表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界漂流記  作者: 明鏡 桜花
14/17

(14)[エルガルド編]強襲

「・・・。ここまでくれば、問題ないでしょう」

メルがそう言って、足を止める。

城の城門から出て街道沿いにまっすぐ、小休憩を挟みながらだが・・・。それでも、かなりの距離を走った。体力的には限界だ。

「・・・なら、休憩しようぜ。さすがに倒れそうだ」

『だらしがないのう・・・』

いつの間にか刀剣状態に戻ったナナが言う。ちなみに、刀剣状態の時は基本的に俺の腰にぶら下がっている。

その言葉にムッときた俺は

「そう言うなら、お前も走れよ・・・。結構重たいんだぞ」

『いやじゃ』

「もうそこまでの即答だと、いっそ清々しいよ・・・」

うんざりしながら、街道沿いにあった木にもたれかかる。これで少しは筋肉を休める事が出来る。

王女の方はと言うと、案外平気そうだった。

「? なんですか?」

「いや、お姫様なのにずいぶんと体力があるんだな・・・」

「そう言う事ですか・・・、それはですね・・・元々王家は冒険者の家系だったのです。そのために王位を継ぐときには国中を旅してまわるというものがあるんです。その時のために、王家ではいつも修行を欠かさないんです」

「そうなのか・・・」

つまり何だ?俺なんかより、もしかしたらよっぽど強い?・・・あれ?なんだか目から水がこぼれそうだよ。・・・ん?涙じゃないよ?

(哀れじゃのう)

違うし!泣いてないもん!

(誰もそんなこと言っておれはせんだろうに)

・・・。

「・・・そんなことより、追ってが来てはいないか確認してくださいよ~」

「その心配はないだろ。さすがに、この距離だからな」

『しばらくはないと思って・・・』

問題はない、と言おうとしたであろうナナが突然ぴたりと静かになった。

「どうか・・・」

『静かにせい」

したか、と続けようとした俺を遮ってピリピリとした気配を発するナナ。その意識は、どうやら俺達が通ってきた街道に向いているようだが・・・。まさか?

(そうじゃ、ものすごい速さで迫る気配がある。あれは相当に強い部類の人間じゃ。このままじゃと・・・、あと数秒かの)

そんなに早く、追いつくのか!?

(うむ、気付くのが遅れたの。今更、逃げても意味はないじゃろうしおそらく向こうもこちらを捕捉しておる)

くそ・・・。

(・・・まぁ、この気配から言ってそんなに心配する事はないんじゃがの)

は?追ってきてるのに心配する必要がないのか?

(そう言う事じゃ)

「どうかしたんですか~?二人とも」

メルが不思議そうにこちらを見てくる。

「いや、なんかものすごい勢いでこっちに向かってくる気配があるらしい」

「え?それって、早く逃げないとまずいんじゃあ?」

「いや、それがそうでもないんだって」

「へ?」

メルがポカンとしている。

『むっ!?いかん!コウ!襲撃じゃ、左手がわからじゃ!あまりにも追ってくる気配が大きすぎて、気付けなんだ!!』

「こんなところに王女がいるなんて儲けもんだぜ!」

ナナがそう言い終わると同時に、ちょうど左手方向からいかにも盗賊っていう恰好をした奴が出てきた。

「もうちょっと、ひねった格好しやがれっ!!」

ガスッ!

ちょうどいい位置に出てきたのでとっさに左脇のホルスター状の部分から引き抜いたボウガンの銃床(?)で額を思いっきり叩く。

すると、面白いくらいにクリーンヒットして吹っ飛んでいき、木の幹にぶち当たりずるずると崩れ落ちる。どうやらそのまま気絶いしたようだ。

「うっし!」

『油断するな、数だけは多いぞ!』

ナナがそう言ってるそばから、今度は三人同時に斬りかかってくる。しかも、かなり切れ味は良さそうな剣を持っている。

ビュン、ヒュン、ピッ!

「うお!?」

どうやら一人は、レイピアみたいなのを持っているらしい。ものすごい勢いで突いてきた。辛うじてかわせたからよかったが当たっていたら穴があいていそうな音がしたな・・・。勘弁してくれ。

「この・・・っ!!」

バシュッ、バシュッ、バシュッ!

こちらもボウガンで応戦するが、いかんせんこちらは長、中距離系の武器だ。ここまで接近されたら、当然のことながら当てづらい。しかも、こういう盗賊っていうのは大抵、刃に毒をぬっている事が多い。ここまでテンプレートで来ると、逆にそうでないと怖いくらいだ。その証拠に俺がかわして、それた刃が刺さった木の幹が若干変色している。どうやら、致死性の毒ではなく麻痺の類のようだ。

「ふん!当たらないよ!」

襲ってきたうちの一人は女だったらしい。しかも、妙に動きがよくてボウガンが掠りもしない。これはやばいかもしれない。

「この距離では、逆に当てづらいだろ!」

ビュン!

女にはあるまじき剣速で剣を振ってくる。

それを何とか、紙一重でやり過ごすと周りの状況を確認する。取りあえず全員無事だが、全員襲われている最中で誰かが誰かを助けている余裕はないようだ。メルや王女は俺なんかよりも相手をしている人数が多い。

「他の奴の事を気にしている余裕があるのかい?!」

ビュ、ビュンッ!

今度はさっきよりも更に速い!

