LoveSyndrome編 第五章:10月12日(金)
+ 一時の日常 +
夕美 (遠慮がちに)お兄ちゃん、お兄ちゃん、朝だよ……起きないと、遅刻しちゃうよ……?
正輝 (目を開けて)あ、ああ……。
夕美 お兄ちゃん、やっぱり顔色悪いよ……。今日、学校お休みにする? 夕美、心配だよ……。
正輝 あ、ああ、いや、学校は行くから……。
GM じゃあ、珍しく会話がないまま二人は登校したということで。
俺は、なにか話し掛けようとするたびに俯く夕美を視界の隅に入れながら色々と考えていた。
あいの奴は、愛情がどうとか言っていたが、つまりそうやって俺に近づいてくる女の子をみんなあんな目に遭わせようとする気なのか?
夕美は…大丈夫なのだろうか?
いや、澄さんのことはホテル前での一件をあいは知っていたからあんな凶行に走ったと考える方が自然だ。
夕美は妹だし、大丈夫…だろう。
そう言えば、椎奈は……?
そうだ、椎奈は昨日学校に来てなかった。
まさかっ!!!
GM 教室に行くと、椎奈と魅呼音がいるよ。
正輝 そうか、無事だったのか……だけど、ここで下手に椎奈と話していると、あいの奴に勘違いされる可能性もあるし……それに、椎奈はこんなことに巻き込みたくないんだ。椎奈だけは……。
だから、ここはぐっと我慢して挨拶もしないで自分の席に座るか。
GM なるほど、じゃあ昼休みのこと。志木瑞香が通りかかるよ。
/瑞香 「……ちょっと、あんた。なんか今日暗いわよ?」
正輝 ああ、いや、たいしたことじゃないんだ(暗)。
GM/瑞香 「なんか、見ているこっちまで暗くなりそうだからやめてよね」
正輝 ああ、悪い(苦笑)。
GM/瑞香 「そうだ、こゆみ……元気にしてる? ちゃんと大事にしてないと、ゆるさないわよっ」
正輝 ……(沈黙)……。
GM/瑞香 「……ちょっと、本気であんた大丈夫?(心配げ)」
正輝 ……あ、いや、大丈夫だ。こ、こゆみだったら、いつも元気だ…ぞ……(絞り出すように)。
GM/瑞香 「ふぅ~ん…それなら、いいけど。それと、その、なに。体調が悪いんだったらとっとと保健室でもどこへでも行きなさいよ」
正輝 ああ、あの、心配してくれてありがとう……。
GM/瑞香 「別に心配なんてしてないわよ!(少し顔を赤らめながら)」
正輝 (教室に戻る途中)くそ、殺人犯め! 澄さんをどこに!?
GM 殺人犯? ということは、正輝は澄さんが死んだと思っているわけなの?
正輝 あんなの見せられれば……。
GM じゃあ、正輝は柳澄に対する『ロイス』を『タイタス』に変更してくれ。一応、死んだという決定的瞬間を見たわけじゃないけど、正輝が死んだと思ったのなら……。
正輝 ぐ……分かった、やめておく。まだ、生きている可能性に俺はかけるよ。だったら、学校で椎奈の無事も確かめたし、俺はなにか手がかりがあるかもしれないから、早退する。
GM いいんだね?
正輝 ああ、帰るよ。
GM 同時刻、魅呼音と椎奈が廊下を歩いている時のことだ。連太郎とアンナが話しているのを見かける。
/連太郎 「なぁ……日和川」
アンナ あら、どうしたんですの、連太?
(正輝 ぐぁ……、椎奈のことで頭がいっぱいでアンナのこと忘れてた!!(泣))
一同 うわっ、さいてー!!(爆笑)
GM アンナもかわいそうだな……(苦笑)。ちなみに、よほどの理由がない限り、しばらく正輝はアンナのことまで思いやれないからそのつもりで。
(正輝 俺って、俺って………(へこんでいる))
GM/連太郎 「日和川って、正輝とうまくやっているのか……?」
アンナ え、あ、その………ええ、まあ(目をそらす)。
GM/連太郎 「そっか。最近さ、あいつ色々と悩んでいるみたいなんだ。あいつ、一人で背負い込もうとするしよ……。だから、なにか気付いたことがあったら、なんでもいいから教えてくれないか? オレ……なんでもいいから、あいつの力になってやりたくてさ……」
アンナ 連太は優しいのですね……(笑顔)。
GM/連太郎 「ま、いちおー親友だからな。このまま放っておけないし……」
アンナ わたくしもなにか分かったら、連絡しますわ。
GM/連太郎 「じゃあ、な」
アンナ ええ(にっこり)。
GM と、連太郎がいなくなる。
アンナ (後ろを振り返って)魅呼音……それに、指宿さん。先程の…聞いてらしたの……?
