりフォークを渡された。
ぼくの答えを答えない癖に自分の意見だけ聞けとは…どうやって育てられた?
「食べるから言え」
「食べてから」
この竜族は本当に面倒だな…
確かに今まで食べると言ったのに食べてなかったこと何回もあったが、こんな警戒する必要ある?
龍を睨みながらなんとかメインの卵だけを食べた。
「…」
「全部食べると言ってない」
かなり不満そうだが、そんなのぼくが知ることじゃないな。
龍から渡されたバッジを受け取って、中に載っている詳細をおおよそ確認しながら紅茶を飲んでいる。龍の選択だから、やはり実戦型ではなく論理系の講義だな。
しかし、なんでまた基礎からの講義?と疑問を持って、講義を受ける者のリストが見れるところがあって、よく見ると何名か知り合いの名前が載っている。
「……子犬を飼いたい?」
ぼくの質問を聞いて、龍は珍しく笑った。あの万年無表情な龍の口角が浮かぶなんて、さすがのぼくも驚いた。
「なに?」
「死んでも嫌」
無表情に戻った龍がそう言い放った。
「みっち、おはよぉ~同じ講義を選ぶなんて、オレらめっちゃ気が合うってことぉ?うっれしい」
教室の前に着いた途端、後ろからアキラの声が聞こえる。後ろ向いたら、どうやら彼はぼくに抱きつこうとしていたが、龍に後ろの襟を掴まれたから全く動けない状態。
「おはよ。朝から元気だな」
「もちのろんだぜ~みっちの顔色が昨日よりよかったから、オレうれちぃよ」
元気ありすぎる子犬は困るもんだな。
「そうだな。アキラのおかげだ」
龍を見ると、渋々とアキラを離した。
「ねねぇ~なんでこの講義を選んだぁ?魔法基礎なんてみっちに必要ある?」
「ふふ…どこの竜族に選んでもらえないとロクに講義を受けれなさそうから」
近頃過敏だし、すぐでも休めとか言うから些か面倒い。
「うえぇぇ、笑顔が怖っ」
「ん?」
「なんでもないですっ!それよりもうすぐ時間だ~早く教室に入ろぉ~」
笑顔向けただけなのに失礼だな。
アキラと一緒に入ろうとしたが、龍はぼくの車椅子を押さずに立ったまま。視線の先は向こう側にいる者。
その者は白い仮面をつけている。顔も姿もはっきり見えないのに、なぜか懐かしい気がした…
考えている時、突然龍は自分の体でぼくの目線を遮断した。
「知り合い?」
何も言わない彼がぼくの車椅子を押した。先程の方向を見ても、そこには誰も居なかった。
沈黙は最大な答えだ。龍も色々あるんだな。
ま、いずれわかるものだ。
深く考えずに教室に入った。いつも通り教室に入った途端、教室中の目線が一気に龍に集まった。
龍と一緒に行動するようになってから、竜族が珍しいからどこに行っても龍が目立つ。自然と隣にいるぼくまで目だてしまった。
他者に全く興味がない龍はその目線を全く気にせずに、このままぼくを最前列の席に移動した後、最後列の後ろに控えた。
ぼくより先に最前列にいるマキはぼくを見て、小さな微笑みを見せてくれた。
「おはよう。」
「ふふ、おはよう」
龍と同じあまり感情を表に出さないマキの笑顔を見ると、ぼくまで嬉しくなってきた。
昨日と比べて少し顔色が良くなっているが、中身は弱いままか…
食事すれば何ても解決するのにな。ただマキはあえて食事しないようにしているから、部外者のぼくが口に出すものではないな。
「…どうした?」
「ううん、なにもないよ」
…ぼくできることは彼女を撫でるしかできないな。幸いマキも嫌いじゃなさそうで良かった。もし嫌いならまた別の方法を考えればいいか。
「イチャイチャしてるぅ~いいな~オレも真姫ちゃんを撫でたい~みっちにも撫でられたいぃ~」
「ふふ、欲張りだな」
本当はアキラがやったほうがいいな。彼の体内にまだぼくの力が残っているはず。昨日アキラが精密に調整したには、きっとぼくの力を薄めてマキに渡すほうがぼくより効率がいい。
