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3-3



転送先はこの学院の真ん中にある湖、着いた時にスイはすでにいた。


今朝の格好と違って、かなり動きやすそうな格好。見ればわかるくらい気合が入っている。


「龍様、満様、こんばんは」


穏やかな笑顔でぼくたちに挨拶しに来たスイ。その右手にすでに剣を持っている。スイの剣は翡翠で創らたらようだな。しかも普通の翡翠ではなく、恐らくハイエルフの母樹の枝がメインの材料だな。母樹がないとハイエルフが誕生できないから、ハイエルフにとって母樹の葉っぱからの露さえ大事にされている。まして枝は簡単に手に入れない。母樹から誕生していない彼はかなり母樹に見守れているな。


なかなか面白いのではないか。


「ふふ…こんばんは。十分と楽しんでいるようだな」


「はい、お恥ずかしながら今朝から期待しています」


穏やかな顔しているが、長い耳がピクピクしているから全然隠せていない。


相当期待しているな。


ぼくとスイが話している間、龍はすでに結界を張り終わった。


龍は本当に素直ではないな。嫌と思いながら、ぼくが望んだことをしてくれる。


ある意味アキラが言ったことが間違っていない。


手合わせだから車椅子から立とうと思った瞬間、龍の手はぼくの肩に置いた。置いたというより抑えている。


…その大前提は過保護の基準に反していないことだな。


「もう始まるから、そっちで待ってろ」


足が特に問題ないのに、そこまで立たせない理由が逆に教えてほしいな。


とはいえ、龍に何を言ってもきっと通じないだろ。


「お二方本当に仲がよろしいですね」


スイの言葉に返さずにただ笑っただけ。


本当にそうだろか。


「さて、スイ。ぼくは初めてだから、どうやって勝つと判断する?」


家の護衛たちの訓練を視察しに行った時に、護衛たちの訓練の一環で一対一があって、それを見てぼくも参加したかったが、なぜか隊長に丁寧に断れられた。その上、龍が迷わずにぼくをその場から連れ出した。今考えると龍のせいだな。だから、正直ルールがわかっていない。


「そうですね。色々判定方法がありますが、今回の審判は龍様ですので、龍様の基準によるかと思います」


離れている龍を見ながらスイが答えた。

ぼくとスイの様子を見て、龍は魔法で合図を出した。


「さあ、遊びの時間だ」


ぼくの言葉に対してスイは素早く距離を取った。近接武器のスイだからきっとぼくに近づきたいと思ったのに、だけどそうじゃないと面白くないからな。


「どうした?望んだはずの手合わせではないか。遠慮なくぼくに攻撃していいよ」


「よくご冗談を」


やっぱりスイにバレたな。


そもそも合図を出した瞬間に動作を封じようと思ったが、スイが一瞬で気づいて避けた。実際全部避けきれなかったが、武器で素早く切ったから離れられたな。


「ふふふ…本当にいい武器だな」


右足のズボンが破ったのを見て、思わず口に出した。


母樹の枝じゃなければきっとズボンだけじゃないでしょ。ま、そうじゃないとぼくもいきなり鋼糸を出さないな。


「一目でおわかりになるとは…さすが龍様が選んだ方ですね」


翡翠の瞳から龍への狂熱を感じれる。


なんで今日で初めてあった龍にこんなに心酔している?龍はスイに何をしたのかなと今日一日のことを真剣に考えていたが、何も見当がつかなかった。


「満様、戦闘中集中しないと危ないですよ」


ぼくが考えている間に、スイが糸を切り落としながらぼくを接近してきた。


意外とストレートな戦い方だな。車椅子を封じればぼくが動けなくなるのにな。


ふふ、違うか。


ぼくが歩けないだからこそ近づいてきたか。本当に素直で真っ直ぐに育てられたな。


でも…


「甘いな」


僕相手に本気ではないのもある意味一種の傲慢かもしれないな。でもその傲慢は嫌いではないかもしれない。


『止まれ』


ぼくの言霊でほんのわずか一瞬でスイの動きが止めたが、本来魔法耐性がある故すぐぼくの方向に進み始めた。ただ、その一瞬の油断があれば、スイの視界を奪うのが簡単だ。それでも目が見えなくなったスイは止まらずにぼくの方に攻めてきた。


