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LoveSyndrome編 第二章:10月8日(月)

 


    + 愛のメール +

 


 


 あいという子と俺はメールをしていたが、体育祭の終わる頃までは途絶えていた。だが、文化祭の数日前からあいからメールが届くようになっていた。

 しかし……。



『マサキさんの好みの子はどんな子ですか? 思い浮かべてください。

 ぴっぴっぴ、ぽーんっ。

 ずばりそんな人なんでしょう!

 そして、ずばり、わたしはそんな子です! びっくりしたでしょ~』


『マサキさん、わたしは実は……わたしはマサキさんのことが好きです♪

 きゃ~~~言っちゃった~~~~。

 恥ずかしいぃ~~~~~~~』


『マサキさんってもてますよね。わたし、ちょっと心配です。他の子のことが好きだって言われたらショックです。

 でも、マサキさんもタイプじゃない子に付きまとわれるのって迷惑ですよね。わたしもそんな人、迷惑だと思います』


『最近、連絡くれませんね。少し寂しいです。

 でも、マサキさんのことはちゃんと見守っています。

 だから、安心してください』

 


 


 メールは、俺に対する態度が気味の悪いほど変化した内容だった。

 しかも、日に日にそのメールの数は増えていき、ここ数日で何十通も越えていた。

 そして、文化祭前夜に届いたものは。

 


 


『マサキさんが飼っている猫、可愛いですね。わたしもさっそく抱かせていただきました。でも、マサキさんが言っていた通り悪戯好きみたいです。

 わたしはやっぱり、動物と相性が悪いみたいです。手を噛まれてしまいました。痛いです。

 こゆみは、わたしのことが嫌いなようです』



 あいはこゆみに……?

 俺は妄想じみたメールにうんざりし、あいに「お互いのためにならないから、メールをやめよう」という内容のメールを送った。

 そして、分かってくれたのか、それ以来あいからのメールはこなくなった。

 ただ、なんとなく文化祭中、イヤな視線をずっと向けられているような気がしていた―――

 


 


 


    + 秋空の下で +

 


 


 俺は文化祭が終わった夜、あの約束を果たすために椎奈に電話をした。

 電話の番号を押すたびに、胸が高鳴り、指が少し震えた。

 椎奈に承諾の返事をもらった時、思わずガッツポーズまでとってしまった。

 


 


 今日は文化祭の振替休日で榊学園は休校になっている。

 そして、今。

 俺は、椎奈と駅前で待ち合わせている。

 午前10時が約束の時間。

 時刻は9時半……。

 辺りを見渡しても、椎奈の姿はまだなかった。


 ただ単に、これは街を案内するだけだ。

 そう、何度も自分に言い聞かせ、俺は椎奈を待っていた。

「待たせた……?」

 


 


挿絵(By みてみん)


 


 


 


 と、背後から椎奈が声をかけてくる。

 気がつくと、約束の時間になっていた。

「あ、いや、全然待ってないよ」

 30分以上も前から待っていたが、色々と考えていたせいかまったく待った気がしなかった。

「そう……」

 椎奈がほっと胸をなで下ろす。

 近頃、なんとなくだが椎奈のことが分かるようになってきた。

 よく見ていれば、椎奈は黙っている間でも、微妙に表情が変わる。

 ああ、嬉しいんだなとか。

 ああ、悲しいんだなとか。

 分かるようになってきたような気がする。

 そんな些細なことが俺には無性に嬉しかった。

 


 


椎奈 それで、どこ…行くの……?

正輝 そうだな。まずは、公園にでも行こうか?

椎奈 公園…? それって……。

正輝 ああ、あの学校の近くにある小さな公園のことじゃなくて、もうちょっと離れたところに噴水のある公園があるんだよ。

椎奈 ……コクリ(頷く)。


(夕美 それって、昔、夕美が犬さんとフルートを取り合ったところだよぉ)

(魅呼音 ということは、あたしの家の近く……?(苦笑))

GM いやぁ、正輝くんも大胆なことするねぇ(笑)。

(正輝 別にいいだろ…)

(椎奈 私を、他の女の思い出がある公園に連れていくのね……(笑))

(正輝 ぐぁ……(笑))

一同 (笑)


正輝 (公園に来て)今日は平日だから人はそんなにいないけど、休日になると結構、人がいるんだ。

椎奈 (公園を見渡して)………そう、なの………。

正輝 椎奈ってインドア派っぽいから、たまにはこういうのもいいかと思ってね(にっこり)。

椎奈 このキャラはちょーインドア(笑)。

正輝 もしかして、嫌だったかな?

椎奈 ううん、そんなことない……。これはこれで、落ち着くわ……(少し微笑む)。

正輝 そっか、それはよかった。……にしても、ちょっと暑いね。ええと……(辺りを見渡す)。

GM じゃあ、クレープ屋を見つけた。

正輝 ええと、椎奈はなにがいいかな? 俺は無難にチョコ系にするけど……。

椎奈 私は……。


(夕美 バナナ納豆(笑))

(椎奈 そう、ばな……いや、そんなのあるの?(笑))

(魅呼音 いちごキムチをあたしは推すわ(笑))

GM では、そのクレープ屋に新発売「タランチュラ」というクレープが……(笑)。

(正輝 なんだ、そのヤバそうな新商品は?(笑))

(椎奈 ええと、私が好きなものは――(キャラシートを見る)――本とお母さん(笑))

一同 使えねー(爆笑)。

GM うんまあ、無難に頼んだということで(苦笑)。


正輝 (公園を少し歩きながら)……なんか、これってデートみたいだな……(ぼそりと)。

椎奈 …えっ?

正輝 あ、いや、だ、誰かに見られたら、デートに見られちゃうかなって意味だよ。

椎奈 ……そう(少し残念)。

正輝 もしも、誤解されたらごめんな。

椎奈 別に……イヤじゃないから……(目をそらす)。

 


 


挿絵(By みてみん)


 


 


 


正輝 え…?(顔が赤くなる)

椎奈 …………(赤面)。

二人 …………。

 


 


 こうして、俺らは駅前で映画を見て、そしてカラオケに行った。

 椎奈がカラオケは初めてだというので色々と教える。

 そんな楽しい時間が過ぎていった。

 その後、椎奈が、

「曲、覚えたい……」

 と呟いていたので、CDショップに行って何枚かCDを買って帰ることにした。

「今度はみんなでカラオケ行こうな」

 とても二人だけで……とは言い出せず、そんな約束しか俺にはできなかった。

 


 


「今日は、とても楽しかったわ……」

 椎奈が別れ際に俺にそう言ってくる。

「そうか、それはよかった」

 あの自然な笑みを浮かべながら、椎奈はCDを大事そうに抱えている。

「それじゃあ、今日はもう遅いから。また明日な」

「ええ、また明日……」

 俺は椎奈の背中を見送った後、家に帰った。

 


 


 この日を境に、俺と椎奈は違う道を辿ることになる。

 幾度となくすれ違う道に。

 それはとても悲しい道。

 だけど、俺は仕方ないことだと思う。

 そう思えるようになってしまった。


 なぜなら、

 俺はとっくの昔に、

 絶望の道へ歩みだしていたのだから―――

 


 


 

 


…………次章からゴア的描写が入るので、閲覧注意です。

 


 


 



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