街で
私の家は一部屋。
台所も寝る所も一緒で
貯蔵庫とかは外に別にある。
部屋の作りの関係もあり
ルーカスさんと殆ど一緒に過ごしてる。
別々になるのはトイレや入浴くらい。
そうそう、ルーカスさんってば
入浴もするんだ!
出会ってからビックリする事ばかり!
何故か人と話しているかの様に
錯覚してしまう程、動きも考え方も人間ぽい。
あ、寝る時も別々だった。
この家にひとつしかなかった
大きなベッドは私が一人で使えていて
それとは別にルーカスさん用に
籠に干し草を敷き詰めて布を置いた
簡単なベッドを作った。
食事に関しても
体が小さいルーカスさんに量は必要なく
特に困った事はない。
なので以前と変わらず3日に一度、街へ行く。
今日はルーカスさんも一緒だ。
私達がいくつかお店をまわっていると
おばさん達があれこれ噂話していた。
ちょっと穏やかでは無さそうだけれど…
気にせず横で呑気に買い物を済ませていく
「なぁ、そろそろ疲れないか?ミアはずっと歩きっぱなしだろ?」
籠に入っていたルーカスはひょこりと顔を出す。
「そうね、でも大丈夫!ありがとうルーカスさん。
あと一つ買えばおしまい!」
籠に卵、パン、ミルク、チーズ、野菜、お肉と
たくさん持って家に向かう
「手伝えなくて、ごめんな」
「うんん、ありがとう!ルーカスさんもずっと籠の中で大丈夫?ごめんね、窮屈で」
道を歩けば踏まれるかもしれないし
トカゲを肩にのせるというのも目立つので
籠に入ってもらっている。
「そんな事、気にするな。
…ミアは街に住もうとは思わないのか?」
「うーん、お金に余裕が有れば良いけどギリギリだから難しいかな…そういえばルーカスさんは今までどう暮らしてたの?」
「んーー…のらりくらりとしてたな」
「そっか、想像できるね」
私はくすっと笑う
「だろ?」
ルーカスは軽く笑った。
ふたりで話しながら帰ると時間が早く感じた。
今までひとりだったからだろうか。
最初は嫌だったのに…
苦手意識が薄れたと思ったら
今はちょっと楽しい。