見た目があんなに綺麗なのに、戦闘方が野蛮だな。生まれつきの身体能力に頼りすぎな傾向があるな。

ついでにスイの聴覚と嗅覚も奪った。それでも彼は止めたりしないが、案の定でぼくへの攻撃が外れた。糸で彼の動き封じた後で、感覚を全部返してあげた。


きれいな顔が興奮に満ちている。


流石戦闘狂というべきなのかな。


動きを封じられてもなお彼は諦めていない。ぼくを模倣して周りの木を支配し、枝でぼくの手足を捕まえて、車椅子の車輪を翡翠にとじ込んだ。その上、スイの白い腕から緑の龍鱗が現れていて、力入れるとぼくの糸を外した。


次の瞬間で剣はすでにぼくの首の前にある。その同時に龍がスイの剣を止めた。このまま折るとかバカのことを考えているようだ。


龍と名前を呼んでから、龍はやっと剣を放した。


本当に過保護だな。そもそもこいつを判定にする自体が間違いかもしれないな。それだったら覗いでいる者にお願いすればよかった。


それに傷つかずに勝つのが意外と難しいかもしれない。


「これを隠したいのでは?」


「満様の前では隠す必要ないかと思います」


少し深呼吸してから、スイは淡々と言った。手の龍鱗も消えてきたが、目の中にある興奮が消えきれていない。


「スイは弱くないよ」


ぼくの言霊を耐えるし、五感を戻された瞬間魔法でぼくの動きを止めるのは普通の者ができるものではない。


「全力を出していない満様にそう言われても嬉しくはないです。五感を返さなければ間違いなく私の負けではありませんか」


思ったとおりにスイが拗ねた。


軽く息を吹くと、ぼくの手足を縛ってる枝が素早くぼくから離れてくれた。その同時に車椅子の車輪の元に戻った。それを見たスイが更に不満になった。


「ふふふ、手合わせだからな」


「それだけではありません。この結界にいる限り、満様の力は常に奪われていますよね」


ぼくの態度にますます不満のスイが大声でばらした。


「そうよ。だからスイも最初本気出していないでしょ」


「当たり前ではないですか。足が不自由ですし、力も抑えられつず奪われている相手に本気出すわけにはいかないでしょう」


元々肌白いから、怒りのせいで顔が真っ赤になってしまう。


本当に素直だな。怒った顔を眺めながら思った。


「満様、聞いてますか」


「スイって母に似てる?父に似てる?」


「満様!」


「途中から少々本気出したのでは?」


おそらく本来は魔法を使わないようにした。流石視覚、聴覚と嗅覚を奪われたスイは勝つために思わず魔法を使っただろか。


長い耳がビックと、先までは剣幕だったスイは急にだんまりになった。


ふふ…素直でかわいいな。


「スイ、この結界は外からなにも見えないようにしているから」


「…ご配慮ありがとうございます」


スイがぼくに軽く会釈した。


前は薄々感じたが、スイの反応を見る限りには本当に知られたくないだな。彼自身が嫌じゃなさそうから、他の理由でもあるでしょ。


ずっと黙っていた龍はいつの間にか奥の森から子犬扱いのようにクレマンの襟を掴んで、強制的ぼくたちの前に投げた。


ああ、そういえばクレマンずっと結界内で観戦したな。


「やっほぉーー満サンと翠サンの戦いがすごいっスね。満サンの言霊やばいよ。傍観の俺も動きが止められちゃったぜ。それなのに、翠サンは一瞬で反抗したなんで本当にすごいデス。俺も魔法得意だけど、おふたりの実力を見ると俺はまだまだデスね。発動のスピートと多重魔法を使えるのは難しいのに。一番恐ろしのは動いてる者の五感を簡単に奪う満さんデスよ!俺なら時間がかかりマスぜ。いや、満さんはもちろんだけど、翠サンって思ったより強いデス~」


