第27話
さて、火というのは実に様々な使い道がある。
獣を追い払う、食事を作る、武器にする、加工に使う、暖をとる。
その用途は多岐にわたるが、現在シセルが選択した使い道はというと……
「やめろ! 助けてくれ!」
「お前が上手に喋れたら、俺もやめてやる」
シセルは生かしておいた1人のシェフィール兵の目に明々と光る焼けた木の棒を近づけていた。
泣きわめくシェフィール兵の姿にシセルは吐き気を催すが、そこは先ほど大麻を接種したおかげでなんとか耐えられている。
「シセル、時間かけすぎだ。こういうのはとっととやれ」
すっかり仕事を終えた老人が、シセルの持っている棒を引ったくる。
「早く吐け、こっちは忙しいんだ」
言うが早いか、老人はシェフィール兵の目に焼けた棒を突っ込んだ。
痛みで地面をのたうちまわるがそんなことはお構いなしだ。
「なんでここにシェフィール兵がいる? なんで村を襲った? 大将の名前は? 次の目標は? 兵士の数は? 追加でくる予定の戦力はあるのか? あるならどこからくる? はやく吐け次はもう片方だ」
「分かった!! 話す!! 話すから!!」
その頃、ライデン城では……
「貧相な城だな全く」
城の制圧に成功したシェフィール軍は現在方々に散らばり、各地を制圧していた。
シェフィール軍の指揮官、エルフィーはというと……ライデン城で金目の物を物色していたのだが……特にエルフィーの表情が変わるようなものは何一つなかった。
がっかりしながら椅子に座って休んでいると側近が近づいてきた。
ーーまた退屈な報告か。
「さてと、全域が制圧し終わったら教えてくれ。私は寝る」
「流石に指揮官がこんなところで寝るのはいかがなものかと思いますが」
「おいおい、何を勘違いしとるんだ。我々の敵は今戦っているズウォレスなどではないんだぞ? 今のこの戦いなんてものは勝って当然の戦いだ。早く叩き潰すんだ」
エルフィーの言葉にいまいち士気の上がらない側近。
ーーしょうがない奴等だ、利益が無ければ動かないのはシェフィールの血か。
その姿を見て、エルフィーはあることを思いついた。
「そうだ。倒したズウォレス兵の数に応じて追加で報酬を用意してやろう。通常の給料、軍から出される報酬とは別でな。私の財産から出してやろう」
「おお!!」
単純なものだ、エルフィーは周りの兵士に声をかけ回っている側近を見て苦笑した。
「……さて私の財産が持つか、それとも私そのものが消えるか……ちょっとした賭けをしようじゃないか。ズウォレス軍よ」




