(3)[現代編]七月一日 後編
すいません中途半端、かつ更新が遅れました。
事の顛末は外伝としてやろうと思います。
本編一向に進まないから・・・
結局、会議は何でもない予算会議だった。どうしてこれが緊急の用件になるのかと思い、会長に聞いてみると
「・・・いや、そうすれば必ず来るしかあるまい?お前達は私が雑務を押しつけようとすると、真っ先に逃げていくからな」
「え?それだけ?」
目の前に大量の雑務、まぁ要望書や嘆願書までいろいろあるんだがそれをドンッと置かれた。
何の追跡かは知らないが、必死に逃げてまで会議に出席してる祐二が隣で固まっていた。・・・ザ・ワー○ド?
「それだけ、だと?」
「あ、い、いや、違うんですよ?別にもっと雑務がほしいなんて言っては・・・」
「ほほう。ついに小野君、君にも私の下僕としての自覚が出てきたようだね。嬉しい限りだ。よって、これは褒美だ。ありがたく受け取りたまえよ」
そういうと会長は、俺、ニノ、ハルの目の前に置いた雑務を五分の四ずつぐらいとると祐二の雑務の上に乗せた。
・・・山になってるよ。
「・・・・・・」
祐二は祐二で石になってるし。
「まぁ、頑張りたまえ。・・・逃げたらどうなるか、わかっているな?」
『さ、さーいえっさー』
やっぱりこの人は鬼だ。そう俺たち三人が再認識した瞬間だった。
ちなみに、祐二はその後十分後くらいにようやく再起動した、というかショックから復帰した。相変わらず切り替えの早い奴だ。
「・・・やっと終わったな」
「あぁ、ようやく解放さあれる」
「うん、さすがの僕も疲れたよ」
俺の言葉にニノとハルがそう返してくる。
あの後、結局俺たちはすべての雑務を片づけるまでに約二時間掛かった。
「・・・なあ」
「んじゃ、帰るか」
「だね」
「ああ」
「なぁっ!ってかお前等友達がまだ仕事やってるのに帰るのかよ!」
祐二がそう叫び
「小野君、そうはいうが後できちんと仕事の量は均等にしてやったが?」
会長の言葉に一瞬怯むが今日は珍しく反論した。
「で、ですがちょっとは手伝ってくれるっていう優しさを見せてくれれば嬉しいな、なん・・・て・・・」
そこまで言って、突然黙り込む祐二。何やら会長の方をみて固まっているが・・・。あ、顔色がどんどん悪くなっていっている。
「そ、そうですよね!自分の仕事、ノルマは達成しなきゃいけませんよね!!」
あ、負けた。
「ああ、その通りだよ。しかしまぁ今日は、ここまでにしておこう」
「へ?」
そう会長が言った。祐二はというと珍しく会長が譲歩したのでこれは何かがある、と思ったのかガタガタ震えだした。・・・こいつはなにがあると想像したんだ。
「何に怯えているのかは知らんが・・・、まぁ君のかんがえているようなことではない。携帯をみてみればすぐにわかる」
携帯?という顔も俺たちもしたので会長は呆れたように、
「はぁ・・・つまり君らはこのままだったら、普通に帰っているところだったわけか」
そういうと携帯をこちらに向けて見せてくれる。
『会長さんへ
今日は神宮寺さんの家で歓迎会?みたいなことをやることになったのでよろしくお願いします。あ、あとそこのバカ四人にも言って置いてください。一応メールしときますけどどうせ、面倒だとか言ってこなさそうですし、無理矢理引っ張ってきてください。では校門のところで待ってますので』
「・・・バカ四人って?」
「当然僕らの事じゃないかな?」
「・・・それ以外に該当する人がいない」
「ひっどい言われよう・・・」
全文を読み切って俺たちがそう口にすると会長が
