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第一巻 『一話』女顔は不利益

第一巻は四部構成でいきたいと思います。一話完結でも良かったんですけど…なんか小説っぽくないと思った作者が勝手にやったものです。読みづらい、中途半端!とかいろいろあるかもしれないけど、ご愛読下さいしてくれたら本望です。



「ちょっと、ユキちゃん

テレビ、映らなくなっちゃったよ!」


制服にエプロン、一見不釣り合いな格好だが、

少しばかり大人びた顔にはとても似合っていた。


その少女は壊さんとばかりに、テレビを叩いている。



「だったら、自分んちのテレビでみればいいじゃん。

てか、ユキちゃん言うな

僕、オトコだし…。」


テーブルに突っ伏したまま、少女の問いに答えた少年は

置かれた朝食には目もくれず、

ガタガタ揺れるテレビをまじまじ見ていた。



「アンタにしてみれば、

たかがテレビかもしれないけど…

ブラウン管のちっちゃいのしかない奴にとっては、

大型の液晶なんて想像の産物でしかないんだぞー!」



「騒がないでよね。この前、近所の美紀子さんに…


“あなた達って本当に仲が良いのね〜。

朝から賑やかで微笑ましいわ〜”


って、屈託のない笑顔で言われちゃたら、

どうしようもないじゃん!」




そう言うと、由貴はカリカリに焼かれたベーコンをつついてる。


「良いじゃん。わたし達仲良いし、幼なじみなんだしさ!


叔母さんと叔父さんからだって、鍵もらってるし〜。」


と、詩織は由貴の向かいに座った。



「それは君んとこのお父さんが、会社クビになって路頭に迷いかけてたのを

不憫に思った父さんが、


…かわいそうだ、少しでも私たちが役に立てれば...そうだ、

詩織ちゃんに家事を手伝ってもらったらどうでしょう?


私も由梨も、外に出がちなので丁度いいですし〜。

賃金もはずみますよ♪…



父さんも人が悪いよね。」


アハハ..と詩織も苦笑している




あれから、三年...






詩織もどちらかと言えば、笑わない少女だった


結局、詩織のお父さんはすぐに新しい仕事も見つかって


ここにいる必要もないんだけどね。

けど詩織が...


「わたし、中途半端って嫌いだから。」



なんか、通い続けているんだよね。


アイツ...




「ユキ、点いたよ!テレビ。」



詩織が何やら、興奮した様子でリモコンをテーブルに叩きつけた。


といっても、本調子ではないようだ。

画面が乱れ、声も途切れ途切れにしか聞こえない。


今、しゃべっている人物が女性なのか、男性なのかもわからない状況だ。


「落ち着いて、詩織。じゃないと、

また近所の古川さんに通い婚だの、許嫁とかバカにされちゃうじゃないか。」


付き合ってられないとばかりに、由貴はトーストを流し込んだ。


[...現在‥‥‥状‥況‥‥‥‥緊‥‥おりま‥す‥‥‥市内‥‥‥三カ‥‥‥‥‥《爆発》‐‐‐政府から‥の公式発表は....]



由貴はトーストをかじるのを止め、

まじまじと画面に釘付けになった。


死傷者不明


市内、三カ所にあった製薬会社及び関連工場が原因不明の爆発事故が起こったらしい。



先ほどの画像の乱れも爆発による一時的な電波障害であること。


事故ではあり得ないほどの衝撃だった。



幸い、由貴たちの暮らす海原市には特に影響はなかった。



「最近、増えたよね?

こういう、爆発事故。関東だと三回目くらいだし...


ユキちゃん、寄り道しちゃあ〜ダメだよ!」



詩織がまるで小さい子供を叱りつけるみたいに怒ると...


「…詩織...小姑みたい....。」


由貴はぼそりと言ったつもりだったが、


「ユキちゃん!?

人がせっかく、心配してあげてるのに〜!!」



詩織がにゃーにゃー言ってる。

もう少し、女の子らしくすれば彼女もモテると思う。


陽向詩織(ヒナタ・シオリ)

昔から、

僕にベッタリだった。


幼なじみといっても、小学校を卒業すれば、


ただの友人であり、中学卒業するとただの知人である。



ましてや、高校生となれば、

話すことさえ無くなり、


新しい人間関係に少しは色恋沙汰にもなるだろう。


しかし、詩織は初めて会う人には必ず....