魅呼音 ええ、盗み聞きするつもりなんてなかったんだけど……(苦笑)。
アンナ ………ねぇ、なにか知っているんですか? 今朝、正輝を見かけましたけど……あんな、正輝……初めて見ましたわ………。
椎奈 ……挨拶しようとしたら、正輝に無視された……(悲)。
魅呼音 ……さすがに、あのことは言わない方がいいわよね……。
アンナ もし、あのことで正輝が悩んでいるのでしたら……わたくしでは、あまりお力になれませんけど……でも、できることがあったらなんでも言ってくださいね。わたくし、協力を惜しみませんわ(にっこり)。
魅呼音 ありがとう……アンナ(少し笑う)。
+ 手がかりを求めてⅠ +
正輝 とりあえず、あのビデオになにか映っているかもしれない。何度か見てみよう……。
GM 昼間から、あのビデオを何度も?(笑) じゃあ、衝動判定をしてくれ。二回目だから目標値はかなり低くなっている。
正輝 (ころころ)9…だな。衝動判定は成功か。だが、侵蝕率が上がるんだよな……。
GM 砂嵐……澄……血……なんとか衝動は抑えた。
さて、ここで〈知覚〉判定。……8? それだと、見たことない場所…としか、分からないよ。
正輝 くそぉ……。
GM かなり時間が経過している。そうすると、玄関のチャイムがピンポーンと鳴る。
正輝 誰だ?
GM そこには、志木瑞香が。
正輝 志木さん……。
GM/瑞香 「あんたの妹から聞いたわよ……こゆみ……いなくなったんですって!? ちょっと、どういうことよ!」
正輝 …………(顔を歪ませる)。
GM/瑞香 「あんたがしっかり世話をするんじゃなかったの?」
正輝 ……ごめん……。
GM/瑞香 「信じられないわ、そんな無責任な奴だったなんて……なんとか、なんとか言いなさいよ!(頬をひっぱたく)」
正輝 (されるがまま)……ごめん、志木さん……。
GM/瑞香 「あんたなら……あんたなら、信用できると思っていたのに……あんたなら……(と、いなくなる)」
正輝 返す…言葉もない………(悲しげに呟く)。
正輝 くそ、こうなったら何度でもビデオを見てやる!
GM 意気込むのはいいが、正輝はもう判定したから、今はこれ以上判定はできないんだよね(苦笑)。そうしていると、再びピンポーンと。
正輝 (ドアを開けて)……魅呼音か……。
魅呼音 大丈夫? 今日、早退したみたいだけど……。
正輝 ああ、実はあのビデオになにか手がかりがあるんじゃないかと思って見ていたんだが……。
魅呼音 それで、なにか分かったの?
正輝 いや、それが…なにも……。
魅呼音 ……そう……。
正輝 でも、澄さんはまだ生きているかもしれない。急がないと手後れになってしまうかもしれない。だから……だから、なんとかして助けたいんだ……魅呼音……手伝ってくれないか?
魅呼音 ……分かった、あたしも…見てみるわ……(頷く)。
GM 魅呼音はまだちゃんと見るのは初めてだから目標値はそこそこ高いぞ。
魅呼音 (ころころ)16。
GM なんとか、ぎりぎりで衝動判定は成功した。
魅呼音 次は〈知覚〉判定ね。(ころころ)……すごい、23よ。
GM うわ、それだけ回れば分かるな。まず、ガムテープで口をふさがれていたとはいえ、かなりの悲鳴をあげている。隣近所だったら気付くかもしれない。他にも、外の明りがまったく見えないということは、地下室? と思う。
魅呼音 つまり、ひとけのない地下ってことね……。
正輝 俺が思い付くのは、この辺だとおばけマンションぐらいだな。
魅呼音 マンションに普通、地下室はないわよ。
正輝 くそ…それじゃあ、いったいどこなんだ……?
魅呼音 ねぇ、このことを椎奈には言わなくて…いいの?
正輝 ……椎奈には言わない方がいいと思う。それに、他のやつには言わないでくれ。頼む、魅呼音(頭を下げる)。
魅呼音 ちょっと、頭なんて下げないでよ。こんなこと、他の人に言えやしないわよ……。
正輝 すまない……。
GM 二人だけの秘密ってやつだね(笑)。
魅呼音 こんなの全然嬉しくないわよっ!(笑)
夕美 うんと、そろそろ夕美、帰ってくるね。えっと、お兄ちゃんの暗い雰囲気を吹き飛ばすために、明るく振る舞ってみるよ。えーと……「(玄関から)ちゃお!」
*一同転倒(笑)。
夕美 えへ、連太郎さんの真似しちゃったぁ~(笑)。お兄ちゃん、ただいまぁ~!!(正輝に聞こえるように大きな声で)
正輝 急いで、ビデオをしまうぞ。
夕美 (正輝の部屋のドアを開けて)ただいまぁ! お兄ちゃん!! ……と、魅呼音さん?
正輝 あ、ど、どうしたんだ? 夕美? あ、今帰ってきたのか。おかえりっ。
夕美 お兄ちゃんの方こそどうかしたの? なにか、慌てているみたいだけど。
正輝 いや、なんでもないぞ。
魅呼音 お邪魔しているわよ。
正輝 実は、今日は体調が悪くて、早めに帰ってきたんだ。
一同 誰もそんなこと聞いてねー!!(笑)
正輝 そ、れで、魅呼音がお見舞いに来てくれたんだよ、うん。
夕美 ふぅ~ん、そうなんだ……。
正輝 ああ。
夕美 (淡々とした口調に変わって)それじゃあ、夕美、部屋にいるね……。
正輝 ああ、分かった(苦笑)。
結局、この日は他になにも分からなかった―――