「まぁそう言うわけだ。言っておくが、君らに拒否権はない。おとなしく捕まって、強制連行されることだな。逃げたら、そうだな・・・君らの苦手な体育教師と個室補習というのはどうだ?」
『・・・はい』
やっぱりこの会長は、・・・鬼畜だ。
そんなわけで今は、校門のところで合流したリズ達含め九人で神宮寺さんの家にお邪魔しているわけだが
「・・・なあ、ニノ」
「なんだ?」
「俺たち場違いなところに来たもんだよな」
「奇遇だな。俺もそんなことを思っていた」
こそこそとニノと話しているとハルが
「僕もまさかここまでとは・・・」
「情報通のハルが知らないのに驚いてるのがお前達二人だけと思うなよ」
祐二、台詞は何となくカッコいい感じがするけどその間抜け面とあわせるとただの痛い子だぞ。
「うるさいよ!」
まぁ驚くのは仕方がないと思う。だって、神宮寺の家の正門?らしきところから入って車で十分走って、ようやくたどり着いたのがこんなにバカでかい屋敷の玄関。そこから、更に歩いて十五分でようやくたどり着いたのが、映画とかドラマやアニメでしかみたことのないような部屋。まぁ、つまりなんだ・・・何って言ったらいいんだこの部屋・・・。
「その顔はどういう部屋かよくわからないという顔ですね」
「よくわかったなリズ」
「あなたが分かり易すぎるんです」
そうですか。
「・・・拗ねなくても良いじゃありませんの。ちなみに、この部屋はおそらくですが・・・」
とそこで言葉を切って神宮寺の方をみる。
「はい、その通りです。この部屋は主に賓客を招いたりして行うパーティーに使われる部屋です」
「部屋、というより私からすればホールなんだけど・・・」
安心しろ間宮。そう思っているのがここにいる人間のほとんどだ。
「しかし、本当に金持ちだな・・・。置いてあるものなんかみんなアンティークじゃないのか?」
「えぇ、ここに置いてある壷なんかお爺ちゃんがみたら泣いて喜びそうな奴です」
「会長さんと高瀬さんは見る目がおありなんですね!」
・・・高瀬、その驚き方はなんか間違ってると思う。
そして、会長は相変わらず御慧眼なことで。
「・・・なぁ、あんてぃーく?ってなんだ」
「・・・ハル教えてやれ」
「えー、ニノが教えてやりなよ」
「バカが移る」
「じゃあ、僕だってイヤだよ」
「失礼だな!!お前等!!じゃあ、いいよ!甲に教えt・・・」
「だが、断る」
まだ何も言ってないのに~~~!!とか言いながら崩れ落ちるどうしようもないアホ、一名。
女子五人からも微妙な目を向けられている。
・・・一生そうやってろ。
そうしてワイワイやっていると、
「やぁ、君たちが結衣のお友達かい?」
「? ええ、まぁそうですが・・・どちら様で?」
「おっと失礼、こちらから名乗るのが礼儀だね。・・・初めまして、結衣の父親であり神宮寺財閥現当主の神宮寺 兼継というものだよ。いやぁ、さっそく結衣に友達ができるなんて喜ばしい限りだよ」
「はぁ、どうも俺の名前は鮎川甲ですけど・・・って神宮寺のお父上ぇえ!?」
「ははは、お父上っておもしろい呼び方だね」
神宮寺の父親と俺がそんな風に第一次遭遇を果たしていると
「ん~?どうかしたかい、甲」
「やぁ、初めまして。結衣の父親の兼継というものだよ。よろしくね」
「はい~、藤巻春雨っていいます。みんなからはハルって呼ばれていm・・・って父親?」
同じくハルも固まってしまった。
「おや?どうかしたかい?二人して固まってしまって・・・」
二人して固まっているとこちらの騒ぎを聞きつけたのか、みんなが集まってきた。
「うん?このおっさん誰だ?というか何でこいつら固まってんの?」
「・・・知らん」
