表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/31

甘い匂いに誘われて

『 可愛いひと。 エスコートを 』


 私は若干パニックになりながら、ジョージの腕にそっと手を添えた。

 公爵令嬢としての教育の賜物なのか、戸惑った顔は一瞬で、令嬢としての顔に切り替える。


 2人でコッソリと裏口からお店をでると、いつの間にか馬車が用意されていた。

 着替えのあの短時間で、どれだけ根回しがいいのか。そのスマートな対応が、また嬉しく感じる。


 エスコートされながら馬車に乗り込み座面に向かい合わせに腰を下ろす。


「どちらに向かうのですか?」


「最近、街で話題になっていて、気になるパフェがあるんだ。カフェだと男1人だと店に入りづらいので、一緒に行って貰えると嬉しい。」


「まあ。パフェですか。」

 パフェも大好きだ。私は特に季節限定のフルーツパフェって言われるとめっぽう弱い。


「なんでも、フルーツを薔薇のように美しくカットしてあって、見る者を喜ばせるパフェという」


「それは凄く気になりますね。」

 キラキラした瞳をして、レミアはつい前のめりになってしまった。

 それと同時に、ガタっと石でも踏んだのか馬車が揺れて、レミアの体は不安定に………あわわわっ


「っっ危ない」

 がしっと正面から抱きとめられた。ほんのりと先ほどのキャラメルの甘い匂いが鼻をくすぐる。

 わぁ〜。甘くて落ち着く〜って!! 違いますわ!!


「大丈夫かい?」

 至近距離に心配顔のイケメンが………


 バババッと目にも止まらぬ速さで、体勢を戻す。

 あ、あ、危ない。昇天して、意識を持っていかれるところでしたわ。


「あ、ありがとうございます」

 ここぞとばかりに、何もなかったように冷静な公爵令嬢の仮面を被る。


 はぁ。。危ない……。

 甘い匂いに吸い寄せられて、離れがたいと思ってしまったわ……なんて落ち着く匂いなのかしら。

 それに、華奢に見えるけど、意外と筋肉も………


 わ、わ、わ〜〜〜!!!

 私ったら何を思い出してるの〜。

 ギャー!!はしたないですわ〜!!

 しっかりするのよ〜私〜〜!!


 本人は気づいてないが、赤くなったり、スンっとなったり、百面相を繰り返しているレミアを、また暖かい眼差しでジョージがみていた。



 レミアがアレコレ考えているうちに、気がつくと馬車は停止していた。


 ジョージは颯爽と馬車から先に降りると手をだし「どうぞ」っと言って、エスコートとしてくれる。


「ありがとう」

 素直にレミアも手をのせるも、一瞬さっきの妄想がフラッシュバックされ、自分の手に汗がかいてないか、普段気にならないことが気になってしまう。


 ドキドキしながら、目線をあげると、そこには可愛らしいお店があった。


 お店全体は白をベースにし、お店の周囲には若草の緑の木々と、淡いピンク色の満開の薔薇のアーチがある。


 確かに。。ここに男性が1人で入るのには、勇気がいりそうな雰囲気だわ。


 落ち込んでそうな私を気遣って、誘ってくれたのかもと、少し気負いしていたが違ったみたい。

 ちょっぴりホッとしたけど、少し胸の奥がチクリとして。

 ん??チクってなんでだろ。。



「ここだよ。入ってみようか」

「ええ」


 チャリンっと音と共にドアが開く。


「いらっしゃいませ。ご予約は?」

「ああ。先程連絡したマルコニだ」

「大変失礼いたしました。承っております。こちらにどうぞ」


 え??いつの間にお店予約の手配まで。

 わぁ〜。相変わらず行動がスマートと思いながら、店員の後をついていく。


「こちらに」

 案内されたのは外のテラス席で、薔薇と木々に囲まれていて、プライベートな空間になっていた。

 爽やかな風と共に、ほんのり薔薇の甘い匂いが混じる。


「……素敵なところですね。」

 私は思わず、目をキラキラさせながら微笑みを浮かべ呟いた。


 何故かそれを見ていた店員が、ほんのり頬を赤らめて「ごゆっくり」といって足早に去っていった。

 何だったんだろう?こてりと首をかしげた。


「………無自覚キラー」


「え?何か言いましたか?」


「いや。お店気にいったみたいで良かった。注文を決めようか。」


「はい!!」

 思わず元気な返事をしてしまったわ〜。


 わぁ〜。パフェも色々あるのね。

 季節のフルーツ、チョコバナナ、マンゴー、キャラメル、ティラミス、プリンって。。。どれも美味しそうで、お店に通っていつかは全制覇したいくらいだわ〜。


 


「決めましたわ〜。私。これにします」

 ビシッと迷いなく指をさした。

もし良かったら下の☆を、ビシッと指差しながらポチッとしていただけると、とても助かります。

どうぞこれからもヨロシクお願いします(*‘ω‘ *)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