表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/37

衝動編 第三章

 


    + エージェント +

 


 


椎奈 お見舞いに来ました………。

魅呼音 どうも……。

GM/坂本(さかもと) 「ああ、皆さん、わざわざすみませんね……。はは、少し情けないですね……配属早々、交代だなんて……(苦笑)」

椎奈 「しょうがないですよ……その…運が悪かったんです……。それで、大丈夫なんですか?」……とは言ったものの重傷でしたし、全然大丈夫じゃないですね……(苦笑)。

魅呼音 ……えっと……その……。

GM/坂本 「(魅呼音の言わんとすることを察して)幸い、ウィルスにも感染してませんでしたしね。大丈夫ですよ」

魅呼音 そっか、よかったですね……(安堵)。

GM/坂本 「……それと、今日また代わりのエージェントが来ます」

魅呼音 …………。

椎奈 ……その、その後に坂本さんはまたその人と代わるんですか……?

GM/坂本 「医者にあと一ヶ月は入院していないさいと言われてしまいましてね。それまでには、この事件も解決することを祈っていますよ(優しげな笑顔)」

椎奈 ………頑張ります………。

魅呼音 それじゃあ、あたしたちはこれで。お大事に……(病室を出て行こうとする)。

GM/坂本 「ええ、あなた方も……」

椎奈 ……(こくりと頷く)。

 


 


GM というわけで、駅前のファミレスで新しいエージェントと会う。

  /UGNのエージェント 「(淡々と)私が新しいUGNのエージェントの田淵(たぶち)です。今後ともよろしくお願いします」

椎奈 …………。

魅呼音 あ、よろしく……。

正輝 俺は、こういうのまだよく分からないんだよな……(苦笑)。

GM/田淵(たぶち) 「(そんな三人を気にせず)捜査の方はまだ進んでおりません。詳しいことが分かり次第、ご連絡します」

椎奈 ……(伊集院等のことを話す)……。


(椎奈 こういう時だけ、よどみなくしゃべれる私……(笑))

(魅呼音 報告書を読んでいるみたいなものだからねぇ(笑))


GM/田淵 「そちらの方の捜査も進めておきます。それでは(と立ち去る)」

椎奈 …………(背中を見送って)。……あんまり、信用ができない人……。

魅呼音 そう、なの?

椎奈 特に、根拠があるわけではありませんが……。

正輝 …………で、これからどうすればいいんだ?

椎奈 伊集院がやっぱり怪しい……。

正輝 その話が本当だとすると、アンナが危ないな……。

魅呼音 アンナが…? どうして?

正輝 ああ、伊集院の奴にアンナが目を付けられていてな……(放課後、絡まれていた時のことを話す)。

魅呼音 許せないわね……本当にぶん殴ってやろうかしらっ。

正輝 ま、ともかくそういった捜査みたいなことは俺にはできないし…できれば、アンナのそばで守ってやりたいな………。


GM ちょっと、今の聞きました?

(夕美 聞いちゃったよぉ~~)

(魅呼音 あ~ぁ、ホント鈍感男よね……(苦笑))


椎奈 ……そう……それが、いいかもね……(無表情)。

魅呼音 ……アンナが危ないなら、あんたがついていてあげてよ。

GM ああ、二人が身を引いていくぅ……(笑)。

椎奈 伊集院の方は私たちが調べておくから……。

正輝 ああ、すまないな。……なにかあったら連絡くれよ、すぐにかけつけるからな。まあ……その、二人とも気を付けてくれよ(さっそく、フォロー)。

魅呼音 心配無用よ(と言いながらも、嬉しそう)。

椎奈 ……(こくりと頷く)。

 


 


GM まずは、伊集院側。クラブハウス「レッドラバー」に出入りしたり、女性をホテルに連れ込んだりしているよ。

椎奈 ……《プロファイリング》……(ころころ)30。

GM ん~と、異性関連で問題があったりと、だいたい資料通りの性格だと分かるよ。ただ、チンピラとつるんでいたって話はあるがその様子は今の所ない。伊集院の性格からいって、そのチンピラは伊集院の下についているはずなんだが……と推察できる。

椎奈 (ぽつりと)……ただのいやらしい人かもしれません……。

魅呼音 (苦笑しながら)それだったら、まだマシよねぇ。ファルスハーツとの連絡とかは今の所なさそうだし……。

椎奈 ……はっ、まさか、あの女がレポ……?

