夜の輪郭
錆び付いた夜に何も望まないように
君と淀んだ光を浴びたい
青のルビィが二度と歪まないように
汚れた花びらを噛み砕きたい
窪んだ眼に泪を溜めて
滲んだ夜を転げ落ちよう
君は愛の何を知ってるの
何も知らない僕に教えてください
泡立った心臓にアルコールを垂らして
誰も知らない化学反応
貼り付いた声に耳を閉ざして
ヒビの入ったステンドグラス
注いだ悪意で
月の眼差しがぼやける
潤んだ唇に咲いた血が綺麗で
とろとろの自己犠牲が溢れて
叫んだ後の空気が甘ったるくて
ぼろぼろの歯が溶けていく
諸々の事情で
夜は咲かないらしい