残念のはマキは未だにアキラの事警戒している。現にアキラのことを睨んでいる。
触るところか、近づかせないな…
「オレなんかしたっけ?真姫ちゃん~仲良くなろぉ~」
出会ってから思った。アキラはなんか空気読めなさそうに見えがちだが、他者に許される範囲の行動しかしない。他者との距離は近い割のに、決してぼくの許可なしで触らない。マキのことも、こう言っているがアキラは一切マキに近づこうとしない。マキが怖がらない距離を保ったまま。
恐らく誰よりも周りを観察しているのだろ。
マキに無視されたアキラはシクシクと存在しない涙を拭く。
昨日と比べたらアキラのことをそんなに抵抗してないように見える。アキラって本当に面白いな。きっとどこに行っても生きていける性格だろ。
そろそろ時間だな…と思ったときに、ドアが開けられた。入ってきたのは白いリザードマンだ。元々白い鱗なのに更に白衣を着ている。妙に眩しいな…
ミハルとコユキも白衣を着ているから、やはりスプラウーでは白衣が講師の証か。
「おはようございます。吾輩は昼光・霜坂です。此度『魔法概論・基礎』の講師を努めさせていただきます」
自己紹介しているヒルミツとたまたま目があったから、彼に笑顔を向けたのに、ヒルミツはすぐ視線をずらした。
…他者の目と合わないタイプ?
「此度の講義は基本課程のため、今回のみということで、もし途中何かわからない事があればすぐ吾輩に聞いてください。講義が終わるまでに、今お配りした紙に講義内容のまとめを提出すれば単位を差し上げます。ノートを取る時間を設けていますので、慌てずに取る必要無いです」
説明しながらヒルミツは全員に紙を配った。
「良かったわ。簡単そうだ」
「そうね。この講義選んで良かった」
「簡単すぎない?」
後ろからそう言った声が聞こえた。
「ふふ…」
本当にヒルミツが説明した通り簡単でしょうか。もらった紙を見て思わず笑ってしまった。
「紙がどうした?」
「ふふ、種明かしはぼくからでいいの?」
もちろん彼女に答えを教えてもいい。それがマキの選択ならぼくは尊重する。
ぼくの質問にマキが目を見開いた。
「…自分で考える」
首を垂れたマキはぼくに答えた。
「ふふ、いつでも聞いていいよ」
「ん…ありがとう」
「はい、皆様手元に紙があったので、これから本番に入りたいと思います。まず魔法とは何かというと、体内にあるエネルギーを使って、脳内にあるイメージを実現することです。例えば、こんな感じです」
ヒルミツは指を振るとチョークが先ほど配られた紙にリザードマンの落書きを描き始めた。
「今のように実物を動かす魔法ならイメージだけで十分のため、特に詠唱など必要ありません。ただし、何もない状態から生み出すために、イメージを強くするために詠唱が必要になります。例えば、『風よ、我らに癒やしを』」
詠唱後、教室内に涼しげな風が吹かれた。ヒルミツが詠唱した内容通り、優しい風によって気持ちが少し安らかになった。周りの雰囲気が少し明るくなった。隣のマキも少し落ち着いてきた。
下級魔法でここまで雰囲気を一気に変えれるとはな。
先週あたりに、ユミアは最終章あたり(たぶん)に突入し、後ちょっとでクリアになりそうで、PS4が死にました………
いい歳で大泣きしてしまった。旦那の提案でSwichのユミアを購入し、一からやり直し中でした。
ぼくの80時間弱は泡のように消えてしまいました……
その同時にまだ百超えてないから良いほうかなと思ったりしたけど、大泣きしました。(二回目)
余談ですが、この物語の在庫はほぼない状況になりました。
更新がもっと遅くなりそうです←