魅呼音 えっ!? でも、ホテルを覗くわけにもいかないし……。

椎奈 (聞いていない)それだったら、困る……ちょっと、行ってきます(《軽功》でホテルの外壁を駆け登る)。

魅呼音 ちょ、ちょっと、しい…………行っちゃった……(呆然)。

GM なら、椎奈はカーテン越しに情事が行われているのを目撃する。

椎奈 …………。

魅呼音 …………。

椎奈 …………。

魅呼音 …………。

椎奈 (戻ってきた)……なにもありませんでした……(無表情)。

魅呼音 …………ぁ…そ、そう(赤面)。

 


 

挿絵(By みてみん)

 


 


 


    + 正輝と女の子たち +

 


 


GM えっと、演劇部の稽古が終わりかけている頃だよ。

正輝 ……別に隠れて見守る必要性はないよな。だったら、そばで見ていよう。

日和川(ひよりがわ) アンナ ……あら、正輝…? どうしたんですの?

正輝 ああ、ちょっと気になってな……。

アンナ わたくしのことが…?

正輝 ああ、伊集院にこの間ガンつけられてね……。

アンナ まぁ…正輝は大丈夫でしたの?

正輝 あ、俺は大丈夫だけど……。

アンナ それに、バスケ部の部長の話を辞退したって聞きましたわ……(心配)。

正輝 いや、俺のことよりもアンナは自分のことを心配しないと。伊集院の奴に本当に絡まれているのはお前なんだぞ?(心配)

アンナ ……正輝、心配してくださってありがとう……(嬉)。

正輝 気にするなよ(にっこり)。

アンナ ねぇ……。

正輝 ……?

アンナ ……そ、その…正輝はこの後なにか用事でもあるんですの……?

正輝 いや、特になにもないけど……。

アンナ そ、それでしたら一緒にお夕飯でも食べませんか……?(どきどき)

 


 

挿絵(By みてみん)

 


 


 

正輝 え、まあ別にいいけど……。

 


 


GM/日和川父 「はっはっは、正輝くん。よく来たねぇ(にこにこ)」

正輝 あ、お久しぶりです……(→結局、アンナの家で夕飯を食べることなってしまった)。

GM/日和川母 「まぁまぁ、大きくなって……いつもアンナから話を聞いていますわ(にこにこ)」

正輝 あ、はぁ……。

アンナ 正輝、遠慮はしないでどんどん食べてくださいね(にこにこ)。

正輝 ……ああ、うん……(流されている)。


(魅呼音 どんどん深みにはまっていくわね(笑))

(椎奈 その頃、私たちはラブホテル前……(笑))

(夕美 夕美なんて、家でお兄ちゃんを一人で待ってるんだよぉ~)

(正輝 あっ、忘れてた……)

一同 お兄ちゃん、ひどいな!(笑)


正輝 (携帯で自宅に電話をかける)もしもし、夕美か?

夕美 あっ、お兄ちゃん。どうしたの? 今日は部活はないって……。

正輝 あ~、それがちょっと今日は帰りが遅くなりそうだから……。

アンナ 正輝ぃ~、どうしたんですの~~?(電話に聞こえるように)

一同 (笑)


 *くどいかもしれませんが、アンナと夕美は同時にサブマスターが操っております。


夕美 あれ、お兄ちゃん……誰かといるの……?

