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手袋
歳歳と緑が息をしていて手袋する朝
格子窓はサイノメの形に光を切り
わたくしの前にならべるために
きもちの上で一つ眼の鬼の様
そうして一つ眼の木を捜す
唯そんな児戯にふけるよ
外に出たら空は青いよ
そうきりりと青いよ
空気はかっきりと
冷いよ太陽は唯
肉体を惟神し
夜驚症の身
癒して唯
通い路
手袋
肺
靴下
内感覚
皮膚の内
ふゆのみず
地下水脈の様
闇をふりはらい
すばらしく流れて
血液も一つ眼の天使
漆喰をつかう家が見え
それは一つ眼に結晶して
あることを悟らせるのだよ
わたくしは内部にまゆを築く
そのまゆは質朴でまたしなやか
その様な手袋の様なまゆを築くと
考えるうち駅につく眼を覚す緑歳歳