ニノと祐二は気づいていないのか、いつもの調子でそんな風に言っているが会長達は気づかないはずがなく
「・・・ほう。さしずめ、娘に悪い虫が寄りつかないように駆除にでもしにきたのか・・・」
「・・・会長さんって相変わらずだよね」
「うん、何を前にしても動じないもん」
「お久しぶりですわ、神宮寺家当主」
「お、お父様・・・」
女子連中はみんな知っているみたいだ。
補足しておくと、ニノと祐二は神宮寺のお父様発言で完全に固まっている。
「やぁ、初めまして皆さん。そして、君は・・・リーズリット君か!いやぁ、久しぶりだね。日本に来ているとは聞いていたがまさか娘と同じ学校に来ているとは・・・」
そして、とそこで言葉をいったん切り、
「おかえり、結衣」
「はい、ただいま帰りました!」
そこで、ちょうどパーティー料理が運ばれてきて
「さぁ皆さん、今日は私たちの主催です。存分にお楽しみください。あなた達の歓迎に心から感謝しています。これからも結衣をよろしくお願いします」
『は~い』
ちなみに、俺たちが正気に戻ったのはその後十分くらいだった。
「何で誰も教えてくれなかったんだよ」
高瀬と間宮にそう言うと
「いや、あれは教えてもらうもんじゃないでしょ」
「うん、普通に毎日ニュース見てれば、必ず一回は出てくる顔だよ」
「・・・そうか?」
「まぁあなたが教養不足なのは、今に始まったことではありませんし、問題ないでしょう」
「うんそうですね~・・・って誰が納得するかい!!と言うよりリズ、ちょいと失礼すぎやしませんかねぇ!?」
「失礼?何に向かってです?」
「えぇ!?そこは普通に俺だろ!!て言うか、何って俺はものかよ!」
「・・・・・・」
「んなイヤな顔すんな!!」
「まぁまぁ、夫婦漫才はその辺にして」
誰が夫婦じゃ!!という俺たちのツッコミは無視して間宮は
「お熱いのはいいけど、主役どこ行ったか知らない?」
「主役って・・・神宮寺か?」
「うん、さっきからほのちゃんと探してるんだけどどこにもいないわけですよ」
ねぇ、と言って隣の高瀬に目配せする。
「はい、結衣ちゃんのお父様が帰ってきたあたりまでは居たんですけど・・・」
「じゃあ、親子で何か企んでいるのではなくて?」
「企む?」
リズが突然訳の分からんことを言ってくるので、疑問を持つと
「・・・まぁ社交界では有名な話しなんですが、神宮寺家のパーティーでは必ずと言っていいほど何かしらの仕掛けがあるのですわ」
リズの口調が初期に戻りつつあるが、まぁこのさい気にしないでおこう。
にしても仕掛けとな・・・。俺たちが来ることは結構急でそんなことをしている暇はなかったはずだけど・・・。
すると、リズは眉値を寄せて考え込む俺の顔から何を疑問に思っているのか悟ったのか
「・・・甲、ここは神宮寺家のいわばホームグラウンド。いつ何時のために何が仕掛けてあってもおかしくなくてよ」
「・・・たしかに」
てか俺たちは何をそんなに警戒してるんだろうね。さっきの父親の人柄から言ってそんなめちゃくちゃなことはしないだろうし、やってビンゴとか?ん?これはゲームか・・・。
そんなことを考えていると
『レディース・アンド・ジェントルメン。大変長らくお待たせいたしました!「ちょ、ちょっとお父様!」いいから、いいから!これから、ちょっとしたゲームをしたいと思います!内容は至極簡単、私の所までたどり着き結衣を助け出すこと。それでは、黒井にルール説明は任してある。ふっふっふ、さぁ!来たまえよ諸君!』
そこで、音声は切れた。
・・・。
『はぁっ!?』
「・・・まぁいつも通りですわね」
