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閑話 悪魔に近い女
「友達」と見たい本を選んでいると、ふと彼のことを思い出す。
今日は家で「ホラー映画」を観る約束をしたのに、気分じゃなくて私の方から遠ざけたことを。
「アイちゃん、どうしたの? また、考え事?」
「…………帰る」
「そうした方がいいよ。合流した時から、浮かない顔してたから」
私と同じ学校に通う最上ちゃんは、優しい。
満月の夜になるとうるさくなるが、それ以外の時は冷静な判断ができる。
「ありがとう……。あとで、らいん送るね」
「うん。またね」
*
「? 誰だろ? 宅配の人かな」
お姉さんがカーテンを開けると、そこにはアイちゃんの姿があった。
アイちゃんは靴を脱いでリビングに入ると、泣きそうな顔でオレを見上げた。
「……だ、大丈夫だよ……。何か事情があって、破ったんだな……って」
思えるはずもなくて。
「今から観れば? その間、僕は外出するから」
「どこに行かれるんですか」
「どこでもいいじゃん」
詮索したら、嫌な顔された。
「夕方ぐらいには、帰ってくるからさ。事が済んだら、色々聞かせてね」
「……ぜったい、言わない」
きくおさんの「"My Time"」




