ルーカス(街で)
ミアが街へ行くと言った。
考えたい事も山程あり
部屋で待って居ようとも思ったが
考えた所で解決する訳でも無いので
一緒に行く事に決めた。
ミアとお店をまわっていると
コソコソと噂話しが聞こえてきた。
さっきの店も、その前の店も同じ様な噂だ。
「あの三男坊にまた手を焼いているって」
とか。
「また、女に手を出したって?」とか
「遊び歩いて…全く困ったもんだね」とか
街で悪評のあの男の噂だ。
噂では今は部屋に閉じ込められてるらしい。
ミアをこっそり籠から見るが
先程から気にせず買い物を続けている。
全く興味無さそうだ。
そうこうしているうちに最後の品を購入した。
行きとは違い荷物も増え重そうだ。
長く歩いていて疲れているはずの
ミアを手伝えないのが申し訳なく思った。
それなのに、ミアは
「うんん、ありがとう!ルーカスさんもずっと籠の中で大丈夫?ごめんね、窮屈で」
なんて言うんだ。
本当…お人好しだな。
俺が、のらりくらりしてたって言っても
想像できるね。だなんて笑った。
まぁ、トカゲだからかもしれないけど。
そんなトカゲと、その後もミアは
楽しそうにしていた。
俺もミアとの時間は楽しいが
ここでいつまでも甘えていては
…良く無いだろうな。
ルーカスはミアに気付かれない様に
溜息をついた。