“え〜、カノジョさんですかー?”

とか、


“君たち、付き合ってるの〜”


なんかは日常茶飯事で、


“婚約してるんだ〜

結婚式とか呼んでよね〜。”


なんて、言われ時には流石に

詩織も顔を真っ赤にしていたな。



由貴が思い出し笑いをしていると、


「もう〜、ユキちゃん学校行こ

流石に二人で遅刻はちょっと.....」


いやいや、単純に別々に行けばいいと思いますよ。



彼女の言動に首を捻る由貴だった。







「おお、今日も夫婦で登校か?

ユキちゃん!?」


日本人平均よりも少し高めな身長の男は

茶髪に染め、一見チャラついたヤツにしか見えないが、


由貴にとっては一応、親友である。


「やめろよ、泰治(ヤスジ)

僕がその名前と、女顔を気にしてるの知ってんでしょ!」



由貴が声に怒気はあるものの、

呆れ顔を全面に押し出すあたりからして、

あまり怒ってはないようだ。


「はあ〜。勿体ないな、コイツが女の子だったらな〜。


俺は間違いなく、口説き落としていたと云うのに....。」


泰治は後ろから、由貴を包み込む。


「おい、男に抱きつくな!

僕まで、誤解されるだろう?」



泰治は陽気に笑いながら、


「何言ってるんだよ!

俺たち、女子から結構、人気あるんだぜ。」



「それ、アンタ等セットの話だから。」


長身のポニーテールの女が言い放つ。


「瑞穂ちゃん!?

お、おはよう」


詩織が慌てて、自分より二十センチも高い、

松井瑞穂(マツイ・ミズホ)に挨拶をした。


「あら〜、詩織。おはよう


また、男色カップルの片割れと来たの?


いい加減にしないと襲われちゃうわよ!


だって、しおたんはこんなにかわいいんだから♪」



すると、詩織の後ろから手を絡みつける。


「ひゃあ」


瑞穂がいきなり、詩織の胸を掴む。


「いいなぁ〜、いいなぁ〜

なんでこんなに大きくなるんだろう。


私なんか、私なんか.....」



瑞穂が詩織の肩でシクシク、泣いていると、


「ほらほら、詩織嫌がってんじゃん。

もうそろそろ、先生来るし…」


「居たんだ?

ゴメン、気づかなかった。


あまりにも小粒で♪」



ついでに、由貴は165センチで瑞穂は174センチである。


「…瑞穂がデカいだけだろ。」


泰治がポツリと囁く。


「ヤス、何か言った...」



瑞穂がドスの利いた声で泰治に迫る。


「い、いや、俺はな。

客観的にみてだな。

お前がデカ……ぐぅおっぅ....」


瑞穂の平手打ちが炸裂した。


ジョニデもびっくりなほど、

見事な平手打ちだった。(由貴談)



その後先生が来て

気絶した泰治を運びだすのに手間取り、


見事、一限目にくい込んだという。



***放課後***



「痛かったな。

お前のせいで、授業の大半を保健室で過ごしちまったじゃねーか」


泰治がぶちぶち言ってると.....


「悪かったって、言ってるじゃないの。


だいたい、帰るときにまで言わなくったっていいじゃない……。

なんて言うか、私についてこないで!虫唾[むしず]が走る。」


申し訳なさそうな顔から一変、瑞穂は両肩をさすり始めた。



「しょうがないだろ、

家、同じ方向なんだから...」



泰治もグチりながらも、瑞穂の後をついていった。


「あの二人、なんだかんだいっても、仲がいいよね。


瑞穂だって、家が隣なんだから。

あんな意地悪しなくても....」


由貴が二人を見ながら、考えいると


「いいじゃないの。

さあ、私たちも何か買って、帰ろ。」


由貴は思わず、詩織の肩を掴むと、体を揺する。


「詩織、詩織さん?

