苦手なトカゲ
私の父は10歳の時に
母も14歳の時に死んでしまった。
それから2年間は森に生えた薬草を売り
街で食材を買い。川で魚を釣ったりしながら
ひとりで暮らしていた。
その生活はとても寂しくて
兄弟や姉妹でも居れば…なんて思った事は
何度もあった。
私は話し合い手が欲しかった。
だけど、相手は人間が良い。
神様って意地悪なんだな。
どうして苦手なトカゲなの?
蛇なら平気なのに。
トカゲの何が苦手か?
にゅるにゅるしてるのに脚が生えていて
あのピクリと止まったかと思えば素早く動くところ。
あと変な色でキラキラ光るとこ…
ふぉぉあ、考えたら寒気がする。
身震いしながら
ベッドの方へ視線を移す。
あの後、トカゲは半ば強引に着いて来た。
混乱していて細かい所は思い出せないけれど…
私が作ったシチューとパンを食べ終えた後
一つしかないベッドを占領した。
そして私は後片付けをしている。
ふぅ…。
家から出て少し離れた川辺からバケツで水を運ぶと
蜂蜜色の髪をした薄い青色の瞳をした女の子が
疲れた顔をしてこちらを見ている。
他に人が⁉︎と思ってビックリしたけれど
……私だった。
なんか、老けた気がする。
はぁ…。
何度目のため息だろうか…。
「…トカゲってシチュー食べるんだ…」
もう、疲れてしまって頭が回らなかった。