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3 スキル設定

「次はスキルの設定です。こちらからお好きなものを5つお選びください。」


目の前にウインドウが現れる。うん、攻略サイトに書いてあった初期スキルとまったく同じみたい。実はSFOを始めることを決めてからいろいろと調べてみていた。事前情報なしにやるのも楽しいとは思うけど、今回は茜から【調薬】に関しては即戦力を期待されていたからね。ポーション作るくらいはすぐに出来ないといけないと思って攻略サイトも少し見てみたから、スキルは一応考えてある。


まず始めに【調薬】でしょ。

そして材料を集めるために【採取】。【採取】がなくても材料集めできるらしいけど、かなり効率が違うらしい。

あと【鑑定】。これがないとフィールドで手にいれたアイテムの名前は街に戻ってくるまで分からないうえに、露店で売っているアイテムは名前しか分からないらしい。武器や防具の性能を知りたい場合、お店の人にいちいちウインドウを出してもらわないといけないらしくて、ほとんどの人が持っている必須スキルなんだって。

そして出来るだけ戦いたくない私は、材料集めのときに出会った敵からは極力逃げようと思って【ダッシュ】にする。

最後にもう1つ何かもの作りできるスキルが欲しいなあと思ったんだけど……あれ?

決めていた4つのスキルを選択すると、なぜか攻撃スキル以外は色が暗くなって選べなくなった。もう1つ選べるはずなのに……。

もしかして攻撃スキルなしじゃゲーム出来ないのかな? 攻略サイトにはそんなこと書いてなかったのに……。というか攻撃スキルなしでゲームって無謀ってこと?


「困った……」


「スキルはゲームを始めますと、スキルポイントを使い増やすことができます。今、選ばなくても取得することは可能ですよ。10個までスキルはセットすることが出来ますし、取得自体はもっとたくさんできますから」


アリスさんは私のつぶやきから、選びたいスキルがたくさんあって悩んでいると思ったようだ。いや、興味のあるもの作りのスキルはたくさんあるんですが、困っているのはそこじゃないんです。


「いえ……あの、攻撃系のスキルって必ずとらないといけないんでしょうか?」


「え? 攻撃スキルですか?」


「はい、私出来るだけ戦闘はしたくなくて、敵とあっても逃げようかと思っていたのですが」


「そうですか。うーん、攻撃スキルまったくなしは想定されてませんでした。……出来ないことはないですが、それだと困ったことが起きますよ」


「困ったことですか?」


「プレイヤーLvが上がりにくくなるのです」


「プレイヤーLvですか?」


生産でもあがるとどこかで見た気がするんだけど、違ったのかな?


「もちろん生産でも上がるのですが、戦闘に比べると上がりにくくなっているのです。プレイヤーLvが上がらないといけないエリアがあったり、取得できるスキルに制限がかかったりするのです。」


急いで行けるエリアを広げたいわけじゃないし、スキルの制限ものんびりでかまわないかな。


「他にも生産での品質に影響が出たり、作れるものに制限が出たりすることがあります。」


生産にまで影響があるなんて……それは困る。かなり困る。戦闘はなるべく避けたいけど、Lv上げのために最低限1つは攻撃スキルが必要かも。


「攻撃スキル必要そうですね。でも……どれがいいのかな?」


目の前のウインドウには剣や槍、弓に格闘などいろいろなものが並んでいる。


「選ぶ方が多いのはやっぱり剣ですね。」


「剣かあ……」


正直なところ私に向いているとは思えない。もしもの場合の自衛手段として短剣くらいなら振り回せばどうにかなるかもしれないけど、積極的にLv上げするのに使うのはなあ。私は敵に近づくだけでも難しそうだよね……。


「あまり敵に近づかないで攻撃できるのがいいのですが、何かいいのありませんか?」


「そうですね。それでしたら弓か魔法がオススメですよ」


「魔法……」


そうだったSFOはファンタジーな世界観なので魔法があるんだった。それがいい!

攻撃系の魔法には【火魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】がある。どれにしよう?


「この中だとオススメはどれですか?」


「そうですね、それぞれ良いところがありますからどれか特定の属性がオススメというのは言い難いですね。同じLvの魔法を使用した場合、攻撃力が一番高いのは【火魔法】、ウォール系などの防御力が一番高いのは【土魔法】、発動が一番速いのが【風魔法】、精密な操作が出来るのが【水魔法】となっています。もちろん特色としてですので、そんなに大きな差ではありません。Lvが上がればどれも攻撃力、防御力、発動スピード、精密操作があがりますから、あくまでも参考程度ですね。」


「なるほど~」


うーん、困るなあ。精密操作はそんなすぐに使いこなせなさそうだから【水魔法】のメリットはないかな? 出来るだけ敵には近づかずに倒したいことを考えると、発動が速い【風魔法】かな? それとも痛いのは嫌だから防御で【土魔法】? いや、防御するくらいなら【ダッシュ】で避ければいいのかな? それなら【火魔法】でちょっとでも攻撃力あげて早めに倒すことを考えるべきなのかな?

でもちょっと火って怖いかな?


「あの、【火魔法】って森で使っても燃え広がったりしませんか?」


「それは大丈夫です。魔法の火ですので、ターゲットにした物や生き物以外には広がりません。敵に当たると消えたり、爆発してから消えたりするものもありますが、味方がそれによりダメージを受けることはありません。」


それなら大丈夫かな? うん、まあやってみるしかないよね。ダメなら別のスキルを取ればいいんだもんね。

私は【火魔法】を選択する。


「リーフ様、こちらの5つでよろしいでしょうか?」


「はい」


私が頷くとスキルが書かれていた目の前のウインドウがパリンっと割れてキラキラとした光の粒子になって私の上に振り注いだ。


「これでスキルも取得できました。次は精霊の召喚です。」




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