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壁囲封鎖のパビリオン  作者: 龍奈 身形
episode1 one game
1/2

1 始動

それは、暑い暑い夏の季節の出来事だった・・・・



俺たち家族は、毎年恒例の船旅を楽しんでいた。

だが今回の船旅だけは、なんだか悪い気がしてならなかった。

母親もそんな不安げな感じをかもし出していたが父親の無理やりで今年もやることになったのであった。

俺は、このときの判断を悔やんだりはしない。

だってそれが運命だったのだから。

俺たち家族は、ある島の脇を通り過ぎようとしていた。

なぜかの天候不良でいつものルートが使えず急きょ他のルートに変わったそうだ。

その島の脇を通っていると、いきなり嵐が出てきた。

 

「くそ~こっちにも嵐が来ちまったか~」


 そんなのんきなことをいいながら父はわらっていた。

 だが、母のほうは何かに脅えるような感じで毛布にかぶさり極度にふるえていた。

母は、少し赤みのかかったワンピースを着ていたのだがそのワンピースもぐじゃぐじゃになっていた。

行く前の父の話だとワンピースを着たことを見たのは久しぶりだと言っていた。

僕は、はじめて見るなと思い返していた。

そんなことを思っていると少しずつだが体調が悪くなっているように見えた。


「大丈夫?」


 余りにも見るに見かねた僕は、母を心配して背中をさすってあげた。


 「大丈夫だから、お父さんの隣についてあげて・・」


 そう言って余り近ずけないようにしていた。

今までの母とは、全くちがった感じをかもし出していた。


 「お父さん、お母さんが体調が悪そうなんだ」


 父は、この嵐のせいで忙しく母にはきずいてなさそうだった。


 「今からでも遅くないから、引き返そう」


  そう言って今回の船旅を終わらせようとした。

だが返事はなく、何かに取りつかれたかのように真剣になっていた。

 少しすると、嵐は激しくなりいまにも波に飲み込まれそうになるぐらいだった。


 「一気に突っ切るぞ!」


 父がそう勢いよく言うと、一気にスピードを上げようとした時、轟音が鳴り響き3メートルぐらいは軽く超えてしまう波が襲ってきた。


 「うあぁぁぁぁぁぁぁ!」


俺たち家族は大波に飲み込まれた。






気がつくと砂浜に打ち上げられていた。

近くには、船と思われる残骸があちらこちらに転がっていた。

回りを見渡しても誰もいなかった・・・

しかも、波に襲われた時はあんなに嵐がすごかったのが今では、太陽をギラギラに輝かせた灼熱地獄になっていた。

少しの間あたりを散策してやっと見つかったのが父が常に身につけていた腕時計が波打ち際に投げ捨てられていた。

この時計は、父が手放さず身に着けていた時計だった。

話だと、この時計は代々受け継がれていた時計だそうで、”自分が死ぬ時”に自分の息子に受け継がせていたと、聞いたことがあった。

俺はこの時、まさか”もう死んだんじゃ”と、一瞬頭の中をよぎった。

だが、俺は諦められなかった。

まだどっかで生きているんじゃないかと。

そのためにも俺は、ここから出なくてはならない。

気持ちを改めて、落ちていた父の形見である時間が止まっている腕時計をつけて、よくドラマなどである”SOS”を砂浜にでっかく書きつけていった。



砂浜を少し歩いたところに森が広がっていた。

俺は、まだ昼間なので何か食料と水はないか探すため森の中へ、足を踏み入れていった。


少し歩いているとグレープぽい果実がなった木を見つけちょうど喉もカラカラだったのでそれに飛びつきむさぼった。

少しそこでとどまっていると人の足音みたいなのが聞こえ、不安でいっぱいだった俺は、助けを求めるように走っていった。

いきなりぶつかり合った。


 「いてて」


 尻餅をついた尻を撫でながら起き上った。

目の前を見るとそこにいたのは、”白い”ワンピースを着た女の子がいた。

その女の子につい見とれてしまうほどの可愛さだった。

黒髪のストレートにカチューシャをつけていた。

たぶん僕と、同じぐらいの年齢だと顔からしてわかった。

少し、見とれてしまった。


 「あの~すみません」


 見とれるのをやめて手を差し伸べた。


 「だいじょうぶ・・・です・・・」


  少し顔を赤くしながらそう言って自分で立ち上がろうとしたが、滑ってまた倒れてしまった。

もう一回、手を差し伸べたら顔を真っ赤にしながらその手を取った。

何で恥ずかしがっているんだ?

と思たが、ま~いいかとすぐに思い返してしまった。


  「ここはどこなんだ?」

俺は、この子にわかることだけでも質問しようと思った。


  「ここは、私の・・父の持っている・・・無人・・島です」


 ちょっと聞きとりずらいながらも、その言葉に「マジですか!?」と言いたい気持ちを必死に抑えてが、次の言葉のすごかった。


 「この近くに・・・父の別荘もありますよ・・・」


 こんな島に”別荘”を建てるやつがいたのかよ、そんなんことを思うと安心してしまった。

この島は、自分だけかと思ったら違ってちゃんと人がいることに安心してしまった。

今まで、この島でのことで鞭を打っていた身体と心が、楽になったような気がすると気を失った。


 「大丈夫ですか!!」


  そんな声が遠のく意識にかすかに聞こえたのだった。





  「あなたは・・・こ・・のし・・・まから・・で・・なくて・・は・・・いけない!」


  微かに聞こえたよような感じがした。


  「あなたはいったいだれだ?」


「この・・・島からはやくでて」


「だから君は一体だれだ?」


「早くこの島から出て」


「早く出て・・・・・」


「待ってくれ!待つんだ―――!!」



「ハッ!!」


気がつくと俺は、ベットの上に寝かされていた。

回りを見渡すと一つ個室だった。

隣を見ると看病してくれたのだろう白いワンピースを着た女の子がイスに座ってうたた寝していた。


  「あの~起きてください」


俺は控えめにしながらも女の子の体を揺さぶった。

そうすると少し目をかきながら起き上ってきた。


「キャッ!」


 叫びながら後ろに、顔を真っ赤にしながら下がっていった。


 「あの~ここはいったいどこですか?」


 そう聞こうとしたら、出てってしまった。


「なんで?」


  何で出ていくんだ?

俺は、疑問をかんじながら自分が服を着てないことに!!きずいた!?

あ~なるほどね・・・

これでか逃げ出すわけだよ・・・

苦労するな~

そう実感してしまった。

隣を見ると、棚の上に服が置いてあった。

その服は、普段じゃなかなか気なそうな、白のスーツが置いてあった。

一応着てみるとサイズがぴったり合ってたのでびっくりしてまった。

そんなことをしているとノックをする音が聞こえつい「は~い」と答えてしまった。

そうしたら、扉が開きでてきたのはメイドの服を着た女性だった。

「メイド長の塩原麗子と言います。」

「以後お見知りおきを・・・」

そう言うと付いてくるように言われ、付いていった

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