慌てて回避するが、肩口に当たったようでヒリヒリする。

「当たったね。言うまでもないだろうけど、麻痺毒が塗ってある。しばらくしたら、指先すら動かなくなるだろうよ」

「はん、毒がまわるのには時間がいるだろ」

「・・・それでも、数分しかない」

「十分だ」

『大丈夫なのかの?』

任せとけ、お得意のハッタリをお前に見せてやるよ。

(は?)

いや~、実は結構ビリビリ来てる。正直数分ないな。

(まさか、そのハッタリをかましたまま奴を倒すと?・・・無茶じゃ!万全でないと)

まぁ、大丈夫だろ。

ナナと念話というか心話というか・・・、とにかくそういうものを終わらせ、構えをとる。構えと言っても、ボウガンの矢の先端が盗賊(女)に向くようにしているだけだが・・・。装填されている矢は残り三本。この三本の使い方次第で、勝敗が決まる。

「・・・全部避けきれるもんなら、避けてみろ!」

バシュッ!

「は!私に、当てられるならね!」

相変わらず簡単に避ける。この距離では狙いも確かに付けづらいが、これだけ近いと適当に射ても、速度がかなりあるので簡単に当たるはずなのだ。なのにこいつはすでに四本避けた。正面から射ても、当たらないという事だろう。

ならば、避けさせなければいいだけの事!

バシュッ、ベキッ!

「く!」

一本射た後に、それを追いかけるようにして射る。すると、避けきれないと悟ったのか剣ではじく。一本目が弾かれたが、二本目の狙いは彼女の背後の樹。そこには、等間隔で打ち込まれた矢がある。これは、さっきから避けられていたはずの矢だ。そして、最後の一本には火がともっている。更に、打ち込んである矢には火薬。

これを奴が認識する間、約三秒。

ドカンッ!!

「・・・っぁあ!!」

爆発だけで死ななかったのはさすがと言うべきだろう。

だが、爆発後に俺が追撃に出るのに約五秒。

女盗賊が追撃に気付き、防御をしようとするにはあまりにも時間がなかった。

しかし、追撃の一撃を放とうとしたまさにその時。麻痺毒の影響が現れた。

(・・・っ!!)

そのせいで一瞬動きが鈍る。これは、動きの速い者にとっては必殺の間合いから逃げる好機であり同時に、自らが反撃に出るチャンスでもある。そして、女盗賊は動きが素早い。

故に。

こちらの必殺の一撃はかわされ、またもやそのスピードの翻弄され始める。

「くっそ!」

シュン!ヒュン!

「うおっ!」

今のところは紙一重でかわしているものの、スピードの差は歴然としている。これでは、いずれ避ける事が出来なくなるだろう。

そのすぐ隣では、すでにメルが二十人ほど気絶させている。メルに挑んむ哀れな盗賊は、徐々に増えつつあるがいかんせんメルが強すぎて数秒すらもっていない。こちらは問題ないようだ。

なら、やはり問題はこちらだ。

「戦いの鉄則くらい知ってるでしょ?弱い奴から、先に消えてもらう。だから、貴方に対して体力は使えないのよ!」

「う、うらぁぁぁああああ!!!」

風を斬りながら、突っ込んでくる女盗賊に対して速度で劣り、それを捕捉することもできない俺は防御をする術を持たない。故に、攻めに転じる。攻撃は最大の防御、剣を以って盾となす。

だが、当然防御せずに攻撃する分隙も大きくなる。

ザシュッ!

「うぐっ!」

「イノシシじゃないんだから、突進だけじゃ人には勝てないわよ?せめて霊長類に進化してきてからもう一度来なさい」

「・・・っは、く」

毒と痛みで意識が飛びかけるのを必死につなぎとめる。生命線はここだ。ここで耐えれば俺の勝ち、もし耐えられなけらば俺の負け。なぜならば、こいつの攻撃の癖を読む事が出来たという事もあるし何より、あと少しでおそらく・・・。

「止めよ!死になさい!」

しかし、そんなものを許してくれるほど敵も愚かではないらしい。

なんとか、防御しようと手に力を入れて踏ん張ろうとしたところだった。その影が(盗賊のせいですっかり忘れていた)乱入してきたのは。


「・・・ふん、間抜けが。そんなので、貴様は王女を仲間を救おうと言うのか!」


そう言って、俺の目の前に立ちふさがると俺が全く捕捉できなかった帝の動きが全て見えているかのように、いや実際に見えているんだろうが・・・。その攻撃すべてを防ぎきっていた。挙句には、

「く・・・」

手傷をカウンターで負わせていた。

「やはり王女には私がいなけらばならんのだな」

そこには、王女直属騎士団の団長エルベ・カーネリクスがいた。

遅くなりましたが、何とか戦闘半分まで行きました

メル「今回は時間がないわね」

うん、明日バイトだもん

メル「も~」

も~、じゃないだろ作者の危機だろ。おもに懐の

メル「別にリアルの効果はいらな(ry」

・・・二次元に生きろってか?

メル「今日はやけに自虐的ね」

ちょっと精神的にキマッてんダヨ

メル「・・・ま、まぁ今回はこれくらいにしとこう・・・?ね?」

ああ、そうだな。くくく

メル「マジできてるわ・・・この子」

メル「そういうわけで、もとに戻ったら書き直すわ」

ナナ「ちょっと、待っててくれたもう」

メル「いいトコ取り!?」

ナナ「ふはははは!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