俺たち全員が驚く中、リズは一人だけ訳知り顔で頷いていた。
まぁ、仕掛けがあるとは言われていたが・・・まさか、こんなRPGみたいな真似をする羽目になるとは思いもしなかったわけで、もうちょっとブルジョワジー的な仕掛けを期待してたんだが・・・。なんだこのやるせなさ。
俺たちが呆然としていると、執事姿の人が(さっきの話からたぶん黒井さん)
「それでは皆様、御傾聴ください。ルールは簡単、この屋敷の中を探索し、お嬢様を救出していただくというものです。武器は、こちらの拳銃、木刀、手甲などをお使いください。拳銃はペイント弾ですのでご安心を。弾は随所に隠してあります。制限時間は、三時間、午後十一時までです。それでは」
そこまで一気に説明すると、黒井さんは下がってしまった。
「・・・なぁ」
「うん」
「これってさぁ・・・」
「・・・うん」
「ありきたりなRPGだよな」
「・・・・・・うん」
というか・・・
「超展開すぎるだろ、これぇぇぇぇぇぇ!!!」
お金持ちの思考はいまいち理解の及ぶところでは無かった。
「でも、なんかおもしろそうじゃん!」
ハルと俺は若干現実逃避気味だったが、間宮はそういいながら手甲をとった。
「やるからには全力ですわ」
そういってレイピアをとるリズ。
「なんだかわくわくしますよね」
高瀬までもが木刀をとりながらそんなことを言う。
ちなみに、会長は言うまでもなく真っ先にマシンガンをとっていた。
・・・女子の方が肝っ玉が座ってるとか言われるのはこう言うのが原因だと思うんだ。
後残る武器は、拳銃、拳銃、拳銃、新聞紙。
『・・・って、新聞紙っ!?』
危うくスルーしそうになったが、これは絶対に武器のチョイスがおかしいと思う。小学生のチャンバラじゃないか、これじゃあ。
はいはい、男子集合~。
「・・・どうするよ?」
「・・・最後のは絶対ネタだ」
「・・・僕イヤだな」
「そんなん誰だってイヤだろ」
エクス○リバーっ!とでもやれと?
そんな人が居たら、即刻病院へ行くことをおすすめする。
「とりあえず祐二、お前がいけ」
「え~」
「途中で出てきた、敵・・・と言うかメイドさんや執事の人から武器を奪えばいいだろ。得意だろそういうの」
まぁ、そうだけど・・・ブツブツ・・・。とか言いながらしばらくうなっていたが、
「分かった。やるよ、やればいいんだろ!」
「よしよく言った」
これで武器も決まった。ま、余興だと思って楽しもう。
甲「おい、作者」
なんだ
甲「いまさら、『うたわれるもの』なんかにはまってるんじゃない」
うるさいな、神ゲーじゃないか?
甲「そうだとしても、こっちも更新しないとダメだろ」
む・・・
甲「やりだしたことは最後までやらないとな」
・・・・・・
(なんで作者の分身ともいえる主人公に俺は説教されてるんだ?)
甲「聞いてるのか?」
あ、あぁ・・・それより今回の紹介キャラは?
甲「まぁ前回は作者の横暴、『金髪碧眼キャラがメイン』の思想に基づいてリズだったんだが・・・」
が?
甲「・・・今回はもめにもめた」
それで?
甲「一応、間宮・・・なんだけど」
けど?
甲「・・・・・・今回は遠慮しとくらしい」
は?
甲「察してくれ」
・・・なるほど、おまえ地雷を踏んだか
甲「うぐ・・・」
おおかた、貧n・・・ピギャァァァッ!!!
甲「ま、まて。話せばわかる、というか俺はまだ何も・・・イギャァァァァッ!!!」
間宮「・・・ふん!まったくこれだから・・・ぶつぶつ」
(作者、主人公再起不能のため今回はここまで。骸と化した両名は後で間宮さんがおいしく頂きました)
間宮「いただいてないっ!!」