【三題噺】 一点を取る者
約5ヶ月ぶりの【三題噺】です。
今回のお題はこちら【数学】【ホイッスル】【絶望】の3つです。
久しぶりの三題噺ですので、超展開かもしれませんのでご了承を……
では、どうぞ!!
ある人は言った。
《5分あれば1点は取れる!》と。
中学生の関屋学もその一点を追いかける一人。
関屋は心の中で考えていた。
【あと5分。あと5分で終了してしまう。せめてでも一点。一点をとることが大事だ】
関屋は目の前の光景を見つめる。目の前で皆が戦っている。自分の為、将来の為、この戦いに挑んでいる。あと5分。
【負けてたまるか! 一点を取ってやる!】
自分の力で走り出し、相手が繰り出してくる罠をスラスラと避けていく。
時間は刻々と過ぎて残りの1分。大きな壁が立ち上がった。それは自分の苦手なポイントに来てしまった事。
どうする?
心の中で、関屋は決める。
「決めた! 転がそう」
彼は自分の集中をポイントに向けてぶつける。
完璧だ!
それと同時に、ホイッスルとチャイムの音が関屋の耳から心に響いている。
それから……数日後。
―― 職員室 昼休み――
関屋はサッカー部の顧問であり、担任の緒方に職員室に来るようにと言われ、職員室にいる。
「どうして呼ばれたかわかるか? 関屋!」
「はい、分かります」
関屋はずっと、緒方の顔を見ずに下を見ている。
「サッカーの試合に出る前に、お前は補習決定だ!」
「うぎゃあああああ!」
緒方から手渡されたのは、一枚の用紙。そこには赤く数字で記されていた。
《数学 関屋 学 1点》
「五分で頑張ったんですけどね……ハハハッ」
「おう。言いたい事はそれだけやな? お前、残れよ」
そうだ。俺は、5分で挑んだ。確かに点は取れた。1点だけ。
悔いはない。頑張ったんだ。それでいいじゃないか? 補習? 受けよう。全ては俺の責任だ。先生にはとやかく言うまいと関屋は心の中で言い聞かせていたが、その後の緒方の発言で、関屋は絶望に叩き込まれた。
「まぁ、補習と一緒に、課題も出すからな。覚悟しとけよ」
関屋の心は無情に崩れ去った、お昼の職員室であった。
END
いかがでしたでしょうか?
5ヶ月ぶりの三題噺という事で、私、自身。「久しぶりに三題噺やるかぁ」と思って、単語選んだら……
【数学】を引いた時
「書けなくはないなぁ」
【ホイッスル】を引いた時
「まだ大丈夫だなぁ」
お題があと一つとなり引いた時には
【絶望】
これを引いた時どうしようかと悩みましたね。
まぁ、書けてよかったですよ。ホントに。
ここまで読んでいただきありがとうございました!!