トカゲと出会う
ーーーーーーーっ⁉︎
普段は静かな森の奥
奇奇怪怪な事が起こってしまった。
何が起こったかって?
私の目の前で
トカゲが呆れた様にふぅ…と息を吐く。
その辺に転がっていた木に脚を組み座り
ぎりぎり届くか届かないかの足が
上手い具合に尻尾でバランスを取っていて
やけに様になっていた。
これだけでも驚くけれど
このトカゲは喋った。
振り返る事、数十分前
私、ミアは街で食材を買い
森の中にある自分の家へ帰る所だった。
街から家に着くまで1時間程の距離で
急では無いけれど傾斜があるしボコボコした道や
草花が生い茂る場所を通る為
荷物を背負って歩くのは何回経験しても大変だ。
ハァ…ハァ…。
後ろで編み込んである髪も乱れて
後り毛が汗で顔に張り付いている。
よし!あと少し!がんばれ!私!
自分を応援しながら足を踏み出した。
その時。
「ぐげぇ」
ぐにょりたした感触が
足から伝わってきた。
絶対に何か踏んだんだけれど
怖くてすぐには確認できなかった。
嫌な予感しかしない。
“何か”を踏んだ事は間違いない。
決意をして恐る恐る足元を見る。
そこには私の足よりも少し大きそうな
白いトカゲが這いつくばって
赤みがある少し薄い紫色の瞳で私を睨んでいた。
「…おい…足をどけろぉ…」
サッと足を退けて後ずさり
周りを見た。
誰も居ない。
確かに聞こえたはずなのに。
今までこの森で16年住んでいて
こんな事は一度もなかった。
“誰も居ない”のに声が聞こえるなんて
ある訳がない。
…木の影とか?それとも岩?
「おい、どこを見ている。下だ、下を見ろ」
もう一度、さっきのトカゲを見る。
「え…トカゲって話せるっけ?」
驚きのあまり訳の分からない事を言ってしまった。
きっと空耳。そう。空耳ね。
「…おぃ…大丈夫か?当たり前たが普通のトカゲは話せないぞ。俺が“特別”なだけだな」
「ーーーーーーーっ⁉︎⁉︎」
ミアは驚きの余り気を失いそうになった。
初めて書きました!
表現が難しい…。