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第二巻 『六話』 犬に首輪をつける理由


更新遅くなってすみません。いろいろバタバタしてしまって、期末考査を終えたこの頃にやっと暇を見いだすことができました。


今後は、短くこまめに更新したいので宜しくお願いします。


怒られちゃいましたから...(泣)




「授業サボろっか?由貴」


佐倉はホームルームが終わると由貴の腕を掴み、教室を出た。


「さ、佐倉さん??どこ行く気なの

今だったら、まだ戻れるし.....」


いかにも真面目そうな由貴は授業を一度もサボったことのないチキンハートだ。

サボろっ?って言われて、ハイご一緒に!、なんて感じはありえない。


「良いじゃない!わたしは由貴に大切な話があるの!」


大切な話……

男と女が二人きりで....大切な話?


由貴は顔が赤くなるのを感じた。

ふと、佐倉の顔を見るとニコッと、最大級の笑顔で返してくれた。



“告白”



それは由貴の人生で初めてのイベントであり、勝ち組になれるかもしれない。


気のせいか、由貴の歩みも早くなる。



本校舎を抜け出し、取り壊しの決まっている北校舎へと入っていく。


いわば、告白スポットだ。


「ねぇ、こっちは立ち入り禁止だって先生言ってなかった?」


「ついたわよ♪

この奥の旧音楽室に用があったの!」


そこには教室の二倍位の大きさの空間があった。

木造の北校舎には珍しく、まだ器材が残っていた。


「で、由貴に大事な話があるんだけど……いいかな?」


「え....うん」


「確認とるけど、由貴はチェレスティアーレ[天使憑き]で間違いないのよねぇ!」


「よくわからないけど、多分そうだと思う」


実際、あれ以来フィネや柚華はその話題を避けている。

由貴が聞こうすると、うまくはぐらかされてしまう。


「そう.....じゃあ、由貴は[天使憑き]についてどこまで知ってる?」


由貴が答えないと...


「じゃあ、何も聞かされてないんだ。

天使が絶滅した原因も、[公館]が[天使憑き]を厳重にマークする理由も......」


由貴は衝撃を隠しきれなかった。


絶滅?[天使憑き]が……


僕が[公館]にマークされてる?


「昔、[天使憑き]はその反則的な攻撃力を保ちすぎたため、[公館]から警戒されていたわ。


当時の最強と言われた魔術師が[天使憑き]だったのも原因だと云われているけど、

実際はどうだったか知らないわ…


[天使憑き]の組織が[公館]に独立戦争をふっかけて、魔術史上最大の大戦に発展したらしいけど…

結局、共倒れで数の少なかった[天使憑き]が撤退したことで終結したんだって…


私も聞きかじりだから、よく知らないんだけど」


「じゃあ、何で僕が......」


「さあ?[天使憑き]だからじゃない?


とにかく、あんたはわたしの保護下にいればいいの!」


「そんなむちゃくちゃな!

第一、そんな義理は僕にない!!」


由貴だって一応、人間であるため基本的人権やらプライバシーの権利があるはずだ。

法治国家の日本で、誰が好き好んで保護下におかれるだろうか。



「別に…嫌ならいいんだけど....

ただ、これをつけてもらおうことになるよ」


佐倉の右手にはゴツくて、しかも革製の首輪が握られている。


「私もそういう趣味があるわけじゃないからねっ!

規則で監視をつけるか、ある程度の付加をつけられるこの[首輪]を装着してもらうことになっているのよ。


由貴が望むなら、[首輪]のほうでもいいよ。

学校中の生徒からどんな目で視られても知らないけど!」


顔をやや、赤らめた佐倉はクルクルと[首輪]を指で回す。


恥ずかしながら、やらなければいいのに....


「わかった。わかったから、その[首輪]をしまってくれ!

僕だって、そんな趣味ないし」


なんだ、その意外そうな目は!


「じゃあ、わたしの保護下にはいってくれる?」


「喜んで!という訳じゃないけど、事情が事情だししょうがないよ」


由貴が朗らかに返事をした後も佐倉はのぞきこむように見つめてきた。

何を思ったのか、由貴の顔をつかみ、左右に引っ張りながら...


「にゃーにゃー?」


「はひ?」


そして、由貴の頬をふにふに引っ張り、む〜と考え込むと...


「キュン、キュン?

うん、やっば犬だね。」



……はい?


「犬ーーーー?」


「そ、犬。

なんかね、なぜかね、こうにつけたら可愛いだろうなぁって思って。

顔をうにゅ〜って、うにゅ〜ってしたら小動物みたいなウルウル、キラキラが訴えてきて何か、満腹!!」


「はぁ…」


「ものは試しだけど、この[首輪]つけてみない?

冗談抜きで」


佐倉はじわりじわりと由貴との空間を詰めていく。

少しばかり血走った目、ぷくりと膨らんだ鼻孔、今の佐倉に任務の重要性など微塵もない。


「いやいやいや、さすがに無理!

人として何か大切なもの失う気がするし…」


「いやいやいやも好きのうちっていうじゃない。

べつに誰かに見せるわけじゃないんだから。

ね、お願い!!」


そ、そんなにめをウルウルさせても、

ぼ、僕は屈しな


「キサマら!!

授業中になにをやっとんじゃ!!」


せ、生徒指導の大山先生、あなたは神か?


「たぁく、授業中だっつーのに転校生連れてキサマ、いったい何を考えているんだか。


ほら、そこの転校生もハムスターみたいなことやっとらんで、早よ教室に戻りんしゃい。

ほら、キサマも、おいどうした?な、泣くな。

別に悪いと言ってねぇだろ。


は、うれし泣き?

だ、抱きつくな!うがぁぁぁぁー」


大山与一、今年で46になるベテランの教師だ。

そんな教員歴20以上の教師でさえ、男に泣きつかれたのはじめてらしい。


一歩も動けない大山だった。

今度、新連載を始めようと思います。

ご贔屓の程を宜しくお願いします。


ケイタイで小説書くのは疲れる....

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