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6 冒険者ギルド

冒険者ギルドにはたくさんの人が出入りしていた。だけど入ると、そこは思った以上に広い場所で、そこまで混みあってない。


「冒険者ギルドは初めての方ですね。こちらにお並びください」


冒険者ギルドの職員らしき人にカウンター前の列に誘導される。

ギルドに入ってきても案内される人と、声をかけられない人がいるところを見ると、これはチュートリアルクエストを受けている人だけが案内されているのかな?


「こんにちは。本日は冒険者ギルドへの登録でよろしいでしょうか?」


すぐに順番がきて、カウンターのお姉さんにスマイルを向けられる。

チュートリアルに登録と書かれていたので、問題はないけど……


「あの、冒険者ギルドって何をするところなんですか?」


「こちらでは冒険者の方からドロップ品の買い取りを行ったり、あちらの掲示板に書かれている依頼の仲介を行ったりしています。登録されていないと買い取りも依頼を受けることはできません。また、登録されている方は訓練所の使用も可能です。」


とりあえず冒険者として活動するのに必要な施設ってことだよね?


「分かりました。お願いします」


「では、こちらに手を置いてください。」


大きな水晶の玉を差し出された。その上に右手を置くと、一瞬ピカッと光る。


「リーフ様ですね。登録は完了しました。ステータスをご確認ください。」


ステータス画面を開くと『冒険者ギルドランク ☆』という項目が増えていた。


「ギルドランクというのは依頼を受けたり、ギルドで買い取りをおこなったりすることで☆の数が増えていきます。☆の数が多いほど高く買い取りがされたり、ギルド関連の施設で割引がきいたりします。また☆の数が少ないと行けない街があったりしますので、積極的に依頼は受けてみてください。あそこの掲示板に出ている依頼は、ランクが関係ありませんのでお好きなものをとってカウンターにお持ち下さい。」


ランクを上げないと行けない街なんてあるんだ。とりあえずモンスター倒すのに慣れたら依頼をうけたらいいのかな?


「登録された方は訓練所で戦闘訓練が受けられますが、この後すぐに受けられますか?」


「はい」


とりあえず戦い方分からないと生きて行けなさそうだもんね。茜に会う前にとりあえずこれだけはこなさないと。


「では、こちらの通路をまっすぐお進み下さい。担当教官が訓練所にいますので、頑張って下さい」


「はい、ありがとうございます。」


笑顔のカウンターさんにお礼をいって、訓練所に向かう。まっすぐ進むと一人の男の人がいた。筋力ムキムキにスキンヘッドの色黒なおじさんだ。


「おう、戦闘訓練の申し込み者だな。おれは訓練教官のジョージだ。よろしくな」


「リーフです。まったく戦えないのでお手柔らかによろしくお願いいたします」


ペコリと頭をさげる。相手はたぶんNPCだろうけど、教えてもらうなら、礼儀は尽くすべきだよね。


「大丈夫! 誰でも最初は戸惑うが、すぐに出来るようになるさ」


ジョージさんはニカッと笑った。白い歯がキラリと光りまぶしい。


「じゃあ、こっちの場所でやるぞ」


たくさんある扉のひとつを開けるとそこは土のグラウンドのような場所だった。私達以外に人はいない。訓練所は個室のような仕組みになっているらしい。良かった、他の人に情けないところは見られずに済むみたい。


「よし、リーフのスキルはなんだ?」


スキル構成ってあまり言うものじゃないよね? でもきっとこれチュートリアルだから、教えてもいいんだよね?


「【調薬】【採取】【鑑定】【ダッシュ】【火魔法】です」


「全部のスキルの説明が必要か?」


「はい、一応全部お願いします」


「わかった。【調薬】に関しては生産ギルドで聞いてくれ。とりあえず最初にそこの草1つ抜いてみろ。」


「これですか?」


扉近くに生えている草を抜いてみる。


「それを注意深く見てみろ。知りたいと思いながらな」


「ん?」


すると目の前に小さなウインドウが出てきた。


────────────────

・雑草 D

どこにでも生えている草。食べてもいいが美味しくない

────────────────


「見えたか? それが【鑑定】だな。慣れれば、すぐに名前が分かるようになるぞ。ただし、物によってはレベルが低いとわからないものもあるからな」


「はい」


「じゃあ、ここ見渡してみて何か気になる場所はないか?」


気になる? グラウンドをぐるっと見渡すと部屋の隅のあたりがキラキラと光っているように見える。


「あそこが、なんだか光っているような?」


「行ってみろ」


光っているあたりにいくと、そこには雑草にしては大きな葉っぱの草が生えていた。ジッと観てみると


─────────────────

・薬草 E

体力を回復させる力を持つ草。そのままでは使えない。育成状況がよくないため、品質が悪い

─────────────────


「あ、薬草!」


「そうだ。そんな風に見えるのが、【採取】の力だな。レベルが上がれば見つけられるものが増えるぞ。」


「これ、摘んでもいいですか?」


「ああ、1つ摘んでみろ」


薬草を摘んでみる。


「わあ!」


これからポーションが作れるんだよね? これからこれをたくさん集めないといけない。たくさん摘むと手は緑色になるのかな?


「あの、これどうしたらいいですか?」


「仕舞いたいと思うか、腕についている収納リングに触れさせるとなかに仕舞われるぞ」


「え? ああ、これが……」


手元にあった薬草が一瞬で消えてしまう。

説明書に書いてあったのに忘れてた。アイテムはメニューからじゃなくて、手元のリングに触れるとリストが表れるんだっけ?


─────────────────

お金 10000G

薬草 E ×1

─────────────────


あ、お金も入ってた。

これで買い物も出来るのかあ。


「1種類につき、999個までなら入るぞ」


「結構いっぱい入るんですね」


「ただたくさん入れると出したいものが見つかりづらくなるから、お金が貯まったら普段あまり使わないものをいれるようにもう1つ買うのがおすすめだな」


「はい、わかりました」


「じゃあ、次に【ダッシュ】だが、これは《ダッシュ》と唱えると速く走れる。ただ走っている間はMPを消費するので、残量には注意するように」


もしかして、さっきMPが減っていたのはこのせいなのかな? スキルなんて使ったつもりなかったけど、速く走らなきゃと思ったから発動したの?


「とりあえず普通に走ってみろ。それで途中で《ダッシュ》と唱えてみるんだ」


「はい」


私はうなづくと走り出した。この時点で普段の自分よりも軽く走れる気がする。えーっと、それから


「《ダッシュ》」


唱えた瞬間、グンとスピードが上がった。

あ、これさっきのやつだ!

このスイスイと障害物を交わしたり曲がったりできる感覚は覚えている。やっぱりさっきスキルが発動してたんだ。


「その辺で止まれよ~」


ジョージさんに声をかけられて私は足を止めた。すると、かなりのスピードで走っていたのにピタリと止まれる。確かにMPが少し減っている。


「これもレベルが上がるとスピードが速くなったり、消費MPが減ったりするからな」


「はい」











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