子供
ある学校の放課後にて、2人のカップルは公園で子供たちの遊ぶ姿を微笑ましく見ていた。
「ええなぁ……。子供たちがああして遊ぶ姿は何か母性をくすぐられるわ」
「ん? 急にどうしたんだい? さっき燃やした子供を思い出して泣いているのかい?」
「いや、発想がエグいわ。なんであんたは何でも燃やそうとすんねん……」
「まさに、放火後の放課後ってね」
「それ言いたかっただけやろ!」
「そうだよ」
「はぁ、それ言いたいがために嘘でも子供を燃やすってあんたサイコパスやん」
「いま気づいた?」
「2話ぐらい前から気づいてた」
「そう、僕はサイコパス。ああして遊ぶ子供たちにバイトして手に入れたお金でジュースを奢ってあげたい凶悪犯さ」
「子供に優しいサイコパスやな!」
「そうでしょ? これが父性さ」
「父性かどうかは知らんけど、ジュースを奢ってあげたいってのは分かるなぁ……」
「じゃあ、今から奢りに行ってくるか……」
「え、ホンマに行くん?」
「まぁ、見ててよ。今から華麗にコカ・コーラを奢る彼氏の勇姿をさ……」
「いや勇姿って……え、ちょっ!? あっ!? ……ホンマに行ってもうた……。知らんでうちは」
ー5分後ー
「お、帰ってきた。どうやった?」
「頼む」
「……うん?」
「……100円貸して」
「……」
「……」
「……はい」
優しい