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一緒に暮らす⁉︎

朝日が目に染みる。寝不足だ。完全に。

結局トカゲはそのまま朝までぐっすりだった。

布団に一緒に入れる訳も無く…

座って寝たから体が痛い。

せめてソファさえあれば違っただろうに。



「んー、おはよう」


トカゲはベッドの上で

仰向けから起き上がり伸びをした後

こちらへ二本足で歩いてくる。

その姿は少し人間ぽい。


それに、昨日は気付かなかったけれど

目の前のトカゲはこの辺に生息している

トカゲと違いキラキラと光ってもいなかった。

そのお陰で抵抗が少し薄れた。


これなら大丈夫そうだ。うん。平気かも。



「おはよう…ございます?」

どう接していいか迷ってしまった。




テーブルにはサンドウィッチが作ってある。

私とトカゲが食べる為、2人分。

今更だけれど踏んだ事のお詫びをしようと思って。


トカゲは自分の食事がある事に

驚いた顔をしている。


「昨日も今日も…ありがとう。凄く助かった」


トカゲからお礼を言われて

少しだけ気恥ずかしく、また嬉しくなった。


お礼なんて言われるなんて思ってなかったな。




その後は何を話す訳でもなく。

ひとりと一匹は黙々と食べ続けた。



食事が終わる頃

トカゲが口を開いた。


「俺の名前はルーカス」


「え…あ、はい。私の名前はミアです」



トカゲなのに人間の様な名前だ。

飼われているトカゲなのかな?

喋るトカゲなんて珍しいからあり得るかもしれない。



「そうか、ミア。

…申し訳ないがしばらく泊めてはもらえないか?」



ん?今なんて言った?


泊めて?


誰を?


え?トカ…ルーカスさんを?

飼い主さんはどうしたの?居ないの?家出とか?



私はとんでもない顔をしていると思う。

何か言いたいのに言葉が出なくて

口をパクパクさせて魚みたいになった。



落ち着こう、落ち着かなきゃ…



深呼吸をして

もう一度考えた。



…………。



えーっと、

ルーカスさんと一緒に暮らすって事!?



いつまで?


いくら抵抗が薄れたと言えども…




「…痛むな…。」

ルーカスさんは腰のあたりを尻尾でさする。



え…嘘でしょ⁉︎


さっきのお礼は一体なんだったの⁉︎



ああ…どうして昨日、踏んでしまったの。

もう少し早ければ、もしくは遅ければ

踏んでなかったかもしれない。

いや、もっと足元を見ていれば…

後悔が押し寄せる。


「…」


「ミアは冷たいな」

ルーカスさんはため息を吐きながら

チラチラとこちらの様子を伺ってくる。


ミアはぎりぎりと食いしばる。

返事をしたら負ける気がする。

負けたら=泊めるだ。


「…」


「死ぬところだったというのに」


「…う」


それとこれは関係ないんじゃないの?

と思ったけれど負い目があるからか視線が痛い。


「………」



ルーカスさんが

じーーーーっと見つめてくる。



た、耐えられない!



「…わっかりました‼︎」


「あぁ‼︎ありがとう‼︎優しいな、ミア‼︎」

わざとらしく喜んでいる。

絶対、絶対、演技だわ。あれは。




でも、でも負けないんだからね‼︎‼︎

これだけは守ってみせる‼︎



「ただし‼︎ベッドは私が使います‼︎‼︎」



よし‼︎言えた‼︎‼︎

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