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公爵家

土日は頑張って1日2回、、更新出来るように今ストック頑張って書いてます。。。

これからも『なんでも食べちゃう悪役令嬢』よろしくお願いします(*‘ω‘ *)

 もうすぐ家だわ。父は何を隠そう親バカなのよ。


 ローア殿下に蔑ろにされてきた私のことを、ずっと心配してくれていた。

 父のほうが、むしろ婚約解消を勧めてきていた。  

 なのに私が、「今は殿下は世話係になっただけから」と、「いつかは私をみてくる」と、そう信じていた私に合わせて我慢していてくれた。


 今回学園での出来事や、婚約解消をしたいと私が言い出せば、父は私の味方でいてくれるだろう。凄く有り難いわ。


 うちの家族は、5つ下の弟が産まれた直後から、お母様の体調が優れずにいて、体調がいい日もあるが、今も無理はせずに養生している。そのせいなのか、外では鬼の宰相と言われてる父が家族にはデロデロだ。


「つきました」

 静かに馬車が止まり、御者が降りる準備をしてくれた。


 公爵家まで一緒に付き合ってくれたジョージに、レミアは感謝を述べ、1人で降りようとし、


「マルコニ様、送ってくださりありがとうございます。」

 レミアは公爵令嬢らしい綺麗な微笑みとともに言った。


「レミア嬢。申し訳ないが私もお邪魔するよ。これから公爵殿に話があるんだ。」


「えっ」

「先程、出掛ける前に話は通してあるんだ」


 っと言うと、、颯爽と先に馬車を降り、レミアの手をとって馬車から降ろした。

 えっジョージ様がお父様に話って……何だろう?


 馬車を降りると、父専属の執事が待っていた。

「マルコニ伯爵様、お嬢様、旦那様がお待ちです。こちらにどうぞ。」


 公爵家に入り父のもとへ案内され、2人で執務室に到着した。執事が部屋をノックする。


「旦那さま。マルコニ伯爵様とレミアお嬢様さまが到着なさいました。」


「わかった。入ってくれ」



 ガチャリとノブを回し、執務室に一歩ずつ中に入るやいなや、執務室で仕事をしていたであろう父は、バンっと飛び出すように、こちらに駆けてた。


「レミアっ」


 父は私の顔を見るなり、飛び出した勢いのままに

 ぎゅ~〜〜っと強く抱きしめてきた。

 はわわ。お父様。人前です〜。落ち着いて〜!!

 父の胸を腕で押し返すが、離れそうにない。。


「お父様、、く、苦しいですわ~」


「あっ。ごめん。心配した。レミア。今日はどうしたんだい?学園は?何かあったのかい?」


 やっと解放されたと思ったら、私の肩を両手をガシりと置き、肩をギュッと掴みながら、段々と目が据わっていく……。


 ひぃ〜〜。お父様。笑顔なのに、こ、こわい〜。


「それが、、私………お願いがありますの」


 チラッとジョージの存在が気になったが、いつかは皆知るんだし、えいっ!!ままよっと勢いよく答えた。


「 殿下と婚約解消したいのです 」


「はっ」

 ジョージは一瞬目を見開いたが、スーっ目を細めたと思ったら、綺麗な顔のイケメンが静かに青筋をたている。それでもイケメンって凄いわね。


「レミアっ。!! 殿下に何かされたのか?」


 今度はギュッとつかまれた肩を揺さぶられて問い詰められた。

 お父様の目は、これでもかと見開いた状態で、でも目の奥はさっきよりも薄暗くなってしまった。

 ……そして相変わらず……笑顔が怖い。。


 はわわ〜……そんなにゆさぶられたら、頭がクラクラしてきましたわ〜。。


「お、お父様。こ、これだと話が、、で、できませんわ!!」


 お父様は、ハッとして手を離してくれた。

 今度こそ開放され、クラクラしていた私を後ろから、そっとジョージが優しく支えてくれた。

 それを見ていた父が、一瞬目が鋭くなったが、すぐに笑顔になり、私達に座るように促した。


 まったく……お父様ったら

 笑顔なのに、怖いってどういう芸当かしら……

 お客様のジョージ様の前なのに、大丈夫なのかしら?