正輝 え、いや、今、アンナの家にいるんだ。

夕美 アンナさんの…? どうして、急に?

正輝 実は、アンナのおじさんとおばさんが俺に会いたいって話で……。

夕美 えぇ、夕美も行きたいなぁ。

正輝 いや、俺だけでも迷惑なのに夕美まで来たら余計迷惑だろ? それに、夜道の一人歩きは危ないぞ。

夕美 夕美は一人でも大丈夫だもんっ。

正輝 だからな……。

アンナ 正輝ぃ~~?(笑)

正輝 (アンナに)ああ、すぐ行くから!

夕美 ……やっぱり、夕美も行くぅ。夕美だけ仲間はずれはヤダもんっ。

 


 

挿絵(By みてみん)

 


 


 

正輝 (苦笑しながら)あのなぁ……できるだけ早く帰るから、な?

夕美 じゃあ、8時……。

正輝 (現在7時40分)いや、もうちょっとかかるから。

夕美 うん…分かったよぉ……。

正輝 それじゃあ、な。携帯切るぞ?

夕美 ……うん……(寂)。

 


 


GM というわけで、日和川父とかと話が盛り上げってしまい、気がつけばもう9時半過ぎ(笑)。

正輝 あ、俺はそろそろ……。

GM/日和川父 「なんなら、家に泊まっていくかね?」

正輝 いや、さすがに明日は学校がありますんで。

GM/日和川両親 「まあ、それは残念ですわねぇ。でも、正輝くんならいつでも歓迎ですわよ」「はっはっは、アンナのこと、これからもよろしく頼むよ」

正輝 はい。

アンナ それじゃあ、正輝……また、学校で。

正輝 じゃあ、アンナ。またなっ(と、帰る)。

 


 


夕美 (玄関で)…ぶぅ(不満)。

正輝 (10時過ぎ)……すまん、夕美!

夕美 遅いもん(お怒り)。

正輝 ほれ、駅前でケーキ買ってきたから…な?

夕美 ……うぅ、ケーキ……。……食べる(ケーキを受け取る)。

正輝 ふぅ……(安堵)。

 


 


GM/メール 『こんばんは/あい』

正輝 お、メールだ……。

 


 


『こんばんは、あいです』

『今、わたしは星を眺めながらのメールです。そちらの方では、天気予報だと台風が来るそうですね。物が飛んだりと大変そうですが、がんばって避けてください(*^_^*)』


 そう言えば、あいは北海道に住んでいるという話だったな。この時期は、北海道に台風はほとんど来ない。


『台風といえば雨。雨と言えば、体育祭です。運動オンチな友人は雨にならないかと祈っておりました。わたしは身体を動かすのは好きな方なので、体育祭が雨でつぶれるのはイヤですねぇ』


 そう言えば、もうすぐ体育祭だな……近頃は、色々とあり過ぎてそういうのを忘れてしまう。


『さっそくてるてるぼーずを作るあいでした~♪』


 俺は返信しようと携帯のボタンを押した。

 


 


 がたがたと音を立てながら雨戸が風で揺れていた。

 


 


 


    + 台風DAYⅠ +

 


 


夕美 (登校中)お兄ちゃぁぁん、夕美的にはこの台風で学校お休みだよぉ~。

正輝 ほら、そんなこと言ってないで、学校行くぞ。

夕美 雨も風もすごいよぉ~~~。

GM そんなこんなで学校につく。二時間目の休み時間に放送が入るね。

  /校内放送 「ただいま、大雨洪水警報が発令されました。本日は二時間目をもって、休講にします。生徒たちはすみやかに帰宅してください……(ぴんぽんぱんぽん♪)」

一同 やったー!!!(喜)

GM/連太郎 「よっし、学校も休みになったことだし、どっか寄って行く………のは、無理みたいだな(苦笑)」

正輝 当たり前だろ(苦笑)。じゃあ、俺は夕美と帰るよ。じゃあなっ!

