イノシシ狩り
要はイノシシを倒して連れてけばいいんだが、そんな簡単に出来るもんなのか、、、
山を登ってると案外すぐにイノシシが見つかった。群れを成してたからめだっていた。っていうか見つける見つからないって話じゃなかった。山が茶色になる程のイノシシに目を疑った。イノシシってこんなに増えるの??
ユウト「や、、、やるか」
ベン「こりゃ大儲けだな」
ーなに呑気なこと言ってんだよ!!!儲けるとかじゃねーだろ!これ、死ぬだろ!!
飛び道具も買っておけばよかった。この量ナイフとヌンチャクで倒せるのか?ギルドで支給されたリュックを開けてみる。きっと武器やら諸々入っているのだろう。中身は予想の斜め上を行った。パンパンのリュックの中身は全て結束バンドだった。
まじかよwww素手で戦うのかよ。突進してきたイノシシの進行方向からそれながら急所を突く。上手く行けば一撃で動きを止められる。
ユウト「おいベン!結束バンド頼んだぞ?」
ベン「地味かよwwまぁ、ヌンチャクじゃイノシシ倒せないしな」
30分ほど戦ったところでイノシシは全滅した。30〜40体ほどは倒しただろう。これでギルドに帰ればぼろ儲けだ。そう思っていると山の上からゴゴゴゴゴと音がした。振り返るとそこには5メートルを超える巨大なイノシシがいた。
イノシシのボスなのか?それにしてもデカすぎる。どうでもいいが鼻に詰まると吸い込まれそうだ。
ユウト「こ、これは流石にやばくないか?」
ベン「そうだな。これで300ゴールドは割にあわん」
ーそこかよ!こいつはなんでそんな余裕なんだ。
ベン「あの爺さんが目キラキラさせてるから譲ろうぜ」
ユウト「爺さん?」
山の下を見ると元気な老人が立っていた。
白髪でパーマのかかった髪を後ろで束ねていて、かなりの長身だ。180cmほどはあるだろう。手にはなんと、ロール状の結束バンドを持っている。
老人「この量を二人で、、なかなかじゃないか。でもこいつはまだ無理だろう。
私に任せなさい。すごいものを見せてあげよう。」
老人はイノシシに向かって拳を振った。でもイノシシには当たらなかった。そういう次元ではない。そもそも10メートルは離れてるじゃないか!
パンチを避けるとかそういう話ではない。
だが、俺は思わず目を疑った。老人の放ったパンチでイノシシが倒れたのだ。その直後立ってられない程の衝撃に襲われた。
老人「あら、申し訳ないことをした。衝撃波がそっちまで行ってしまったか
私の名前はデメテル。衝撃波の覚醒者だ。」
これが覚醒か。初めてみた。デメテルの拳から円形の波紋が飛び、そこからとてつもないエネルギーを感じた。
ユウト「覚醒、、初めて見た」
ベン「この爺さんの覚醒、やばいな。」
デメテル「さぁ、森を抜けるぞ。明日は町みんなでイノシシ鍋パーティじゃ」
イノシシを連れて山を降りるだけでものすごい労力だった。デメテルは1人でボスを引きづってる。体格に見合わない筋力だ。
山を降りてギルドにイノシシを運んだ。
ギルド「お疲れ様でした。え!!デメテルさんではないですか!!」
ユウト「爺さんそんな有名なのか?」
ギルド「えぇ。彼は国王軍の7帝の1人です。彼の強さ、やばかったでしょう?」
ユウト「そんなすごい人だったのか。」
ベン「お前知らなかったのか?超有名だぞ」
デメテルはここの出身でたまにイノシシを食べに戻ってくるそうだ。あんなに倒したイノシシも来月には同じ数が増えるそうだ。
ギルド「では精算しますね。ユウト様とベン様で通常サイズ32体討伐で9600ゴールド、1人あたり160ポイント。デメテル様はイノシシボス討伐で10000ゴールド、1000ポイントになります」
これで俺らはAランクだ。明日からの闘技場が心配だから武器でも買おう。それくらいの金はあるはずだ。でもいくら強いとはいえ、俺らの30分の努力が爺さんの拳ひとつに適わないのは悔しい。
デメテル「君たち、明日から闘技場に行くのか?」
ベン「ああ。俺らはAランク優勝を目指す。」
デメテル「この町は覚醒者が多くいる。Aランクでも2.3人は覚醒者だ。1ヶ月俺にくれないか?
これも何かの縁だ。俺が覚醒を教えてやろう。」
いよいよファンタジー感を出していこうかな
設定が多く、急にたくさんの設定を紹介してもわかりづらいと思い、覚醒の能力についてはこれからになります