間接キスは何の味?
「 私。これにします。 」
指差したのは、マンゴーパフェ。
これが噂のお花のパフェみたいだ。
ん〜〜季節のパフェも捨てがたくて…。ても、初めてのお店では、必ずお店のオススメを注文することにしているのよね〜。
季節のフルーツパフェに目がない私だが、オススメを注文することにした。
マンゴーが薔薇の花びらのように1枚1枚カットされて、本物の薔薇のように並べられて出てくるらしい。とても楽しみだわ。
もちろん近々、季節のフルーツパフェをリベンジしに来るつもり。
食べないだなんで、私の選択肢はなくってよ〜〜〜。…………甘い物だと少しネジがゆるくなるのはご愛嬌ですわ。オホホホ〜。
「では、私はフルーツパフェに。もし良ければ2人でシェアするのはどうだろうか。じつは両方とも気になって、悩んでしまっていた」
「まあ。もちろんですわ。私も気になっていたので嬉しいです」
本当に不思議なことに、ジョージは私の考えが分かるのか、嬉しい提案をしてくる。
この前だって、新作のマカロンを試食していたら、色んな味や色、挟むクリームも変えて色々食べてみたいなって思っていたら、次に会った時には、色とりどりのマカロンと、侍女達にも感想を。と、お土産まで包んでくれた。
甘い物好きに悪い人いない。
色々と食べさせて貰っているし。
本当にいい人である。
うん。うん。そうだった。と思い出して1人頷いていると、了承したと受け取ったのか、いつの間にか、注文が終わっていた。それにあう紅茶まで……本当に素早い。
テラスの席って開放感があって、木々の溢れ日と草花の匂いで、癒される。
本当にこのお店は、素敵な所だわ。
また一緒に来たいとジョージ様にお願いしてもいいかしら。
でも婚約者でもないし……ビジネスパートナーとしての試食なら………と悶々と考えいると、ふとジョージと目があった。
えっ!こっちをずっと見てたの?
全然気づかなかった……いつから見てたんだろう。
恥ずかしい…
「ところで、今日はどうしたんだい?」
ん?今日?はて?……………はっ!!学園のことね。
「あっ。そういえば………もう忘れてましたわ」
ジョージに会ってから色々あったから、すっかりローア殿下とアミーリア嬢のことを忘れてた。
「それならいいんだが。心配だな。何かあったら相談すること。いいね?」
ジョージの苦笑いと共に、パフェが運ばれてきた。
「まあ。本当に噂通りに凄いですわ。本物の黄色の薔薇みたいだわ。どうしましょう。食べるのが勿体ないくらいですわ」
パフェの上部の半面にはマンゴーで作られた薔薇があり、その半面にはバナナやマスカットなどのフルーツが生クリームに綺麗に飾られていた。
パフェの中には、バニラアイスとミルク味のムース、最下層はマンゴームースとサイコロ状の果実になっている。
すっかり話はそれてしまい、目の前のパフェに集中してしまった。
パクりと口に運ぶ。はぁ〜。幸せです。
マンゴーがねっとりと口の中で広がり、濃厚なマンゴーの風味と生クリームとバニラの甘さが絶妙〜〜。美味ですわ。
頬に手をあてながら、ひと口ずつ悶えながら、レミアが幸せそうに食べている姿をジョージはしばらく眺めていたが
「こちらもどうぞ」
ジョージが差し出すパフェスプーンには、ジョージが注文した季節のフルーツパフェがひと口のっていた。
「ありがとうございます」
パクりとそのまま、レミアは思わず食べてしまった。
ん?んん?あれ?
いまのって俗にいう『あーん』ってやつじゃ……
ボンっっっ!!!!一気に顔が火照った。
な、な、なんていうこと。それも、これは、まさかの間接キスじゃないのっっ!!!
お、お、落ち着くのよ。わたし〜。ここは冷静になって、何でもない振りをしなきゃ。乙女の見せどころよ〜。っとわけもわからいことを思いながら
「……こちらももどうぞ」
そっとマンゴーパフェのグラスを押しやると、「ん?」とジョージは首をかしげた後に
「僕には食べさせてくれないのかい?」
ジョージは頬杖をつきながら、ニヤっと笑った。
クワッっっっ!!
目がこれでもかと、開いてしまった。
これはどうするのが正解なの〜??誰か、、
神様〜〜!!これはどんな試練なのです〜??
神様!仏様!読者様〜〜!!
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