GM/連太郎 「おうっ」

 


 


GM その帰宅途中だ。

夕美 ……ねぇ、お兄ちゃん。

正輝 ん?

夕美 なにか聞こえなかった……?

正輝 ああ、そこの路地裏から……(と、覗いてみる)。

 


 


 そこには、一人の榊学園の生徒が風で吹き飛ばされそうな傘を必死で抑えながら、ぶつぶつと文句をつけていた。

「ああ、もう、こんな時に!」

 まあ、確かに台風で大変だな、となんとなく俺は思う。

「こんなの見たら放っておけないじゃない……」

 この声には聞き覚えがあった。

 綺麗な声だが、どこか偉そうな口調。びっしょりと雨で濡れた制服で彼女がとてもプロポーションがいいことがすぐに分かる。

 志木 瑞香しきみずか……モデルをやっている榊学園の二年生だ。

 正直、俺は彼女にいい印象を抱いていない。まあ、いわゆるいじめ問題の加害者……だと思っている。いや、思っていた、か。

 そう、彼女が必死に傘で守ろうとしているものを見て思わず苦笑いを俺は浮かべてしまった。

 それは、雨で濡れた小さな毛玉……まあ、乾けばふわふわで、にゃーとか鳴く――要するに仔猫だった。

 俺がなにか声をかけようとすると、彼女はびっくりして振り返る。その瞬間、強い風が吹き、白い傘が灰色の空に吸い込まれていった。

「あ……」

 彼女はしばし呆然とした後、俺を睨み付ける。

「ちょっと、あん……」

「わぁぁぁぁ、猫さんだぁ~~~~」

 彼女がなにか悪態をつく前に、間の抜けた夕美の声が響き渡った。

 


 


GM/志木 瑞香(しきみずか) 「(タオルで髪を乾かしながら)ふん、お礼だけは言っておくわよ」

正輝 まあ、仔猫も震えてたし……気にするなよ(現在、春日家)。

GM/瑞香 「べ、別に、あたしは捨てられた猫が憐れだから………」

正輝 ……意外と優しいんだな(にっこり)。

GM/瑞香 「ぅ………もう、いいわ、そのことは。ともかく、あの猫はあんたが飼いなさいよ!」

正輝 え、俺がか!?

GM/瑞香 「そうよ。あたしは仕事で忙しいから世話なんてできないわよ!」

正輝 しかしなぁ……。

夕美 (仔猫を抱きしめて)猫さぁん~~~(至福)。

GM/瑞香 「ほら、あんたの妹だって喜んでいるし……」

正輝 …………(苦笑)。

夕美 夕美が飼うよぉ~。

正輝 いまいち不安だが……まぁ、俺がその辺を言い含めて、なんとかするか……。

夕美 じゃあ、名前つけてあげないとね。

 


 


挿絵(By みてみん)

 


 


 


 …………。


夕美 よぉし、今日からお前は「こゆみ」だよ~。

正輝 (汗をぬぐって)ふぅ、やはり「ゆみゆみ」はいやだからな(笑)。

GM 瑞香が出した「ねこ」よりはマシだと思うぞ(笑)。

夕美 じゃあ、こゆみと一緒に夕美の部屋で遊んでいるよ(と、部屋から出て行く)。

GM/瑞香 「あんた……春日正輝でしょ」

正輝 え、この間は名前言ってなかったけど……。

GM/瑞香 「あんたの名前を知らない奴なんて、あの学校じゃいないわよ」

正輝 志木さんほどじゃないさ(苦笑)。

GM/瑞香 「まぁ……その…この間のこと悪かったわね……(そっぽ向いて)」

正輝 「この間の……」実はなんとかしようと思ったんだけど、俺自身それどころじゃなくなったんだよなぁ……(苦笑)。

GM/瑞香 「あの時は色々とごたごたしていてね、イライラしていたのよ。ったく、対抗プロダクションがゴシップであたしが乱交パーティに行っているとか、色々と根も葉もないこと……。