あなた様はどうしてその様なことを申すのでありましょう?」


詩織はふにゃと笑いながら、


「あの二人を見てたら、何かいいなぁと思ってさ!!


買い物にでも行こうかな〜って。


ねぇ、もうそろそろヤメテ。

気持ち悪い....」



ハッと気づいた由貴が…


「あ、財布がない。


詩織、悪い。


ちょっと、教室までとりに行ってくるから先に帰ってて。」



すると、帰り道を逆走し始めた由貴。


「え、私は?

....ユキちゃんの意気地なしぃ―――!!」



詩織の悲鳴に近い叫び声は無情にも、

海原市中に響き渡ったという。






まずい、今頃詩織の奴が大声で叫んでいるころだろう。



詩織は場所かまわず、チャン付けで呼ぶし、

帰ったらグチられそうだし。


はぁ…




廊下に入った頃には、あたりは薄暗く、人の姿も見えなかった。



二年の教室がある三階に着いたときだった。


「きゃっ!」


短い悲鳴が由貴に届いた。



恐る恐る、発生源である自分の教室に行く.....



ガラララ......



ドアが勝手に開いた


中からはペンライトをくわえた女子高生?が男の体を引きずり出していた


見るからに屈強そうで手に銃さえ持ってなければ、

この男もただの一般人だったかもしれない。


しかし、その特殊な人種を引きずる女子高生をみれば、


彼も立派な一般人である。



そして、その特殊な女子高生と目を合わせてしまった。


最初は、じーっと僕の見ていたが、

奇妙なうなり声を上げている。



どうやら、ペンライトが口の中にあることを忘れているらしい。




「え、由貴クン?」


真っ暗な教室の中から出てきたのは、


クラスメートの楠瀬柚華(クスセ・ユズカ)だった。


彼女は目立たくて、あまり口数も多くない。


最後に話したのは確か、

夏休み明けの実力考査が最後だった。



「どうして、楠瀬さんが…」


「えーっと、これはなんというか…」


柚華がしどろもどろしていると....


「ユズカ、伏せて。」



「「えっ?」」


そこにはアートゥロ・ピストレーゼ(黒両刃剣)を振り抜こうとする少女の姿があった。


さっき、見たときはわからなかったが彼女の髪は淡い銀色をしていた。



「……Andras(アンドラス)………」


彼女はアートゥロ・ピストレーゼを由貴の頭蓋骨へ振り抜いた。


「ちょっと...「待って!」」


由貴の声に柚華の声が重なった。


「柚華、何で止めるんだ。

この時間にうろついている生徒はいるはずもない。


だから、この時間に敵をおびき寄せたんだろ。」



彼女は決して、刃先を由貴から逸らさない


由貴の呼吸、一つ一つを彼女は支配してる



「それはアンタらも同じだろ!


その制服....聖ラテラノ学院だろ。」


彼女が顔をしかめる。


「……ラテラノは全寮制で、制服は非公開だ。


お前、やはり...変た‥うっ!!」



由貴が急に立ち上がったせいで、彼女の顎に頭が触れる。


バランスを崩したがすぐに体勢を立て直すと....


「…‥baggeo(愚か者)!!」



柚華が叫んだ。


「フィネ、


熱くなりすぎて、周りが見えなくなっている。


第一、ユキクンは女顔だし、

腰とか足とか細くて、

女のわたしだってカワイ...


じゃなくて、ユキクンはただのクラスメートなの!!」


ほう、楠瀬さん、以下女子生徒。

僕をそういう目で見てたんだね。


「ん…。確かに、……………勿体無い。」


何なんだアンタ、その間は!

さりげなく、

自分の腰にと比べてんねーよ。



「悪かったな、少年。


私はフィネッツァ・フィアベスコ。


見ての通り、聖ラテラノ学院の生徒だ。


好き嫌いも、コンプレックスも無いつもりだったが、


強いて言うならば....



腰の細さだ。」


銀髪に紅い眼を持つフィネッツァは、

ニヤつきながら自分の腰に手を当て、言い放った。

中途半端でスミマセン。できる限りはやく[第一巻『中』]を更新したいんでよろしくお願いします。

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