マルコニ洋菓子店
お正月のお餅が余る〜オススメの食べ方ありますか?
公爵家の馬車にのると、さっき降ろしたばかりの私がすぐに戻ってきてたので、一瞬ビックリした顔をしていたが、今は心配そうな顔で御者が問う。
「お嬢様、どちらに向かわれますか」
どうしよう。お父様に報告をと思っていたけれど、、馬車にある甘いお菓子を食べてたら、ふっと思い立ってしまった。
「マルコニ洋菓子店まで向かってちょうだい」
「かしこまりました」
そして静かに馬車が動き出した。
マルコニ洋菓子店は貴族御用達の洋菓子店で、とても人気が高く、開店から閉店まで列が途切れない人気店だ。
一度口にしたら、他のケーキが食べれなくなる程の魅力的な味と見た目をしている。
じつは、、私もあまりに好きすぎて、甘味が欲しいときはいつも、侍女のナタリーに購入をお願いしていた。
そして新作スイーツが発売になれば
次の日には、どれだけ美味しかったか毎回、熱烈な手紙をだしていたら、経営者であるマルコニ伯爵家から返事がきたのだ。
『 レミア・モーガン公爵令嬢 様
いつも洋菓子店をご贔屓いただきありがとうございます。
新作への感想とご意見ありがとうございます。
お手紙拝見いたしまして、もしよろしければ当家の経営するマルコニ洋菓子店のアンバサダーになって頂けませんか。
後日、一度直接お会いできる機会を頂けましたらと思いますがいかがでしょうか。色々と今後のことを相談させて頂きたいと思います。
ジョージ・マルコニ』
もう。も〜う。も〜う〜〜れつに嬉しすぎて。
この手紙を受け取った時は、手紙を握りしめたままプルプル震えちゃったのよね。
大好きなお店のアンバサダーよ〜。信じられないくらい幸せな気持ちが溢れ出した。
人間、興奮すると変に力が入ったまま動けなくなるのね。手紙をクシャクシャにするとこだった。危ない。
それからの私は行動が速かった。私はすぐに返事をかいた。もちろん承諾の1択。
ここのところ塞ぎ込んでた私が、手紙を受け取って
から機嫌よくなり、私付きの侍女のナタリーも
「お嬢様に笑顔が戻り、本当にようございました」
と、涙を浮かべながら喜んでいた。
「そんなに心配させていたのね。ナタリーありがとう」
「いいえ、いいえ。いつも私達侍女にも心を配る優しいお嬢様が、段々と笑顔がなくなっていくのに、お力になれずに、もどかしかったのです」
「ナタリー……」
私も思わずウルってきちゃったのだけど……そっか。
私ここ最近、全然笑ってなかったのね…
ずっとローア殿下とアミーリア嬢のことで頭の中がいっぱいだった。
私のことを心配してくれている人がいることすら忘れていたのだ。
私が笑顔でいなくちゃね。にっこりとナタリーに微笑みながら手紙のことを話た。
「ナタリー。私、大好きなマルコニ洋菓子店のアンバサダーに任命されたのよ。」
「まぁ。それは凄いですね。」
「それで、今度打ち合わせを兼ねて一度マルコニ伯爵様とお会いすることになりそうなの。」
「マルコニ伯爵様…たしか昨年に流行病で御両親を亡くされて、23歳の若さで伯爵家を継いだっていう……」
「そうなのよ。急で引き継いも無かったようなものだから、すぐに領地に籠って仕事をされていて、私も社会界でお会いしたことがないの」
はぁ〜。どんな方なのかしら。。。と思いを馳せてた私が懐かしい。
ジョージ・マルコニに出会う前の私に、今なら言える。
『甘い男には要注意〜!!!!』
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