 それで、クラスメイトは変な目で見るわ、あの美空って子もそんな一人だと思っていたから……」

正輝 だったら、それを俺にではなくあの子に言ってやれよ。

GM/瑞香 「ええ、まあ、あの子には謝っておくわよ………べ、別にあの子に悪いと思っているわけじゃないのよ。あたしの気がすまないから謝るんだからね! そこんところを勘違いしないでちょうだい!(顔赤い)」

 


 


挿絵(By みてみん)

 


 


 


正輝 (苦笑いしながら)素直じゃないなぁ……。

 


 


GM 台風が少し弱まって。

  /瑞香 「その……猫、大事にしてあげてよね! それじゃあ!!(と玄関から出て行こうとする)」

正輝 ああ。猫、気になるようだったらいつでも来いよ(にっこり)。

GM/瑞香 「……考えておくわよ……」

 


 


 


    + 台風DAYⅡ +

 


 


椎奈 (携帯が鳴る)はい、もしもし……?

GM/田淵 「指宿さんですか? 今、アーケードの裏付近にいるのですが……」

 


 


 携帯電話の先から、強い風の音がごーごーと雑音として聞こえていました。

 私は田淵さんの話を聞いて、急いで外に出る支度をします。なんでも、浮浪者の焼死体が見つかったそうです。

 数分で、私がそこに駆けつけると、強い雨と風の中、黒いレインコートを着た田淵さんが、私のことを待っていました。彼のそばには、炭のような黒い物体が転がっています。

 


 


GM/田淵 「(淡々と)通常で考えれば、サラマンダーの能力ですね。しかし、手際から考えると最近目覚めた者の仕業でしょう」

椎奈 ……確かに、ずさん……。

GM/田淵 「焼けているため、死亡推定時刻は詳しく特定できませんが昨夜から今朝方にかけてでしょう」

椎奈 …………。

GM/田淵 「捜査を続行してください」

椎奈 ……了解。

 


 



GM 次の日。魅呼音、正輝は椎奈の家に田淵さんに呼ばれる。ちなみに、台風で学校はお休み。

椎奈 ……私の家が、集合場所になっている……。

GM UGNから家賃が支払われているんだから、いいじゃないか(笑)。

  /田淵 「昨日のことはすでに聞いていているかと思いますが、この台風の中でも私たちは捜査を続行しなければなりません。ここは、二手に分かれてこの街を捜査したいのですが構わないですか…?」

正輝 はぁ、分かりました……(曖昧)。

椎奈 (ぽつりと)……仕切りますね……この人……。

魅呼音 それで、どう二手に分かれるの?(正輝をなんとなく見る)

正輝 こういうのは、椎奈が……(椎奈をなんとなく見る)。

椎奈 …………(正輝に視線を送る魅呼音をなんとなく見る)。

一同 視線が飛び交っている(笑)。

椎奈 ……じゃあ、私が田淵さんと組みます……。

GM/田淵 「分かりました」


(夕美 椎奈さん、友人想い~)

(椎奈 健気な女の子……な、私(笑))

GM 自分で言うなよ(笑)。


正輝 (ひとまず外に出て)なぁ、こういうのってどの辺をどうするもんなんだ…?(苦笑)

魅呼音 あたしもそういうのは得意な方じゃないわよ……ひとまず、事件現場から、かな?

正輝 そうか……。

魅呼音 …………。

正輝 ……なぁ、魅呼音はこういうのって何度もやっているのか?

魅呼音 頻繁にってわけじゃぁないけど。

正輝 そうか……。

 


 


GM/田淵 「彼らは駅前の方に行きましたし、私たちはこちらに行きましょうか……」

椎奈 「……はい」……私は余計なおしゃべりをしません。

GM 田淵もそうだよ。無言のまま歩いている。

椎奈 (なにかがいるのに気付いて)……あれは……?