投げられたクレマンは床に付かないように羽を出して、綺麗に着地してから堂々と自分の感想を述べ始めた。


「それにさ、まだ戦いの内容を消化してるのに、龍サン急に現れたからビックリシマシぜ」


言葉と行動が全く異なるというのはクレマンのことだな。


スイは些かに反応に困っているようだな。


「え?あ、翠さんがハイエルフなのに、龍鱗があることにとっても気になるけど、さすがの俺でもプライバシーって知ってるから、誰にも言わないヨ。神に誓いましょうカ?」


バラ色の瞳が三日月のように笑っている。


「いいえ、そこまでしなくてもいいです。父が心配の為、入学できる条件としては自分の種族を伏せてほしいだけです」


意外と可愛い理由だな。てっきり竜族がスイの存在を認めないとかの理由かと思った。どうやらぼくの考えすぎのようだ。


「じゃ、聞いていいってことっスか?どうやって生まれたの?俺らは混血できないじゃないっスか」


バラ色の目に好奇心によってキラキラになっている。


どうやらぼくと同じ深刻の理由と思って控えたつもりだったが、意外と軽いから遠慮なく訊いた。


「…母は昔一位の成績でこちらから卒業しました」


「うぇ~未成年で結婚して子を育つってこと?」


確かにこの学校に入るのは二百歳以下の者だけだから、長寿の種族にはたかが二百歳は未成年の子供に見られる。


人間のぼくには些か想像し難いが、同じ長寿のクレマンが驚くのも無理もないでしょ。


「いいえ、そうではありません。母は卒業の際に特に願い事がありませんので、学院長のご厚意の上で、一度保留することにしました。父と出会って、互いの子供がほしいと願ったため私が生まれました」


親のラブストーリーだからか、スイは少し恥ずかしく説明していた。


「ヒュ~ラブラブデスね。で、どこから生まれた?人間と同じ腹?それとも精霊母樹から?卵から生まれた?」


好奇心に満ちいてしまったクレマン更に追加な質問した。それに対して、さすがのスイも困っている。


「確かに気になる話だが、ぼくが少々疲れたから今日は開きにしようか」


確かに気になるが、些かデリカシーがなさすぎな気がする。


「へへへっ、ついつい。この結界にいると満サンが大変だもんね。龍サンがずっと俺を睨んでるし。また明日っス」


ぼくの意味をちゃんと汲んだクレマンがあっさりと諦めて、羽を出してこの場から去った。


ある意味面倒な者かもしれないな。そもそも簡単に龍の結界を出入りできる時点が褒めてあげないと。ただ、侵入したことを隠さずに堂々と入って堂々と覗きをするとは些か失礼かもしれないな。彼は全くその意味がないからこそ厄介だな。


「助け船を出してくださってありがとうございました。それでは私もこれで失礼します。本日の手合わせを頂きましてありがとうございます。またぜひ私と手合わせてください」


ぼくと龍に一礼した後スイも結界から出てきた。


さて…


「スイの父親が伏せてほしいから、言わないでくれる?」


森の奥に向いてぼくは軽く言った。返したのは葉擦れの音しかない。覗き者はクレマンだけではない。


「あれは?」


気配が完全に消えた後、龍は結界を解除しながらぼくに訊く。


「いいよ。躾が足りないが、ちゃんと聞き分けがいい子犬だから」


ぼくの対応に龍は少々不満そうだな。いつものことだから気づいていないことにする。どうせ表情は同じだから。ぼくが全部わかるわけではないから。


「ところで、スイに何をした?やけにアンタの事を崇拝してる」


「何も」


…こいつは心当たりがあるがぼくに説明する気が全く無い。


いいだろ。この間龍の意見を無視しているから、彼なりの反抗だからよしとしようか。



戦闘の描写が苦手です。

なんで書いているのを自分でもわからないです←

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