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最後の1年なのだから  作者: くろは
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0話

僕、小野寺蓮には告白なんて縁のないことだと思っていた。

告白されるのはもちろんのことだし、告白するなんてもってのほかだ。


彼女が欲しくないわけじゃない。もし彼女がいたら一緒に帰りたいとか休みの日に予定を合わせて遊びに行きたいとか…そんな妄想をたまにはする。高校も3年間いれば友人からそういう惚気話を聞かされていいなぁと思うこともある。


好きな人がいないわけじゃない。むしろ高校入学当初から今までずっと好きな人がいる。そう…一目惚れというやつだ。それも初恋。

今思えば高校1年の春に勇気を出して話しかけていれば何か違ったのだろうか…彼女と面と向かって話そうとすると緊張でロクに話せなくなってしまう…


ずっと片思いを続けてきた。気が付いたら彼女のことを目で追ってたり、男子と話しているのに勝手にヤキモチをやいたり、彼女が勉強しているからとそんな習慣はなかったのにわざわざ図書室で本を読んだりもした。

幸いクラスは3年間ずっと一緒だったから向こうはクラスメイトとして認識はしてくれているだろう。でもそこまで。友人というほど話すわけでもなく、恋愛対象かどうかなんて候補にすらはいっていないだろう。


でも僕はそれでも良いと思っていた。ただのクラスメイトからなんの進展もなかろうと、ただ好きになって、片思いをして、それを伝えずに卒業して、そこで僕の恋は終わりだと思っていた。


「中川が告白されたらしいぞ!」


同じクラスの友人が楽しそうに話してるのを聞くまでは...


その時思ってしまったんだ。このままずっと片想いのまま気持ちを伝えなかったら彼女は他の人と付き合うかもしれない、大学や社会に出てから好きな人が出るかもしれない。


(そんなのはごめんだ...)


彼女を幸せにするのは僕だ。と勝手に思ってしまったんだ...

彼女が笑ってる姿が好きだ、楽しそうにしている姿が好きだ、美味しそうにご飯食べてる姿も、友達としゃべってる姿も好きだ。その姿を他の人に見せてほしくない...醜い嫉妬ということは僕が一番良くわかっている。


それでもやっぱり僕は諦められない。ずっと想っていたからって偉いわけでもないし、付き合えるかどうかすらも定かではない。それでも勇気を出して告白しようと決めたんだ。


最後の1年なのだから・・・












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