学生生活で愛したいと思う人と出会い死んでいくまで。@ネタ帳5
その時、席が後ろだった奴は青木という。
盲みたいなヤツと思ったがかなりのエンターテイナーと言っていいだろうか。
初めて知り合ったのは2年の時だった。
部活動が写真部とだけあって、いつも傍らにはカメラを欠かせないでいる。
周りの人とも上手く人間関係を繋ぐことをしつつ、この教室に不幸と幸いをを齎した中心人物と言っていいだろうか。
カスミが引っ越してくる前のことだ。
事件が起きたのは、ホームルーム前だった。
いつも抜き打ちテストをしようと英語教師がいた。
彼は日常主義というか、日々勉強をしている人間を好む成績方針で大きいテスト一発屋の生徒にとても嫌われていた。
無論、私も大嫌いだった。
ある日、男性の間でこの話が広がると、青木はあるテスト用紙を何十枚も持ってきた。
「なんじゃこれこれは?」
ニヤリ笑いながら、彼は言う。
「英語の小テスト、2年生分ww」
「は?」
彼の顔はドヤ顔そのもの、ドヤ顔になるといつもより多くメガネのレンズが輝いて見える。
これを小耳に挟んだ小便男子たちが集まる。
教室内がザワザワし出すと、教室に担任の体育教室が帰ってきた。
「ん?みんな集まってどうしたんだ?」
体育教師も教壇に着く前から気になる素振りを見せ出す。
教室内が硬直仕出す。
果たして、どうするべきか‥
何秒か時計の針が止まった後、一人の生徒が「いや、何でもないです。」と言った。
「あらそぅ。先生隠し事は嫌よん~」
なんて、フザけた素振りをあの大きな堅で言われても気持ち悪い。
これで吹いた女子生徒がひとり、保健室へ行きたいと言ったが断固許されずこの日のホームルームは終わった。
ホームルーム終了後、帰り支度をしながら後ろの青木に話しかけた。
「これは。。どうやって手にいれたんだ?」
「職員室でコピーしてきた。」
丸分かりの嘘を誠のように言う。。
「嘘だろ?」
「嘘だ。3年生からもらったんだよ。税込1500。優しい先輩だろ?」
そういうと、じゃ、と言って教室を出て行った。
何やら軽く急いでいるかの足取りだ。
自分が校舎から出ると、陽の光が秋でもないのに赤く乱反射していた。
日が沈むにつれて、赤と青が混じり合っていく。
ふと学校に目をやると屋上に誰かが立っていた。
奥の街の方に目を向け、彼は変わる町並みを見通していた。
これは彼にしか、見ることのできない景色だろう。
少し憧れはしたが、その眼差しがいつもの彼とは思えないほど真剣な表情に見えた。
実際、この距離からでは彼の顔を確認できないのだが、おそらくこんな顔だったんだと思った。