 ソファに座るとの同時に、いつの間にか現れた侍女によってお茶と茶菓子をテーブルにセットされた。

 

 まあ。これは私が大好きなフィナンシェだわ〜っ嬉しい。。きっと料理長が早退してきた私のために用意してくれたのね〜。あとでお礼を言わなきゃだわ〜。

 私は早速、手を伸ばし、温かい紅茶と菓子をホクホクと楽しみ始めた。


そんな私とは真逆のことに、深刻な顔をした男2人組は


「マルコニ伯爵殿、先程レミアが発言した王家へのことは、内密でお願いしたい。」

「もちろんです。他言は致しません。」

「有り難い。よろしく頼む…それで、話とは?」

 チラッとジョージが私のほうをみた。


「………ごほん。レミア。先程のローア殿下との話だが、後程詳しく話を聞かせて貰らうことにするよ。この後、マルコニ伯爵殿と2人で話があるから、一度自分の部屋で待っていなさい。」


 ん〜。バターの風味が最高っ!!って呑気にフィナンシェを頬いっぱいに頬張っていたら、話をふられた。えっ今ですか?


「えっ。まだ半分も残っているのですが……」


 そんな、、2人して私のこと生暖かい目でみないでください〜〜。

 だって料理長の好意を無下には出来ないもの。


お父様が優しく「後で部屋に持っていかせるよ。」というので、私はニコリと微笑み、


「わかりましたわ。それでは御前失礼いたします。」


 私はツツツ〜っと優雅にドアの前まで移動すると、公爵令嬢らしい見事なカーテシーを披露し、執務室から自分の部屋に移動した。ちゃんと公爵令嬢やる時はやる子なのです。


 自分の部屋に入ると、先程マルコニ洋菓子店で脱いだ制服が綺麗に畳まれて届いていた。


 あっ!!制服、すっかり忘れていたわ。届けるように手配までしてくれていたのね………。

 それにこのワンピースも借りたままだわ。あとで返さなくちゃ。

 鏡の前で改めてワンピース姿をみる。「似合っている」って言われたのを思い出し、ちょっと脱ぐのが名残り惜しい気もする……。裾を持ってクルリと一回りしてみた。

 鏡には世間よりちょっとポッチャリな私…。

 ……きっとお世辞よね。……っそうよ。カフェでもからかわれたもの。


 ……………………っチク。なんだか今日は、胸がおかしいわ。きっと色々あって疲れてるのかも。


 さぁ着替えなきゃっと気持ちを切り替え、専属侍女のナタリーを呼んでワンピースを脱ぎ、部屋着へと着替えた。

 ナタリーは母が具合が悪くなった時に、「子供達にも専属を。」と話が出てから、ずっと私の側にいてくれてる。私にとっては母親代わりというか、年が離れている姉のような存在だ。

 なので、ナタリーには公爵令嬢のお嬢様の私ではなく、素の自分がだせるし、ナタリーにも私と2人の時は、無礼講でいいと伝えてある。


「ナタリー。このワンピースを綺麗な状態にしてマルコニ洋菓子店まで返却をお願いね。」


「まあ。こちらマルコニ伯爵様からで?お嬢様にとても似合ってました。……伯爵様はお嬢様の魅力をよく御存で……お目が高いっ」

 ウンウン。と納得したように、ナタリーが頷いている。


「ち、違うのよ。これは今日気分転換に街に出るのに、お店にあったのをお借りしただけなのよ。」


 ナタリーにジトーーっと見つめられた。


「…………左様ですか。」


 ここでも何故か、生暖かい目で見られた。。。ぐぬぬぬ…………解せぬ。これでも私、公爵令嬢。


 しばらくすると、お父様との会談の後、帰り際ジョージ様から「ワンピースはそのままレミア嬢に」という連絡を受けた。………え!?私に??従業員の予備じゃなかったのかしら?


 ナタリーに「やっぱお嬢様の為に用意してあったのだと思いますよ」とニヤリとされた。。むう。


 そんなわけはないと思うけど……内心ちょっぴり、そうだったら嬉しいなっと思うレミアであった。

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