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「ふうっー食った、食った」


 皆はたらふくミリアさん特製のステーキを食べて、満足そうにお腹をさすっていた。その後はソファの上にゴロンと寝っ転がって、好きな場所でお昼が始まった。 


 ミリアとわたしはその様子を見てミリアさんは厨房に入り、わたしはホールで後片付けを始めた。

 使いを終わったお皿を運び終えてミリアの隣に立ち洗いもを始める。今日は珍しくお昼寝をせず、ナサは片付けの手伝いしてくれて、カウンター席に戻っていった。


「シッシシ、御馳走さん。美味かった」


「お肉、美味しかったね」


「さっきも言ったけど、リーヤのオムライスもいつもよりかは旨かったよ」


「本当!」


「ああ、来た頃の味無しオムライスよりはな、シッシシ」


 ううっ……それには反論出来ないや、でも。


「いまに見ていてね、ナサ。絶対に美味しいって言わせるから」


「おお、リーヤ言ったなぁ。シッシシ、気長に待ってやるよ」


 その後もお昼寝をせずにナサはカウンターに肩肘をつき、わたしとミリアが流し台で洗う姿を眺めていた。


「ナサ、この後訓練でしょ? お昼寝しないの?」

「これを飲んだら寝るよ」


 と、わたしにコーヒーカップを見せた。


 静かな店内にカチャカチャとお皿を洗う音と、みんなの寝息が聞こえる。


「さてと……」


 カウンターにコーヒーカップを置いたと思ったら、ゴトンと大きな音を出して、ナサがカウンターに頭を打ち付けた。


「え、ナ、ナサ⁉︎」


 わたしは慌てたけど、ミリアは大笑い。


「大丈夫だよ、ナサは寝落ちしただけだから」


「ミリアさん、あれが寝落ちですか?」

「ナサは頑丈が取り柄だからね」


 いくらナサが頑丈だからって、あんな豪快な寝落ちは初めて見た。ナサが心配でカウンターから覗き込むと"グワァーグワァー"ナサのいびきが聞こえた。

 

「本当だ、寝ているわ」


 手を伸ばして気持ちよさそうに眠る、ナサのほっぺを突っつくと「リーヤやめろ」と、しかめっ面をした。ほんとうに寝ているようだ。


「おやすみ、ナサ」

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