GM/田淵 「まさか、こんなところにっ?」

 


 


 荒れ狂う暴風雨の中、異形の姿をした一匹のジャームがたたずんでいました。

 辺りは、普段でしたら静かな住宅街。

 吹き荒れる風とともに、不気味な唸り声をあげているジャーム。そこは、まるで異世界のように、日常から切り離された一コマ。


 なんだか、私は―――


 猛禽類のような瞳を私たちの方に向けると、高速で接近してきました。私は冷静に銃を構え、一発で心臓の部分を撃ち抜きました。

 びしょ濡れの毛がべったりとまとわりついたジャームはなにも言わず倒れていきます。

 そして、辺りは暴風雨の音だけ寂しく私の耳に届いてきました。

 私より一歩遅れて銃を構えた田淵さんは動かなくなったジャームを見つめながら呟きました。

「街の真ん中で遭遇するとは……もう少し…………」

 道路の真ん中で、血を流しているジャーム。

 田淵さんは私に向けて、

「もう少し、街の捜査を強化しないといけませんね」

 といつものように、淡々と語りかけてきました。

 私は、そうですね…と言いながらもまったく別のことを考えていました。

 


 


 なんだか、私は―――

 そのジャームがとても可哀相に思えてなりませんでした―――

 


 


 


    + 台風後 +

 


 


 あの後、俺と魅呼音は台風の中をひたすら歩きまわった後、家に帰ることになった。

 びしょ濡れになりながら帰ってきた俺を見て、夕美が驚いたように、

「お兄ちゃん、この台風の中に外に出かけていたのぉ?」

 と聞いてきた。慣れないことをしたせいか、俺は疲れていて適当な生返事をしながら風呂へ入り、一眠りする。

 目を覚ますと、すでに深夜になっていた。

 暴風雨の音はすでに消え去り、静かな夜に虫の鳴き声が聞こえてくる。

 ふと、携帯電話を見るとメールを受信していた。

 あいからだ。


『マサキさんっていい人ですよね。きっと、女の子にもてもてでしょ?

 あいは、マサキさんみたいな人と恋人になれたらハッピーになるかもです。なんて、にゃはははは』


 そんなことはないぞ、と俺は思いながらメールの続きを読んでいた。


『にゃ、と言えばマサキさんの家で猫を飼い始めたそうですね。猫はかわいいですか? 世話とか大変そうですけどぉ……あいは動物とか飼ったことがないのでわかんないです』


 そういや、猫を飼い始めたことをメールで書いて送ったな。

 俺はさっそくレスを書き始めた。


『こんばんは、マサキです』


 俺はまだ慣れない手つきで携帯のボタンを押す。


『>マサキさんっていい人ですよね。きっと、女の子にもてもてでしょ?

 そんなことはないよ。俺はそんな経験一度もありません。

>猫はかわいいですか? 世話とか大変そうですけどぉ

 そうだね、

 確かにお風呂に入れようとしたら引っかかれたり、トイレを覚えさせるとか大変だけど、やっぱりその大変さもかわいくなってきます。

 だから、猫はとってもかわいいですよ。

 それに、その猫を拾った時に、知り合いの意外な一面が見られたり……』


 とここまで書いて、俺は自然と笑みが浮かんでしまう。

 あの、美空 節子(みそらせつこ)の話題になった時から、志木さんは終始顔が赤かった。照れ屋なんだな……などと言ったら、きっと怒鳴られただろう……。


『妹も「こゆみ」「こゆみ」と大喜びしているし、飼ってよかったと思っているよ。あいさんもなにかの動物が飼える環境だったら、ぜひ飼ってみるといいよ』


 そして、俺は送信ボタンを押す。

 今日はそろそろ寝るか…………。


 俺は明日の支度を済ますと、ベッドに入った。

 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