雪だるまと呼ばれたふくよか女子大生は、チャラ男っぽいサーファーにイイトコに連れて行かれたのでざまぁすることにしました
リハビリ作品第2弾。
「第3回下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞」参加作品の為、1000文字以内の超短編です。
「ヒュー! ハットトリック!」
ダーツバーで自称サーファーのチャラ男が大声をあげる。雪田るなは、腕時計をチラ見しながらお菓子をポリポリ食べていた。彼女は今迄こういう場所に来たことはない。では何故来たのか。
「堀! ミスターコンテスト優勝おめでとう!」
学園祭の打ち上げで堀に思いを伝える。
そのタイミングを見計らう内に三次会迄引っ張ってしまったのだ。
けれど、最後のチャンスとるなはトイレに立った堀をは追いかける。しかし、
「雪田、絶対お前に気があるって」
「こっちはねえよ。あの雪だるまだぞ。鏡見ろって話だわ」
全てを理解した色白ポッチャリなるなはふらりと倒れ込んだ。
気付けば、るなは車の助手席に座っていた。運転席を見るとチャラ男の御手洗。
車なんて動く密室。るなは真っ青になった。
「あ、起きた~? ごめんなあ、勝手に。お詫びにイイトコに連れて行ってあげるからね☆」
その言葉にるなは諦めの色を浮かべた。
交差点に差し掛かり、ウィンカーが右に光る。直進すれば、家だ。
けど、もうどうでもいい。カセットテープから態々流す音楽に耳を澄ませた。
「え……ここ」
「海~!」
二人は海に来ていた。
「嫌な事あった時ってやっぱ海じゃない?」
「もしかし……「映画とかなら」……え?」
「こういう時叫ぶくない?」
「……うん!」
るなは大きく息を吸い
「雪だるまで悪かったなあー!」
「スッキリ?」
「うん、でも、悔しい。見返してやりたい」
「じゃあ、見返しちゃう?」
「え?」
「るなちゃん素材いいと思うんだ。で、俺、実はプロサーファーなのよ。身体つくりは教えてあげられると思う、けど?」
その日からチャラ男と雪だるまの日々が始まった。
「はい、お味噌汁、おサラダ、おサイコロステーキ」
「肉、食べていいの!?」
「大事なのはバランス。チャライザッ○に任せな☆」
「ふふ」
「オ、オーパーツ?」
「オペレイト。Aは何処いったの」
「イミフ!」
「海外選手と話したいから英語教えてって言ったの光でしょ」
「わかったよ、るな~」
一年後。
「ベストカップルコンテスト優勝は『御手洗光・雪田るな』ペアです!」
檀上では黒髪細マッチョ爽やか青年と白雪姫と呼ばれる美少女が笑っていた。
「あ、堀君女の子に手を出し過ぎて刺されたんだって」
「やっぱチャラ男は良くないな、うん」
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