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あの時、この時(ネタ帳)  作者: 林原こうた
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学生生活で愛したいと思う人と出会い死んでいくまで。@ネタ帳6




テストが終わった頃の話




大胆的にリストカットをしたカスミは一週間の自宅待機 、修学旅行の自粛を命じられた。

それを止めようとした私も同じような刑に処されていた。

そりゃ止めるために彼女の前でリストカットに失敗し大量出血、大学病院に搬送、そして入院。。

傷の方は10針ほぼ寐ったとか、だが病院の教授は傷の事よりは精神状態の心配をしていた。

三日ほど入院をしたが、一日目の夜は全身を包帯で固定されて寝付けない夜を過ごした。

二日目、親と教授が話が何となく聞こえる。

「とにかく、  君が何を言っても否定をしないで、推定してください。」

「はい、、」

何やら陰湿な話をしていた。

親が物凄い笑顔で「  ~、大丈夫?」

と入ってきたので、「ト・キ・ハ・ナ・テ」と言ったら、いきなり泣いて出て行った。








二人を心配した担任こと体育教師も校長に修学旅行の追任教師 の代理を頼み込み、居残り生徒に(特に私達に‥)『生に対する授業』を始めようとしていた。



いつもどおり電車に乗り、学校へ向かう。

特別教室に入ると既にカスミは席に座っており、窓際の席で外を見ている。


「うっす!」と話しかけたが、カスミは外を見たままこちらを振り向くことがなかった。


前の方を見ると、何故かうしろのあいつもいた。

「んて、なんでお前もここにいるの?」


なぜか朝から弁当も食べている青木は一番前の席で俺らの方を見ている。

「あぁ~、色々あってな。」

「金がなかった‥ってことは無いだろうし。」

「そりゃ親は住職だから。それはない。あと体罰は喰らってない。」


時間になると担任、今は特別教師と言うべきか体育教師が一枚のCDを持って来た。


「は~い、一時間目は先生特選のこのDVDを見てもらいます。

とその前に一言だけ言っときたいことがある。

この教室にいる人はこのことに関わった奴だからぶっちゃけて大胆に言おうかなって思うよ」

青木はいつもどおりニヤニヤして後ろの俺を見てくる。


「青木、笑い事じゃないぞ。オレの言葉はマリア様だ。」

ゴリラ殿だろ‥

「命ってのは大切なんだよ。

死んだら何にもならない。

俺は比較するのも、されるのも大っ嫌いだ。。

だけどな、昔の人間も今の人間も生きるために何か目標を持って生きている。

戦争で家族を失っても、金がなくても、生き残るために必死だった奴らをお前のことを見たらどう思う?」             

                              

「だから今から見るDVDの感想文2000文字レポートを書いてもらう。ちなみに一日で4本見るぞ。」


「えーと、いいですか?」

カスミが手を挙げて、体育教師に質問する。

「4本で2000文字ですか?」

「いいや、1本2000文字ずつだ。」

マジかよ‥‥


「まぁもし、3日間耐えることができたら、ご褒美やるよ。

俺は別にお前らが嫌いでこんなことしているワケじゃないってことは理解してくれ。

青木は‥ついでだからヤっとけ。じゃあ紙を配るからな。」

と三人は四枚ずつ紙を受け取り、DVDを流してから教室を出た。


一本目のDVDは『はだしのげん』だった。


ちょうど俺ら以外の生徒は関西に向かう新幹線の中であろうか。

初めに広島まで行き、ここで原発博物館やら何やらを見るつもりらしい。


約10分後、リトルボーイ(原子爆弾)が広島の街に落とされ、沢山の人が溶けて無くなっていく。

父や姉、弟が家の下敷きになって、助けようとするも火が強くなって行き助けることができず、げんとその母は逃げ出した。


「これ‥学校で流していいのか?」

と呟いたのは青木、カスミはというと角でブルブル震えてた。


話はその後も続くのだが、『はだしのげん』という誰でも一度は聞く名作がここまでグロテスク、忠実に作られてることを知って正


直にひいた。


ひいたと言ったら、批判を喰らいそうだが、それ以外の言葉が思い当たらないほど、唖然と確固たる恐ろしさが目の前にあった。







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