2 前夜
少し長い廊下を、少し歩いていった。
移動している時に、50歳代ぐらいかなとどうでもいい事を考えてしまった。
付いていくと、そこには縦長の長いテーブルが置いてあり、その上には皿が綺麗に並べられおり、その皿にはまるで精霊の粉でも散りばめたようなキラキラ輝くイタリアン料理のような物が所狭しと置いてあった。
(「ような」って言ったのは、食べた時がないので良く分からないからである。
ちゃんとみると高級食材を使ったような料理まで置いてあった。
料理に見とれていると、縦長のテーブルの一番先に座っている60代ぐらいの白いひげを自慢げに生やしているお爺さんから声がかかった。
「さぁ席についてくれたまえ」
どうやらここの館の、主人のようだった。
僕は、言われるがままに、メイドの人に案内され、あの白いワンピースを着た女の子の隣に座った。
女の子は、少し顔を赤くしながらこっちを振り向こうとしなかった。
僕は、つい質問してしまった。
「何で?親切にしてくれるんですか?」
僕は、不思議で不思議で堪らなかった。
「なぁにただの気まぐれだよ」
「それに明日は・・・年に一度の七夕パーティーなんだよ。パーティーは多くいたほうが楽しいだろ。」
・・・・ふふふ・・・
そう言って少し裏の顔でにやけた様に見えた。
が、気にしないようにした。
こんなに優しい人が、俺が考えてしまったようなことを起こす訳が無いと思ったからである。
そう、そんなことを考えてしまったらせっかく親切にしてくれたこのお爺さんに失礼だからだ。
「おっとすっかり紹介を忘れるところだった。私の名は、神谷総一郎。そして、この別荘の主人でもある!ほぉっほぉっほぉっ」
なにやら少し自慢したような満民のを笑みを生みながら言ってきた。
「そうですかぁ~」
僕は、それに対しなんと反応したら言いか分からず受け流したことに、少し気分を悪くしたようだった。
僕は、慌てて話を変えようとしたが、何に話を変えようか全然思いつかなかった。
「父さん、誰だそいつは?」
何処からともなくスッとした切れのある声が聞こえてきた。
俺は、ほっとしたこれで話が変わってくれると思ったが、その考えが甘かった。
「誰だ?お前?」
声が聞こえたほうを振り向くと、俺が通ってきた道に立っていた。
その姿は、声に似てキリットした顔に少し細いメガネをかけ、本当に何もかもがスッとしたいでたちだった。
服は、俺が着ている紳士服の純白の白の真反対の光沢がかかった黒色だった。
「まさかまた養子とか言いませんよね?」
「困りますからね、もう一人だなんて・・・」
「こら!その事は言わないはずだぞ!」
一瞬よどんだ空気になってから、総一郎さんが怒鳴り付けた。